いだい な ちょう こく あつ 森。 索引

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いだい な ちょう こく あつ 森

排列法• 見出し語は五十音順に排列した.ただし,通常の辞典の排列のように清音,濁音,半濁音,促音(「っ」),拗音(「ゃ」,「ゅ」,「ょ」,「ゎ」,他)による順位はつけず,全て直音に変換したときの順序によって排列を行った.• 長音符「ー」は,直前のカタカナの母音(「ア」,「イ」,「ウ」,「エ」,「オ」のいずれか)を繰り返すものとみなして,その位置に排列した.• カタカナ語の「ヴァ」,「ヴィ」,「ヴ」,「ヴェ」,「ヴォ」はそれぞれ「バ」,「ビ」,「ブ」,「ベ」,「ボ」の位置に排列した.• 読みが定義されていないものは最後に排列し,和文,英文の順序とした.それぞれの排列は文字コードによる.• チ タオ• 【著作】([アメリカ化学会])• ち ていざいさんけんほうときょうそうほうのげんだいてきてんかい• 【著作】(発明協会)• ちいきあんぜんがっかいろんぶんしゅう• 【著作】([地域安全学会])• ちいきかいはつ• 【著作】(一般社団法人日本地域開発センター)• 【著作】(一般財団法人日本地域開発センター)• 【著作】(財団法人 日本地域開発センター)• ちいきがくけんきゅう• 【著作】([日本地域学会])• ちいきこくさいかをかんがえるけんしゅうかい• 【著作】( 財 兵庫県国際交流協会)• ちいきこんそーしあむけんきゅうかいはつほうこくしょ• ちいきさんぎょうにおけるしんざいりょう かこうぎじゅつのかいはつにかんするけんきゅう• 【著作】• ちいきしせつけいかくけんきゅう• 【著作】([社団法人 日本建築学会])• ちいきしゃかいがっかい けんきゅうれいかい• 【著作】(地域社会学会)• ちいきしゃかいにおけるがいこくじんろうどうしゃ• 【著作】(科学研究費報告書)• ちいきしゃかいにおけるがいらいぶんかのじゅようとそのてんかい• ちいきせいさくけんきゅう• 【著作】(財団法人 地方自治研究機構)• ちいきちょうさほうこく• 【著作】• 【著作】• ちいきづくりじっせんこうざだい かい• 【著作】([徳島県教育委員会])• ちいきとかんきょう• 【著作】([京都大学])• ちいきとじゅうみん• 【著作】(市立名寄短期大学道北地域研究所」)• ちいきはつぎじゅつしーずはっぴょうかい• 【著作】• ちいきぼうさいけんきゅうかいねんぽう• 【著作】([徳島大学])• ちいきれべるにおけるふくしききようぐのかいはつふきゅうそくしんにふけたせんりゃくてきてんかいにかんするちょうさほうこくしょ• 【著作】([四国通産局])• ちぇん えんちょう• 【著作】• 【著作】(日本化学会)• 【著作】(日本化学会)• 【著作】(近畿化学協会)• 【著作】(近畿化学協会)• ちぇん じ• 【著作】• 【著作】([Optical Society of America])• ちぇん ぽ じゅん• 【著作】(電気関係学会四国支部)• 【著作】• 【著作】• 【著作】• チェン ワンティンチェン• 【著作】([Elsevier Science])• ちか ともあき• 【著作】• ちがくだんたいけんきゅうかい しんぱんちがくじてん へんしゅういいんかい• 【著作】([地学団体研究会])• ちがくだんたいけんきゅうかい へん• 【著作】([平凡社])• ちかざわ じゅんいち• 【著作】• 【著作】• ちかすいぎじゅつ• 【著作】(日本地下水協会)• 【著作】(日本地下水協会)• 【著作】(日本地下水協会)• 【著作】(日本地下水協会)• 【著作】(日本地下水協会)• ちかもと ひろあき だい かいえふあーるぴーしんぽじうむこうえんろんぶんしゅう• 【著作】([日本材料学会])• ちかもと ひろあき にほんざいりょうがっかいしこくしぶだい かいそうかいだいかいがくじゅつこうえんかいこうえんろんぶんしゅう• 【著作】• ちからいし てつや つうしんのかいてきせい あんぜんせい しんらいせいわーくしょっぷ• 【著作】([電子情報通信学会])• ちきゅうかんきょうしんぽじゅうむこうえんしゅう• 【著作】(土木学会地球環境委員会)• 【著作】(土木学会地球環境委員会)• ちきゅうかんきょうもんだいとさいしんのあんもにあしすてむ• 【著作】([日本冷凍空調学会])• ちきゅうわくせいかがくかんれんがっかい• 【著作】(地球惑星科学関連学会2001年合同大会)• 【著作】(地球惑星科学関連学会2002年合同大会)• ちきゅうわくせいかがくごうどうたいかいよこうしゅう• 【著作】(地球惑星科学合同大会)• ちぎら まさひろ にほんおうようちしつがっかいけんきゅうはっぴょうかいろんぶんしゅう• 【著作】([日本応用地質学会])• ちきら ゆういち• 【著作】([Springer-Verlag])• 【著作】([American Physical Society])• ちくご ふみお にほんきょうぶげかがっかいざっし• 【著作】([特定非営利活動法人 日本胸部外科学会])• 【著作】([特定非営利活動法人 日本胸部外科学会])• ちくご ももこ• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちくごがわりゅういきけんのそうごうけんきゅう おおかわちいきけんきゅう• 【著作】(久留米大学比較文化研究所)• ちくごがわりゅういきけんのそうごうけんきゅう みずまちいきけんきゅう• 【著作】(久留米大学比較文化研究所)• ちざいねんぽう• 【著作】(商事法務)• ちしつとちょうさ• 【著作】(社団法人全国地質調査業協会連合会)• ちしつにゅーす• 【著作】(通産省地質調査所 産業総合研究所 )• ちだ なおき かがくこうがくかいだいななじゅうななねんかい• 【著作】• ちだ なおき だいごかいちゅうしこくわかてしーいーがっしゅく• 【著作】• ちだ なおき だいにじゅうよんかいかがくこうがくのかんするしんぽじうむ• 【著作】• ちだ なおき だいよんかいかがくこうがくさんしぶごうどうふくいたいかい• 【著作】• ちだ なおき だいろくかいちゅうしこくわかてしーいーがっしゅく• 【著作】• ちたんとしかりんしょう• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちてききばんそうぞうりようぎじゅつかいはつじぎょうほうこくしょ• 【著作】(株式会社海洋バイオテクノロジー研究所)• ちてききばんにんげんとくせいけいそくひょうかぎじゅつのちょうさほうこくしょ• 【著作】([社団法人 人間生活工学研究センター])• 【著作】([社団法人 人間生活工学研究センター])• 【著作】([社団法人 人間生活工学研究センター])• 【著作】([社団法人 人間生活工学研究センター])• 【著作】([社団法人 人間生活工学研究センター])• ちてきコンピューティングはいま に• 【著作】([日本ファジィ学会])• ちてきざいさんけんほうのげんだいてきかだい もんやのぶおきょうじゅかんれききねん• 【著作】(発明協会)• ちてきざいさんしんぽじうむ いん とくしま こうえんようししゅう• 【著作】• 【著作】• ちてきざいさんほうのけいふ• 【著作】([青林書院])• ちとらか らめしゅ• 【著作】(日本イオン交換学会)• 【著作】([アメリカ化学会])• ちの けいすけ• 【著作】• ちの はるか• 【著作】([社団法人 エレクトロニクス実装学会])• ちのうそふとうぇあこうがくけんきゅうかい• 【著作】([電子情報通信学会])• ちのうめかとろにくす• 【著作】([社団法人 精密工学会])• 【著作】([社団法人 精密工学会])• ちのうめかとろにくす わーくしょっぷ こうえんろんぶんしゅう• 【著作】([社団法人 精密工学会])• ちのうめかとろにくすせんもんいいんかい けんきゅうほうこく• 【著作】([社団法人 精密工学会])• ちば あつお• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】(社団法人 電気学会)• ちば しんや• 【著作】• 【著作】([日本細菌学会])• ちば だいき• 【著作】• ちば たかゆき にほんしゃかいがっかいたいかい• 【著作】([日本社会学会])• ちば ゆうた• 【著作】• ちばだいがくかんごがくぶふぞくかんごじっせんけんきゅうしどうせんたーねんぽう• 【著作】• ちほうぎょうせい• 【著作】(時事通信社)• ちほうざいせいがっかい• 【著作】([日本地方財政学会])• ちほうしけんきゅうきょうぎかい• 【著作】(雄山閣)• 【著作】([地方史研究協議会])• ちほうしけんきゅうきょうぎかいたいかい• 【著作】• ちほうしけんきゅうきょうぎかいとくしまれいかい• 【著作】([地方史研究協議会])• ちほうしけんきゅうきょうぎかいぷれたいかい• 【著作】([地方史研究協議会])• ちほうとしのこうつうかだい とよたとしこうつうしんぽじうむきろくしゅう• 【著作】• ちみどるじ つぉるもん• 【著作】([Elsevier Science])• ちゃえん こうた• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゃの しゅうたろう• 【著作】• ちゃのきのう せいたききのうのあらたなかのうせい• 【著作】([株式会社 学会出版センター])• ちゃん なむ ほあん• 【著作】([日本生化学会])• 【著作】([日本生化学会])• ちゃん ほん でぃえむ• 【著作】([日本生化学会 中国・四国支部])• 【著作】([D-アミノ酸研究会])• 【著作】([日本生化学会])• チャン ホン ディエム• 【著作】([日本生化学会])• 【著作】([日本ビタミン学会])• 【著作】([日本ビタミン学会])• 【著作】([日本生化学会])• 【著作】([研究所ネットワーク国際シンポジウム])• チャンネル• 【著作】(NHK)• ちゅう しこくきょうせいしかがっかいたいかい• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうおうこんさるたんつけんしょうろんぶん• 【著作】• ちゅうおうだいがくこくぶんがくかい• 【著作】• ちゅうおうみそけんきゅうしょけんきゅうほうこく• 【著作】• 【著作】• ちゅうがいせいやく こうえん• 【著作】• ちゅうかみんこくこくさいはんがびえんなーれてん• 【著作】(第2回中華民国国際版画ビエンナーレ:1985)• 【著作】(第3回中華民国国際版画ビエンナーレ)• 【著作】(台北市立美術館)• ちゅうきょうだいがくしゃかいがくぶきよう• 【著作】(中京大学社会学部)• ちゅうきょうだいがくたいいくけんきゅうしょきよう• 【著作】(中京大学体育研究所)• 【著作】(中京大学体育研究所)• ちゅうきょうたんきだいがくきようろんそうべっさつ• 【著作】(中京短期大学)• ちゅうごく しこくしかますいけんきゅうかい• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうごく しこくせいしんしんけいがっかい• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうごく しこくちくかんごけんきゅうがっかいしゅうろくしゅう• 【著作】• ちゅうごく しこくちくだいがくきょいくけんきゅうかいぷろぐらむ しりょうしゅう• 【著作】([全学共通教育センター])• ちゅうごく にほんこくさいはんがてん• 【著作】(陜西省美術博物館)• ちゅうごくかいほうぐんそうごうびょういんこうれいしゃけんきゅうしょ こうえん• 【著作】• ちゅうごくけいざいがっかいぜんこくたいかいけんきゅうほうこくようししゅう• 【著作】(中国経済学会)• 【著作】(中国経済学会)• 【著作】(中国経済学会)• ちゅうごくけいざいけんきゅう• 【著作】(中国経済学会)• ちゅうごくけいざいのすうりょうぶんせき• 【著作】([世界思想社])• 【著作】([世界思想社])• ちゅうごくけんきゅうげっぽう• 【著作】( 社 中国研究所)• 【著作】( 社 中国研究所)• 【著作】( 一般社団法人 中国研究所)• 【著作】• 【著作】( 社団法人 中国研究所)• ちゅうごくけんきゅうしゅうかん• 【著作】([大阪大学])• 【著作】(大阪大学中国哲学研究室)• ちゅうごくこうぎょうぎじゅつけんきゅうしょほうこく• 【著作】• ちゅうごくこうぎょうしけんしょほうこく• 【著作】(中国工業技術試験所)• 【著作】(中国工業技術試験所)• 【著作】(中国工業技術試験所)• 【著作】(中国工業技術試験所)• 【著作】(中国工業技術試験所)• ちゅうごくこうていねつぶつりがっかい• 【著作】• ちゅうごくしがっかい• 【著作】(中国史学会 韓国 )• ちゅうごくしけんきゅうどうたい• 【著作】• ちゅうごくしこく しょうにほけんがっかい とくべつこうえん• 【著作】• ちゅうごくしこく ちずでよむひゃくねん• 【著作】([古今書院])• ちゅうごくしこくいがくけんさがっかい• 【著作】• ちゅうごくしこくういるすけんきゅうかい• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうごくしこくがっこうほけんがっかい• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】([人間社会学科])• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうごくしこくがっこうほけんがっかいこうえんしゅう• ちゅうごくしこくがっこうほけんがっかいたいかい• 【著作】([中国・四国学校保健学会])• ちゅうごくしこくがんかがっかい• 【著作】• ちゅうごくしこくがんかがっかい しこくがんかがっかいごうどうがんかがっかい• 【著作】• ちゅうごくしこくきたきゅうしゅうちくゆうでんたいせみなー• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうごくしこくきょういくがっかい たいかい• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうごくしこくげかがっかいそうかい• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうごくしこくこうくうがんけんきゅうかいがくじゅつしゅうかい• 【著作】• ちゅうごくしこくこうじょうせんげかけんきゅうかい• 【著作】• ちゅうごくしこくごうどうさんぎょうえいせいがっかい• 【著作】([徳島大学])• ちゅうごくしこくししゅんきがっかい• 【著作】• ちゅうごくしこくししゅんきがっかいがくじゅつしゅうかい• 【著作】• ちゅうごくしこくしぶ そうかいこうえんかいこうえんろんぶんしゅう• ちゅうごくしこくしぶかがくこんだんかい• 【著作】([社団法人 日本化学会])• ちゅうごくしこくしぶこうぶんしこうえんかい• 【著作】([社団法人 高分子学会])• ちゅうごくしこくしぶそうかいこうえんかいこうえんろんぶんしゅう• 【著作】([中国四国支部])• ちゅうごくしこくしぶぶんせきかがくこうえんかい• 【著作】• ちゅうごくしこくしぶぶんせきかがくわかてせみなー• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうごくしこくしぶれいかい• ちゅうごくしこくしょうにしんしんしょうがっかい• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうごくしこくしょうにほけんがっかい• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうごくしこくしんりがっかいたいかい• 【著作】([中国四国心理学会])• ちゅうごくしこくちくかんごけんきゅうがっかいしゅうろく• ちゅうごくしこくちくこうぶんしわかてけんきゅうかい• 【著作】(高分子学会中国四国支部)• ちゅうごくしこくちくこくりつだいがくだいがくいんこうがくけんきゅうかきょうつうこうぎてきすと• 【著作】(愛媛大学大学院理工学研究科)• 【著作】• 【著作】([工学研究科])• ちゅうごくしこくちくだいがくきょういくけんきゅうかい• 【著作】([愛媛大学英文学会])• ちゅうごくしこくちくちゅうごくがっかいたいかい• 【著作】(中国四国地区中国学会)• 【著作】(中国四国地区中国学会)• 【著作】(中国四国地区中国学会)• 【著作】(中国四国地区中国学会)• 【著作】(中国四国地区中国学会)• 【著作】(中国四国地区中国学会)• 【著作】(中国四国地区中国学会)• ちゅうごくしこくちほうぶかい• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうごくしこくちほうぶかいれんごうがっかい• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうごくしこくのさっきょくかにせんじゅうにいんとくしま• 【著作】• ちゅうごくしこくばいおますはっけんかつようきょうぎかい• 【著作】• ちゅうごくしこくれきしがくちりがくきょうかいけんきゅうたいかい• 【著作】(中国四国歴史学地理学協会)• 【著作】• ちゅうごくしこくれきしがくちりがくきょうかいけんきゅうたいかいほうこくしゅう• 【著作】(中国四国歴史学地理学協会)• ちゅうごくしゃかいかがくいんしょうたいがくじゅつこうえん• 【著作】(中国社会科学院歴史研究所)• ちゅうごくしゃかいかがくいんれきしけんきゅうしょこうざ• 【著作】• ちゅうごくちくかがくこうかくこんわかいへいせいにじゅうさんねんきねんこうえんかい• 【著作】• ちゅうごくちゅうせいぶんがくけんきゅう• 【著作】([広島大学])• ちゅうごくちゅうせいぶんがくけんきゅうきねんろんぶんしゅう• 【著作】(白帝社)• ちゅうごくてつがくけんきゅう• 【著作】(東京大学中国哲学研究会)• 【著作】(東京大学中国哲学研究会)• 【著作】(東京大学中国哲学研究会)• 【著作】(東京大学中国哲学研究会)• 【著作】(東京大学中国哲学研究会)• 【著作】(東京大学中国哲学研究会)• ちゅうごくてつがくろんしゅう• 【著作】(九州大学中国哲学研究室)• 【著作】(九州大学中国哲学研究室)• 【著作】(九州大学中国哲学研究室)• 【著作】([九州大学])• ちゅうごくぶんかーけんきゅうときょういく• 【著作】(中国文化学会)• ちゅうごくぶんしびょうたいけんきゅうかい• 【著作】• ちゅうこぶんがっかいしゅうきたいかい• 【著作】(中古文学会)• ちゅうこぶんがっかいせんきゅうひゃくきゅうじゅうはちねんどしゅんきたいかい• 【著作】(中古文学会)• ちゅうしこくきょうせいしかがくじゅつたいかい• 【著作】• 【著作】• ちゅうしこくきょうせいしかがっかいたいかい• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちゅうしこくきょうせいしかがっかいたいかい がくじゅつてんじ• ちゅうしこくこうくうがんけんきゅうかいがくじゅつこうえんかい• 【著作】• ちゅうしこくこうぶんしけんきゅうかい• 【著作】• ちゅうしこくじびいんこうかあれるぎーけんきゅうかい• 【著作】• ちゅうしこくじびいんこうかあれるぎーしっかんけんきゅうかい• 【著作】• ちゅうしこくじんるいがくだんわかい• ちゅうしこくたいりょくいがくかい• 【著作】• ちゅうしこくちほうじょうもんじだいのせいしんぶんか• 【著作】(中四国縄文研究会)• 【著作】(中四国縄文研究会)• ちゅうしこくでんねつけんきゅうかいにゅーす• ちゅうしこくでんねつせみなーとくしまこうえんがいようしゅう• 【著作】(中四国伝熱研究会)• ちゅうしこくでんわそうだんちょうさしちょうさほうこくしょ• 【著作】(徳島電話相談研究会)• ちゅうしこくとしがっかいたいかい• 【著作】(中四国都市学会)• ちゅうしこくねつかがく こうがくけんきゅうかい• 【著作】• 【著作】• ちゅうしこくほうしゃせんいりょうぎじゅつ• 【著作】(中四国放射線医療技術フォーラム)• ちゅうしこくほうしゃせんいりょうぎじゅつふぉーらむ• 【著作】(中四国放射線医療技術フォーラム)• 【著作】(中四国放射線医療技術フォーラム)• 【著作】(中四国放射線医療技術フォーラム)• 【著作】(中四国放射線医療技術フォーラム)• 【著作】(中四国放射線医療技術フォーラム)• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】(中四国放射線医療技術フォーラム)• ちゅうしこくほうしゃせんぎしかいがくじゅつたいかい• 【著作】• ちゅうしこくりんしょうぞうきいっしょくけんきゅうかい• 【著作】• ちゅうにちえーあーるてぃーけんとうかい• 【著作】• 【著作】• ちゅうにちせいやくぎじゅつけんとうかいちゅうにちせいざいとりゅうしせっけいしんぽじうむ• 【著作】• ちゅうにちはんがこうりゅうかい• 【著作】(中華民国国立歴史博物館)• ちゅうぶかがくかんけいがっきょうかいれんごうしゅうきたいかい• 【著作】(中部化学関係学協会支部連合協議会)• ちゅんごくさよんぐ• 【著作】(中国史学会)• ちゅんさん にほんぶつりがっかいこうえんがいようしゅう• 【著作】([日本物理学会])• 【著作】([日本物理学会])• ちょい ゆんじょん• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちょう• 【著作】([社団法人 土木學會])• ちょう あさひ• 【著作】([電子情報通信学会])• 【著作】• 【著作】([日本ME学会])• 【著作】([電子情報通信学会])• 【著作】(一般社団法人電子情報通信学会)• 【著作】([日本磁気歯科学会])• ちょう あさひ にほんえむーいーがっかいちゅうごくしこくしぶたいかいろんぶんしゅう• 【著作】• ちょう えいれい• 【著作】([Elsevier Science])• 【著作】• 【著作】([World Scientific])• 【著作】([日本セラミックス協会])• ちょう かい• 【著作】(CRC Press)• 【著作】(The GEOMATE International Society)• ちょう かいふん だい かいおうようぶつりがっかいしゅんきがくじゅつこうえんかい• 【著作】([応用物理学会])• 【著作】([応用物理学会])• ちょう こう• 【著作】• 【著作】• ちょう ごうた• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちょう こくとう• 【著作】(Science Research Publishing)• 【著作】(Hindawi Publishing Corporation)• 【著作】• ちょう しい• 【著作】• 【著作】• ちょう しびん にほんやくがくかい ねんかい• 【著作】([日本薬学会])• ちょう しんしゅう• 【著作】([電子情報通信学会])• ちょう たーりー• 【著作】([電子情報通信学会])• ちょう たん• 【著作】• ちょう ち びん• 【著作】([工学部])• チョウ ハツジョー• 【著作】([英国王立化学会])• 【著作】([英国王立化学会])• 【著作】([Kluwer Academic Publishers])• ちょう ひじん• 【著作】• 【著作】([電子情報通信学会])• ちょう ぷ• 【著作】• 【著作】([計測自動制御学会])• 【著作】([電子情報通信学会])• 【著作】([IEEE])• 【著作】• ちょう ほう• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちょう ゆう• 【著作】([信号処理学会])• 【著作】([電子情報通信学会])• 【著作】([信号処理学会])• 【著作】([信号処理学会])• 【著作】([電子情報通信学会])• 【著作】([計測自動制御学会])• 【著作】([計測自動制御学会])• 【著作】([情報処理学会])• 【著作】([計測自動制御学会])• 【著作】([日本機械学会])• ちょう ゆえふぃ• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちょう らく• 【著作】([電気学会])• ちょういおんどうでんたいのいおんのゆそうげんしょう• 【著作】• ちょういおんどうでんたいぶっせいけんきゅうかい• 【著作】• 【著作】• ちょうおんぱいがく• 【著作】• ちょうおんぱえれくとろにくすしんぽじうむ• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちょうおんぱえれくとろにくすのきそとおうようにかんするしんぽじうむこうえんよこうしゅう• 【著作】• ちょうおんぱけんきゅうかい• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちょうおんぱけんさがく• 【著作】• 【著作】• ちょうおんぱしんぽじうむ• 【著作】• ちょうおんぱてくの• 【著作】• 【著作】([日本工業出版 株式会社])• 【著作】([日本工業出版 株式会社])• 【著作】([日本工業出版 株式会社])• 【著作】([日本工業出版 株式会社])• 【著作】(日本工業出版株式会社)• 【著作】([日本工業出版 株式会社])• 【著作】([日本工業出版 株式会社])• 【著作】([日本工業出版 株式会社])• 【著作】([日本工業出版 株式会社])• 【著作】([日本工業出版 株式会社])• 【著作】([日本工業出版 株式会社])• 【著作】([日本工業出版 株式会社])• 【著作】([日本工業出版 株式会社])• ちょうおんぱによるひはかいけんさしんぽじうむこうえんろんぶんしゅう• 【著作】([社団法人 日本非破壊検査協会])• ちょうおんぱによるひはかいひょうかしんぽじうむ• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】• ちょうおんぱによるひはかいひょうかしんぽじうむこうえんろんぶんしゅう• 【著作】([社団法人 日本非破壊検査協会])• ちょうかたいざいがいこくじんとざいりゅうとくべつきょか• 【著作】(明石書店)• ちょうきかほうていしきけんきゅうかい• 【著作】• 【著作】• ちょうさけんきゅうほうこくしょ• 【著作】(労働福祉事業団)• ちょうさほうこくしょ• ちょうしっかんのりんしょう• 【著作】• ちょうせい• 【著作】([画像電子学会])• ちょうせんがくほう• 【著作】• 【著作】([朝鮮学会])• 【著作】([朝鮮学会])• 【著作】([朝鮮学会])• ちょうせんがっかい• 【著作】• ちょうないふろーらとせいたいほめおすたしす• 【著作】([株式会社 学会出版センター])• ちょうはま こういち• 【著作】• ちょうびりゅうしかいはつおうようはんどぶっく• 【著作】(サイエンスフォーラム社)• チョー ハツジョー• 【著作】([アメリカ化学会])• チョー ハツジョー しこくかみパけんぎじゅつニュース• 【著作】(四国紙パルプ研究協議会)• ちょさくけんはんれいひゃくせん• 【著作】([株式会社 有斐閣])• 【著作】([株式会社 有斐閣])• ちよだ きぬえ• 【著作】([日本学校保健学会])• チョン ヒョンキョン• 【著作】• ちりげっぽう• 【著作】(二宮書店)• ちりばるぱらいそこくさいあーとびえんなーれてん• 【著作】(第7回チリ,バルパライソ国際アートビェンナーレ実行委員会)• 【著作】(第9回チリ,バルパライソ国際アートビエンナーレ実行委員会)• ちりょう• 【著作】([株式会社 南山堂])• 【著作】• 【著作】• 【著作】• 【著作】([株式会社 南山堂])• 【著作】([株式会社 南山堂]).

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【コトダマン】7文字 言葉一覧

いだい な ちょう こく あつ 森

りっしょう あんこくろん. 立正 安国論. ぶんおう がんねん しちがつ. 文応 元年 7月. にちれんだいしょうにん 39さい おんさく. 日蓮大聖人 39歳 御作. あたう ほうじょう ときよりしょ かまくらに おいて. 与 北条 時頼書 於 鎌倉. りょきゃく きたりて なげいて いわく. 旅客 来りて 嘆いて 曰く. きんねんより きんじつに いたるまで. 近年より 近日に 至るまで. てんぺんちよう ききんえきれい あまねく てんかに みち. 天変地夭 飢饉疫癘 遍く 天下に 満ち. ひろく ちじょうに はびこる. 広く 地上に 迸る. ぎゅうば ちまたに たおれ がいこつ みちに みてり. 牛馬 巷に 斃れ 骸骨 路に 充てり. しを まねくの ともがら すでに たいはんに こえ. 死を 招くの 輩 既に 大半に 超え. かなしまざるの やから あえて いちにんも なし. 悲まざるの 族 敢て 一人も 無し. しかるあいだ あるいは りけんそくぜの もんを もっぱらにして さいど きょうしゅの なを となえ. 然る間 或は 利剣即是の 文を 専にして 西土 教主の 名を 唱え. あるいは しゅうびょうしつじょの がんを たもちて とうほうにょらいの きょうを ずし. 或は 衆病悉除の 願を 持ちて 東方如来の 経を 誦し. あるいは びょうそくしょうめつ ふろうふしの ことばを あおいで. 或は 病即消滅 不老不死の 詞を 仰いで. ほっけしんじつの みょうもんを あがめ. 法華真実の 妙文を 崇め. あるいは しちなんそくめつ しちふくそくしょうの くを しんじて ひゃくざひゃっこうの ぎを ととのえ. 或は 七難即滅 七福即生の 句を 信じて 百座百講の 儀を 調え. あるは ひみつしんごんの きょうに よって ごびょうの みずを そそぎ. 有るは 秘密真言の 教 に因て 五瓶の 水を 灑ぎ. あるは ざぜんにゅうじょうの ぎを まっとうして くうかんの つきを すまし. 有るは 坐禅入定の 儀を 全して 空観の 月を 澄し. もしくは しちきじんの なを しょして せんもんに おし. 若くは 七鬼神の 号を 書して 千門に 押し. もしくは ごだいりきの かたを ずして ばんこに かけ. 若くは 五大力の 形を 図して 万戸に 懸け. もしくは てんじんちぎを はいして しかくしかいの さいしを くわだて. 若くは 天神地祇を 拝して 四角四堺の 祭祀を 企て. もしくは ばんみんひゃくせいを あわれんで こくしゅ こくさいの とくせいを おこなう. 若くは 万民百姓を 哀んで 国主 国宰の 徳政を 行う. しかりと いえども ただ かんたんを くだくのみにして. 然りと 雖も 唯 肝胆を 摧く のみにして. いよいよ きえきに せめられ. 弥 飢疫に 逼られ. こつきゃく めに あふれ しにん まなこに みてり. 乞客 目に 溢れ 死人 眼に 満てり. ふせる しかばねを ものみと なし. 臥せる 屍を 観と 為し. ならべる かばねを はしと なす. 並べる 尸を 橋と 作す. おもんみれば それ じりへきを あわせ ごい たまを つらぬ. 観れば 夫れ 二離璧を 合せ 五緯 珠を 連ぬ. さんぽうも よに いまし ひゃくおう いまだ きわまらざるに. 三宝も 世に 在し 百王 未だ 窮まらざるに. このよ はやく おとろえ その ほう なんぞ すたれたる. 此の世 早く 衰え 其の法 何ぞ 廃れたる. これ いかなる わざわいに より これ いかなる あやまりに よるや. 是れ 何なる 禍に 依り 是れ 何なる 誤に 由るや. しゅじんの いわく ひとり このことを うれいて くおくに ふんぴす. 主人の 曰く 独り 此の事を 愁いて 胸臆に 憤悱す. きゃく きたって ともに なげく しばしば だんわを いたさん. 客 来つて 共に 嘆く 屡 談話を 致さん. それ しゅっけして みちにいる ものは ほうに よって ほとけを ごするなり. 夫れ 出家して 道に入る 者は 法に 依つて 仏を 期するなり. しかるに いま しんじゅつも かなわず ぶついも しるしなし. 而るに 今 神術も 協わず 仏威も 験しなし. つぶさに とうせの ていを みるに ぐにして こうせいの うたがいを おこす. 具に 当世の 体を 覿るに 愚にして 後生の 疑を 発す. しかれば すなわち えんぶを あおいで うらみを のみ ほうざいに ふして うらおもいを ふかくす. 然れば 則ち 円覆を 仰いで 恨を 呑み 方載に 俯して 慮を 深くす. つらつら びかんを かたむけ いささか きょうもんを ひらきたるに. 倩ら 微管を 傾け 聊か 経文を 披きたるに. よ みな しょうに そむき ひと ことごとく あくに きす. 世 皆 正に 背き 人 悉く 悪に 帰す. ゆえに ぜんじんは くにをすてて あいさり しょうにんは ところを じして かえりたまわず. 故に 善神は 国を捨てて 相去り 聖人は 所を 辞して 還りたまわず. これを もって ま きたり き きたり さい おこり なん おこる. 是れを 以て 魔 来り 鬼 来り 災 起り 難 起る. いわずんば あるべからず おそれずんば あるべからず. 言わずんば ある可からず 恐れずんば ある可からず. きゃくのいわく てんかの わざわい こくちゅうの なん よ ひとり なげく のみに あらず しゅう みな かなしむ. 客の曰く 天下の 災 国中の 難 余 独り 嘆く のみに 非ず 衆 皆 悲む. いま らんしつに はいって はじめて ほうしを うけたまわるに. 今 蘭室に 入つて 初めて 芳詞を 承るに. じんしょう さり じし さいなん ならびおこるとは. 神聖 去り 辞し 災難 並び起るとは. いずれの きょうに いでたるや その しょうこを きかん. 何れの 経に 出でたるや 其の 証拠を 聞かん. しゅじんの いわく そのもん はんたにして そのしょう ぐばくなり. 主人の 曰く 其の文 繁多にして 其の証 弘博なり. こんこうみょうきょうに いわく. 金光明経に 云く. 「そのこくどに おいて このきょう ありといえども いまだかつて るふせしめず. 「其の国土に 於て 此の経 有りと雖も 未だ甞て 流布せしめず. しゃりの こころを しょうじて ちょうもんせんことを ねがわず. 捨離の 心を 生じて 聴聞せん事を 楽わず. また くようし そんちょうし さんたんせず. 亦 供養し 尊重し 讃歎せず. しぶのしゅう じきょうの ひとを みて また また そんちょうし ないし くようすること あたわず. 四部の衆 持経の 人を 見て 亦 復た 尊重し 乃至 供養すること 能わず. ついに われら および よの けんぞく むりょうの しょてんをして. 遂に 我れ等 及び 余の 眷属 無量の 諸天をして. この じんじんの みょうほうを きくことを えざらしめ. 此の 甚深の 妙法を 聞くことを 得ざらしめ. かんろの あじに そむき しょうほうの ながれを うしない. 甘露の 味に 背き 正法の 流を 失い. いこう および せいりょく あること なからしむ. 威光 及以び 勢力 有ること 無からしむ. あくしゅを ぞうちょうし にんてんを. 悪趣を 増長し 人天を 損減し. そんげんし しょうじの かわに おちて ねはんの みちに そむかん. 生死の 河に 墜ちて 涅槃の 路に 乖かん. せそん われら しおう ならびに もろもろの けんぞく. 世尊 我等 四王 並びに 諸の 眷属. および やしゃとう かくの ごときことを みて そのこくどを すてて おうごの こころなけん. 及び 薬叉等 斯くの 如き事を 見て 其の国土を 捨てて 擁護の 心無けん. ただ われらのみ このおうを しゃきするに あらず. 但だ 我等のみ 是の王を 捨棄するに 非ず. かならず むりょうの こくどを しゅごする しょだいぜんじん あらんも みな ことごとく しゃこせん. 必ず 無量の 国土を 守護する 諸大善神 有らんも 皆 悉く 捨去せん. すでに しゃりし おわりなば そのくに まさに しゅじゅの さいか あって こくいを そうしつすべし. 既に 捨離し 已りなば 其の国 当に 種種の 災禍 有つて 国位を 喪失すべし. いっさいの にんしゅう みな ぜんしんなく ただ けいばく さつがい しんじょうのみ あって. 一切の 人衆 皆 善心無く 唯 繋縛 殺害 瞋諍のみ 有つて. たがいに あい ざんてんし まげて つみなきに およばん. 互に 相 讒諂し 枉げて 辜無きに 及ばん. えきびょう りゅうこうし すいせい しばしば いで りょうじつならび げんじ はくしょく つねなく. 疫病 流行し 彗星 数ば 出で 両日並び 現じ 薄蝕 恒無く. こくびゃくの にこう ふしょうの そうを あらわし ほし ながれ ち うごき いのうちに こえをはっし. 黒白の 二虹 不祥の 相を 表わし 星 流れ 地 動き 井の内に 声を発し. ぼうう あくふう じせつによらず つねに ききんにあって みょうじつ みのらず. 暴雨 悪風 時節に依らず 常に 飢饉に遭つて 苗実 成らず. おおく たほうの おんぞくあって こくないを しんりゃくし じんみん もろもろの くのうを うけ. 多く 他方の 怨賊有つて 国内を 侵掠し 人民 諸の 苦悩を 受け. とち しょらくのところ あることなけん」. 土地 所楽の処 有ること無けん」. だいしっきょうに いわく. 大集経に 云く. 「ぶっぽう じつに おんもつせば しゅ ほつ そう みな ながく しょほうも また もうしつせん. 「仏法 実に 隠没せば 鬚 髪 爪 皆 長く 諸法も 亦 忘失せん. そのとき こくうのなかに だいなる こえあって ちを ふるい. 当の時 虚空の中に 大なる 声あつて 地を 震い. いっさい みな あまねく うごかんこと なお すいじょうりんの ごとくならん. 一切 皆 遍く 動かんこと 猶 水上輪の 如くならん. じょうへき やぶれ おち くだり おくう ことごとく やぶれ さけ. 城壁 破れ 落ち 下り 屋宇 悉く ヤブれ 圻け. じゅりんの ね えだ よう けよう か やく つきん. 樹林の 根 枝 葉 華葉 菓 薬尽きん. ただ じょうこてんを のぞいて よっかいの いっさいしょの しちみ さんしょうけ そんげんして あまりあること なけん. 唯 浄居天を 除いて 欲界の 一切処の 七味 三精気 損減して 余り有ること 無けん. げだつの もろもろの ぜんろん そのとき いっさい つきん. 解脱の 諸の 善論 当の時 一切 尽きん. しょしょうの けかの あじわい きしょうにして また うまからず. 所生の 華菓の 味い 希少にして 亦 美からず. しょうの せいせんち いっさい ことごとく こかくし とちことごとく かんろし てきれつして きゆうかんと ならん. 諸有の 井泉池 一切 尽く 枯涸し 土地 悉く 鹹鹵し テキ裂して 丘カンと 成らん. しょざん みな しょうねんして てんりゅう あめを ふらさず みょうけも みな こしし しょうずるもの みな しし つき よそう さらに しょうぜず. 諸山 皆 ショウ燃して 天竜 雨を 降さず 苗稼も 皆 枯死し 生ずる者 皆 死し 尽き 余草 更に 生ぜず. つちを ふらし みな こんあんに にちげつも みょうを げんぜず. 土を 雨らし 皆 昏闇に 日月も 明を 現ぜず. しほう みな こうかんして しばしば しょあく ずいを げんじ. 四方 皆 亢旱して 数ば 諸悪 瑞を 現じ. じゅうふぜんごうのどう とん じん ち ばいぞうして しゅじょう ふぼに おける これをみること しょうろくのごとくならん. 十不善業の道 貪 瞋 癡 倍増して 衆生 父母に 於ける 之を観ること ショウ鹿の如くならん. しゅじょう および じゅみょう しきりき いらく げんじ. 衆生 及び 寿命 色力 威楽 減じ. にんてんのらくを おんりし みな ことごとく あくどうにだせん. 人天の楽を 遠離し 皆 悉く 悪道に堕せん. かくのごとき ふぜんごうの あくおう あくびく わが しょうほうを きえし てんにんのみちを そんげんし. 是くの如き 不善業の 悪王 悪比丘 我が 正法を 毀壊し 天人の道を 損減し. しょてんぜんじん おうのしゅじょうを ひみんするもの このじょくあくの くにを すてて みな ことごとく よほうに むかわん」. 諸天善神 王の衆生を 悲愍する者 此の濁悪の 国を 棄てて 皆 悉く 余方に 向わん」. にんのうきょうに いわく. 仁王経に 云く. 「こくど みだれん ときは まず きじん みだる きじん みだるるがゆえに ばんみん みだる. 「国土 乱れん 時は 先ず 鬼神 乱る 鬼神 乱るるが故に 万民 乱る. ぞく きたって くにを おびやかし ひゃくせい もうそうし しん くん たいし おうじ ひゃっかん ともに ぜひを しょうぜん. 賊 来つて 国を 刧かし 百姓 亡喪し 臣 君 太子 王子 百官 共に 是非を 生ぜん. てんち けいし にじゅうはっしゅく せいどう にちがつ ときをうしない どをうしない おおく ぞく おこること あらん」と. 天地 怪異し 二十八宿 星道 日月 時を失い 度を失い 多く 賊 起ること 有らん」と. また いわく 「われ いま ごげんを もって あきらかに さんぜを みるに. 亦 云く 「我 今 五眼を もつて 明に 三世を 見るに. いっさいのこくおうは みな かこのよに ごひゃくのほとけに つかえるによって ていおう しゅと なることを えたり. 一切の国王は 皆 過去の世に 五百の仏に 侍えるに由つて 帝王 主と 為ることを 得たり. ここをもって いっさいのしょうにん らかん しかも ために かのこくどのなかに らいしょうして だいりえきを なさん. 是を為つて 一切の聖人 羅漢 而も 為に 彼の国土の中に 来生して 大利益を 作さん. もし おうのふく つきんときは いっさいのしょうにん みな ために すてさらん. 若し 王の福 尽きん時は 一切の聖人 皆 為に 捨て去らん. もし いっさいのしょうにん さらんときは しちなん かならず おこらん」. 若し 一切の聖人 去らん時は 七難 必ず 起らん」. やくしきょうに いわく 「もし せつていり かんちょうおう とうの さいなん おこらんとき. 薬師経に 云く 「若し刹帝利 潅頂王 等の 災難 起らん時. いわゆる にんしゅうしつえきのなん たこくしんぴつのなん じかいほんぎゃくのなん せいしゅくへんげのなん にちがつはくしょくのなん ひじふううのなん かじふうのなん あらん」. 所謂 人衆疾疫の難 他国侵逼の難 自界叛逆の難 星宿変怪の難 日月薄蝕の難 非時風雨の難 過時不雨の難 あらん」. にんのうきょうに いわく. 仁王経に 云く. 「だいおう わが いま けするところの ひゃくおくのしゅみ ひゃくおくのにちげつ いちいちのしゅみに してんげあり. 「大王 吾が 今 化する所の 百億の須弥 百億の日月 一一の須弥に 四天下有り. その なんえんぶだいに じゅうろくのたいごく ごひゃくのちゅうごく じゅうせんのしょうごく あり. 其の 南閻浮提に 十六の大国 五百の中国 十千の小国 有り. そのこくどのなかに ななつの おそるべき なん あり. 其の国土の中に 七つの 畏る可き 難 有り. いっさいのこくおう これを なんと なすがゆえに いかなるを なんとなす. 一切の国王 是を 難と 為すが故に 云何なるを 難と為す. にちがつどをうしない じせつほんぎゃくし あるいは せきじついで こくじついで に さん よん ごのひ いで. 日月 度を 失い 時節 返逆し 或は 赤日出で 黒日出で 二 三 四 五の日 出で. あるいは にっしょくして ひかりなく. 或は 日蝕して 光無く. あるいは にちりん いちじゅう に さん よん ごじゅうりん げんずるを いちの なんと なすなり. 或は 日輪 一重 二 三 四 五重輪 現ずるを 一の難と 為すなり. にじゅうはっしゅく どを うしない. 二十八宿 度を 失い. きんせい すいせい りんせい きせい かせい すいせい ふうせい ちょうせい なんじゅ ほくと ごちんのたいせい. 金星 彗星 輪星 鬼星 火星 水星 風星 チョウ星 南斗 北斗 五鎮の大星. いっさいの こくしゅせい さんこうせい ひゃっかんせい かくのごとき しょせい. 一切の 国主星 三公星 百官星 是くの如き 諸星. おのおの へんげんするを にのなんと なすなり. 各各 変現するを 二の難と 為すなり. たいか くにを やき ばんせい しょうじんせん. 大火 国を 焼き 万姓 焼尽せん. あるいは きか りゅうか てんか さんじんか じんか じゅもくか ぞくか あらん. 或は 鬼火 竜火 天火 山神火 人火 樹木火 賊火 あらん. かくのごとく へんげするを さんのなんと なすなり. 是くの如く 変怪するを 三の難と 為すなり. たいすい ひゃくせいを ひょうもつし じせつ ほんぎゃくして. 大水 百姓を ヒョウ没し 時節 返逆して ふゆあめふり なつゆきふり とうじに らいでん へきれきし. 冬雨ふり 夏雪ふり 冬時に 雷電 霹レキし. ろくがつに ひょう そう はくを ふらし しゃくすい こくすい せいすいを ふらし. 六月に 氷 霜 雹を 雨らし 赤水 黒水 青水を 雨らし. どざん せきざん をふらし さりゃくせきを ふらす. 土山 石山を 雨らし 沙礫石を 雨らす. こうが ぎゃくに ながれ やまを うかべ いしを ながす. 江河 逆に 流れ 山を 浮べ 石を 流す. かくのごとく へんずるときを よんのなんと なすなり. 是くの如く 変ずる時を 四の難と 為すなり. たいふう ばんせいを ふきころし こくど さんが じゅもく いちじに めつぼつし. 大風 万姓を 吹殺し 国土 山河 樹木 一時に 滅没し. ひじの たいふう こくふう せきふう せいふう てんふう ちふう かふう すいふう あらん. 非時の 大風 黒風 赤風 青風 天風 地風 火風 水風 あらん. かくのごとく へんずるを ごのなんと なすなり. 是くの如く 変ずるを 五の難と 為すなり. てんち こくど こうようし えんか どうねんとして ひゃくそう こうかんし. 天地 国土 亢陽し 炎火 洞燃として 百草 亢旱し. ごこく みのらず とち かくねんと ばんせい めつじんせん. 五穀 登らず 土地 赫燃と 万姓 滅尽せん. かくのごとく へんずる ときを ろくのなんと なすなり. 是くの如く 変ずる 時を 六の難と 為すなり. しほうの ぞく きたって くにを おかし ないがいの ぞく おこり. 四方の 賊 来つて 国を 侵し 内外の 賊 起り. かぞく すいぞく ふうぞく きぞく ありて ひゃくせい こうらんし とうひょうこう おこらん. 火賊 水賊 風賊 鬼賊 ありて 百姓 荒乱し 刀兵刧 起らん. かくのごとく けするときを しちのなんと なすなり」. 是くの如く 怪する時を 七の難と 為すなり」 だいしつきょうに いわく. 大集経に 云く. 「もし こくおう あって むりょうせに おいて せかいえを しゅうすとも. 「若し 国王 有つて 無量世に 於て 施戒慧を 修すとも. わが ほうの めっせんを みて すてて おうご せずんば. 我が 法の 滅せんを 見て 捨てて 擁護 せずんば. かくのごとく うゆる ところの むりょうの ぜんこん ことごとく みな めつしつして そのくに まさに みつの ふしょうのこと あるべし. 是くの如く 種ゆる 所の 無量の 善根 悉く 皆 滅失して 其の国 当に 三の 不祥の事 有るべし. いちには こっき にには ひょうかく さんには えきびょうなり. 一には 穀貴 二には 兵革 三には 疫病なり. いっさいの ぜんじん ことごとく これを しゃりせば その おう きょうれいすとも ひと ずいじゅうせず. 一切の 善神 悉く 之を 捨離せば 其の 王 教令すとも 人 随従せず. つねに りんごくの しんにょうする ところとならん. 常に 隣国の 侵ニョウする 所と為らん. ぼうか よこしまに おこり あくふうう おおく ぼうすい ぞうちょうして じんみんを ふき ただよわし. 暴火 横に 起り 悪風雨 多く 暴水 増長して 人民を 吹 タダヨワし. ないがいの しんせき それ ともに むほんせん. 内外の 親戚 其れ 共に 謀叛せん. そのおう ひさしからずして まさに じゅうびょうに あい いのち おわるの のち だいじごくの なかに しょうずべし. 其の王 久しからずして 当に 重病に 遇い 寿 終の 後 大地獄の 中に 生ずべし. ないし おうのごとく ふじん たいし だいじん じょうしゅ ちゅうし ぐんじゅ さいかんも またまた かくのごとく ならん」. 乃至 王の如く 夫人 太子 大臣 城主 柱師 郡守 宰官も 亦復た 是くの如く ならん」. それ しきょうの もん あきらかなり まんにん だれか うたがわん. 夫れ 四経の 文 朗かなり 万人 誰か 疑わん. しかるに もうこのやから めいわくのひと みだりに じゃせつを しんじて せいきょうを わきまえず. 而るに 盲瞽の輩 迷惑の人 妄に 邪説を 信じて 正教を 弁えず. ゆえに てんか せじょう しょぶつ しゅうきょうに おいて しゃりの こころを しょうじておうごの こころざし なし. 故に 天下 世上 諸仏 衆経に 於て 捨離の 心を 生じて 擁護の 志 無し. よって ぜんじん しょうにん くにを すて ところを さる. 仍て 善神 聖人 国を 捨て 所を 去る. これを もって あっき げどう さいを なし なんを いたす. 是を 以て 悪鬼 外道 災を 成し 難を 致す. きゃく いろを なして いわく. 客 色を 作して 曰く. ごかんの めいていは こんじんの ゆめを さとって はくばの きょうを え. 後漢の 明帝は 金人の 夢を 悟つて 白馬の 教を 得. じょうぐうたいしは もりやの ぎゃくを ちゅうして じとうの かまえ をなす. 上宮太子は 守屋の 逆を 誅して 寺塔の 構を 成す. しかしより このかた かみいちにんより しもばんみんに いたるまで ぶつぞうを あがめ きょうかんを もっぱらにす. 爾しより 来た 上一人より 下万民に 至るまで 仏像を 崇め 経巻を 専にす. しかれば すなわち えいざん なんと おんじょう とうじ しかい いっしゅう ごき しちどう ぶっきょうは ほしのごとく つらなり. 然れば 則ち 叡山 南都 園城 東寺 四海 一州 五畿 七道 仏経は 星の如く 羅なり. どうう くもの ごとく しけり. 堂宇 雲の 如く 布けり. しゅうしの やからは すなわち じゅとうの つきを かんじ. シユウ子の 族は 則ち 鷲頭の 月を 観じ. かくろくの たぐいは また けいそくの ふうを つとう. 鶴勒の 流は 亦 鶏足の 風を 伝う. だれか いちだいの きょうを さみし さんぽうの あとを はいすと いわんや. 誰か 一代の 教を 褊し 三宝の 跡を 廃すと 謂んや. もし そのしょう あらば くわしく そのゆえを きかん. 若し 其の証 有らば 委しく 其の故を 聞かん. しゅじん さとして いわく ぶっかく いらかを つらね きょうぞう のきを ならべ. 主人 喩して 曰く 仏閣 甍を 連ね 経蔵 軒を 並べ. そうは ちくいの ごとく りょは とうまに にたり. 僧は 竹葦の 如く 侶は 稲麻に 似たり. そうじゅう とし ふり そんき ひに あらたなり. 崇重 年 旧り 尊貴 日に 新たなり. ただし ほっしは てんごくにして じんりんを めいわくし. 但し 法師は 諂曲にして 人倫を 迷惑し. おうしんは ふかくにして じゃしょうを べんずること なし. 王臣は 不覚にして 邪正を 弁ずること 無し. にんのうきょうに いわく 「もろもろの あくびく おおく みょうりを もとめ. 仁王経に 云く 「諸の 悪比丘 多く 名利を 求め. こくおう たいし おうじの まえに おいて みずから はぶっぽうの いんねん はこくの いんねんを とかん. 国王 太子 王子の 前に 於て 自ら 破仏法の 因縁 破国の 因縁を 説かん. そのおう わきまえずして このごを しんちょうし. 其の王 別えずして 此の語を 信聴し. よこしまに ほうせいを つくって ぶっかいに よらず. 横に 法制を 作つて 仏戒に 依らず. これを はぶつ はこくの いんねんと なす」. 是を 破仏 破国の 因縁と 為す」. ねはんぎょうに いわく 「ぼさつ あくぞうとうに おいては こころに くふすることなかれ. 涅槃経に 云く 「菩薩 悪象等に 於ては 心に 恐怖すること 無かれ. あくちしきに おいては ふいの こころを しょうぜよ. 悪知識に 於ては 怖畏の 心を 生ぜよ. あくぞうの ために ころされては さんしゅに いたらず あくゆうの ために ころされては かならず さんしゅに いたる」. 悪象の 為に 殺されては 三趣に 至らず 悪友の 為に 殺されては 必ず 三趣に 至る」. ほけきょうに いわく. 法華経に 云く. 「あくせの なかの びくは じゃちにして こころ てんごくに いまだ えざるを これ えたりと おもい がまんの こころ じゅうまんせん. 「悪世の 中の 比丘は 邪智にして 心 諂曲に 未だ 得ざるを 為れ 得たりと 謂い 我慢の 心 充満せん. あるいは あれんにゃに のうえにして くうげんに あり. 或は 阿練若に 納衣にして 空閑に 在り. みずから しんの みちを ぎょうずと おもいて にんげんを きょうせんするもの あらん. 自ら 真の 道を 行ずと 謂いて 人間を 軽賎する者 有らん. りように とんじゃくするが ゆえに びゃくえのために ほうを といて. 利養に 貪著するが 故に 白衣の与めに 法を 説いて. よに くぎょう せらるること ろくつうの らかんの ごとく ならん. 世に 恭敬 せらるること 六通の 羅漢の 如く ならん. ないし つねに たいしゅうの なかに あって われらを そしらんと ほっするが ゆえに. 乃至 常に 大衆の 中に 在つて 我等を 毀らんと 欲するが 故に. こくおう だいじん ばらもん こじ および よの びく しゅうに むかって ひぼうして. 国王 大臣 婆羅門 居士 及び 余の 比丘 衆に 向つて 誹謗して. わが あくを といて これ じゃけんのひと げどうの ろんぎを とくと いわん. 我が 悪を 説いて 是れ 邪見の人 外道の 論議を 説くと 謂わん. じょくこう あくせの なかには おおく もろもろの くふ あらん. 濁劫 悪世の 中には 多く 諸の 恐怖 有らん. あっき そのみに いって われを めりし きにくせん. 悪鬼 其の身に 入つて 我を 罵詈し 毀辱せん. じょくせの あくびくは ほとけのほうべん ずいぎ しょせつの ほうを しらず あっくして ひんしゅくし しばしば ひんずい せられん」. 濁世の 悪比丘は 仏の方便 随宜 所説の 法を 知らず 悪口して 顰蹙し 数数 擯出 せられん」. ねはんぎょうに いわく 「われ ねはんののち むりょう ひゃくさい しどうの しょうにん ことごとく また ねはんせん. 涅槃経に 云く 「我れ 涅槃の後 無量 百歳 四道の 聖人 悉く 復た 涅槃せん. しょうほう めっして のち ぞうほうの なかに おいて まさに びく あるべし. 正法 滅して 後 像法の中に 於て 当に 比丘 有るべし. じりつに じぞうして すこしく きょうを どくじゅし おんじきを とんしして. 持律に 似像して 少く 経を 読誦し 飲食を 貪嗜して. そのみを ちょうようし けさを ちゃくすと いえども. 其の身を 長養し 袈裟を 著すと 雖も. なお りょうしの ほそめに みて しずかに ゆくが ごとく ねこの ねずみをうかがうが ごとし. 猶猟師の 細めに 視て 徐に 行くが 如く 猫の 鼠を 伺うが 如し. つねに このげんを となえん われ らかんを えたりと. 常に 是の言を 唱えん 我 羅漢を 得たりと. そとには けんぜんを あらわし うちには とんしつを いだく あほうを うけたる ばらもんとうの ごとし. 外には 賢善を 現し 内には 貪嫉を 懐く 唖法を 受けたる 婆羅門等の 如し. じつには しゃもんに あらずして しゃもんの かたちを げんじ. 実には 沙門に 非ずして 沙門の 像を 現じ. じゃけん しじょうにして しょうほうを ひぼうせん」. 邪見 熾盛にして 正法を 誹謗せん」. もんに ついて よを みるに まことに もって しかなり. 文に 就て 世を 見るに 誠に 以て 然なり. あくりょを いましめずんば あに ぜんじを なさんや. 悪侶を 誡めずんば 豈 善事を 成さんや. きゃく なお いきどおりて いわく. 客 猶 憤りて 曰く. めいおうは てんちに よって けを なし せいじんは りひを さっして よをおさむ. 明王は 天地に 因つて 化を 成し 聖人は 理非を 察して 世を 治む. せじょうの そうりょは てんかの きする ところなり. 世上の 僧侶は 天下の 帰する 所なり. あくりょに おいては めいおう しんず べからず しょうにんに あらずんば けんてつ あおぐ べからず. 悪侶に 於ては 明王 信ず 可からず 聖人に 非ずんば 賢哲 仰ぐ 可からず. いま けんせいの そんちょうせるを もって すなわち りゅうぞうの かるからざるを しんぬ. 今 賢聖の 尊重せるを 以て 則ち 竜象の 軽からざるを 知んぬ. なんぞ もうげんを はいて あながちに ひぼうを なし. 何ぞ 妄言を 吐いて 強ちに 誹謗を 成し. だれびとを もって あくびくと いうや いさいに きかんと ほっす. 誰人を 以て 悪比丘と 謂うや 委細に 聞かんと 欲す. しゅじんのいわく. 主人の曰く. ごとばいんの ぎょうに ほうねんと いうもの あり せんちゃくしゅうを つくる. 後鳥羽院の 御宇に 法然と 云うもの 有り 選択集を 作る. すなわち いちだいの しょうきょうを はし あまねく じゅっぽうの しゅじょうを まよわす. 則ち 一代の 聖教を 破し アマネく 十方の 衆生を 迷わす. その せんちゃくに いわく. 其の 選択に 云く. どうしゃくぜんじ しょうどう じょうどの にもんを たて しょうどうを すてて ただしく じょうどに きするの もん. 道綽禅師 聖道 浄土の 二門を 立て 聖道を 捨てて 正しく 浄土に 帰するの 文. はじめに しょうどうもんとは これに ついて 2 あり. 初に 聖道門とは 之に 就いて 二 有り. ないし これに じゅんじ これを おもうに まさに みつだい および じつだいをも ぞんすべし. 乃至 之に 準じ 之を 思うに 応に 密大 及以び 実大をも 存すべし. しかれば すなわち いまの しんごん ぶっしん てんだい けごん さんろん ほっそう じろん じょうろん これらの はっけの い ただしく ここに あるなり. 然れば 則ち 今の 真言 仏心 天台 華厳 三論 法相 地論 摂論 此等の 八家の 意 正しく 此に 在るなり. どんらんほっし おうじょうろんの ちゅうに いわく つつしんで りゅうじゅぼさつの じゅうじゅうびばしゃを あんずるに いわく. 曇鸞法師 往生論の 注に 云く 謹んで 竜樹菩薩の 十住毘婆沙を 案ずるに 云く. ぼさつ あびばっちを もとむるに 2しゅの みち あり. 菩薩 阿毘跋致を 求むるに 二種の 道 有り. 1には なんぎょうどう 2には いぎょうどう なり. 一には 難行道 二には 易行道 なり. このなか なんぎょうどうとは すなわち これ しょうどうもんなり. 此の中 難行道とは 即ち 是れ 聖道門なり. いぎょうどうとは すなわち これ じょうどもん なり. 易行道とは 即ち 是れ 浄土門 なり. じょうどしゅうの がくしゃ まず すべからく この むねを しるべし. 浄土宗の 学者 先ず 須らく 此の 旨を 知るべし. たとい さきより しょうどうもんを まなぶ ひとなりと いえども. 設い 先より 聖道門を 学ぶ 人なりと 雖も. もし じょうどもんに おいて その こころざし あらん ものは すべからく しょうどうを すてて じょうどに きすべし. 若し 浄土門に 於て 其の 志 有らん 者は 須らく 聖道を 棄てて 浄土に 帰すべし. また いわく ぜんどうわじょう しょうぞうの 2ぎょうを たて ぞうぎょうを すてて しょうぎょうに きするの もん. 又 云く 善導和尚 正雑の 二行を 立て 雑行を 捨てて 正行に 帰するの 文. だいいちに どくじゅぞうぎょうとは かみの かんぎょうとうの おうじょう じょうどのきょうを のぞいて. 第一に 読誦雑行とは 上の 観経等の 往生 浄土の経を 除いて. いげ だいしょうじょう けんみつの しょきょうに おいて じゅじ どくじゅするを ことごとく どくじゅぞうぎょうと なずく. 已外 大小乗 顕密の 諸経に 於て 受持 読誦するを 悉く 読誦雑行と 名く. だいさんに らいはいぞうぎょうとは かみの みだを らいはいするを のぞいて. 第三に 礼拝雑行とは 上の 弥陀を 礼拝するを 除いて. いげ いっさいの しょぶつぼさつ とう および もろもろの せてん とうに おいて. 已外 一切の 諸仏菩薩 等 及び 諸の 世天 等に 於て. らいはいし くぎょうするを ことごとく らいはいぞうぎょうと なずく. 礼拝し 恭敬するを 悉く礼拝雑行と 名く. わたくしに いわく この もんを みるに すべからく ぞうを すてて せんを しゅうすべし. 私に 云く 此の 文を 見るに 須く 雑を 捨てて 専を 修すべし. あに ひゃく そく ひゃくしょうの せんしゅう しょうぎょうを すてて かたく せんちゅうむいちの ぞうしゅう ぞうぎょうを しゅうせんや. 豈 百 即 百生の 専修 正行を 捨てて堅く 千中無一の 雑修 雑行を 執せんや. ぎょうじゃ よく これを しりょうせよ. 行者 能く 之を 思量せよ. また いわく じょうげん にゅうぞうろくの なかに はじめ だいはんにゃきょう 600かんより ほうじょうじゅうきょうに おわるまで. 又 云く 貞元 入蔵録の 中に 始め 大般若経 六百巻より 法常住経に 終るまで. けんみつの だいじょうきょう そうじて 637ぶ 2883かんなり. 顕密の 大乗経 総じて 六百三十七部 二千八百八十三巻なり. みな すべからく どくじゅ だいじょうの いっくに しょうすべし. 皆 須く 読誦 大乗の 一句に 摂すべし. まさに しるべし ずいたの まえには しばらく じょうさんの もんを ひらくと いえども ずいじの あとには かえって じょうさんの もんを とず. 当に 知るべし 随他の 前には 暫く 定散の 門を 開くと 雖も 随自の 後には 還て 定散の 門を 閉ず. ひとたび ひらいて いご ながく とじざるは ただ これ ねんぶつの いちもんなりと. 一たび 開いて 以後 永く 閉じざるは 唯 是れ 念仏の 一門なりと. また いわく ねんぶつの ぎょうじゃ かならず さんじんを ぐそくすべきの もん. 又 云く 念仏の 行者 必ず 三心を 具足す可きの 文. かんむりょうじゅきょうに いわく どうきょうの じょに いわく. 観無量寿経に 云く 同経の 疏に 云く. とうて いわく もし げぎょうの ふどう じゃぞうの ひと とう あって げじゃいけんの なんを ふせがん. 問うて 曰く 若し 解行の 不同 邪雑の 人 等 有つて 外邪異見の 難を 防がん. あるいは ゆくこと 1ぶん 2ぶんにして ぐんぞくとう よび かえすとは. 或は 行くこと 一分 二分にして 群賊等 喚 廻すとは. すなわち べつげ べつぎょう あっけんの ひと とうに たとう. 即ち 別解 別行 悪見の 人 等に 喩う. わたくしに いわく また この なかに いっさいの べつげ べつぎょう いがく いけん とうと いうは. 私に 云く 又 此の 中に 一切の 別解 別行 異学 異見 等と 言うは. これ しょうどうもんを さす. 是れ 聖道門を 指す. また さいご けっくの もんに いわく. 又 最後 結句の 文に 云く 「それ すみやかに しょうじを はなれんと ほっせば 2しゅの しょうほうの なかに しばらく しょうどうもんを おきて えらんで じょうどもんに いれ. 「夫れ 速かに 生死を 離れんと 欲せば 二種の 勝法の 中に 且く 聖道門を 閣きて 選んで 浄土門に 入れ. じょうどもんに いらんと ほっせば しょうぞう 2ぎょうの なかに しばらく もろもろの ぞうぎょうを なげうちて えらんで まさに しょうぎょうに きすべし」. 浄土門に 入らんと 欲せば 正雑 二行の 中に 且く 諸の 雑行を 抛ちて 選んで 応に 正行に 帰すべし」. これに おいて これを みるに どんらん どうしゃく ぜんどうの みょうしゃくを ひいて しょうどう じょうど なんぎょう いぎょうの むねを たて. 之に 就いて 之を 見るに 曇鸞 道綽 善導の 謬釈を 引いて 聖道 浄土 難行 易行の 旨を 建て. ほっけ しんごん そうじて いちだいの だいじょう 637ぶ 2883かん いっさいの しょぶつ ぼさつ および もろもろの せてん とうを もって. 法華 真言 惣じて 一代の 大乗 六百三十七部 二千八百八十三巻 一切の 諸仏 菩薩 及び 諸の 世天 等を 以て. みな しょうどう なんぎょう ぞうぎょう とうに せっして. 皆 聖道 難行 雑行 等に 摂して. あるいは すて あるいは とじ あるいは おき あるいは なげうつ この 4じを もって おおく いっさいを まよわし. 或は 捨て 或は 閉じ 或は 閣き 或は 抛つ 此の 四字を 以て 多く 一切を 迷わし. あまつさえ さんごくの せいそう じゅっぽうの ぶっていを もって みな ぐんぞくと ごうし あわせて めり せしむ. 剰え 三国の 聖僧 十方の 仏弟を 以て 皆 群賊と 号し 併せて 罵詈 せしむ. ちかくは しょえの じょうどの さんぶきょうの ゆいじょ ごぎゃく ひぼう しょうほうの せいもんに そむき. 近くは 所依の 浄土の 三部経の 唯除 五逆 誹謗 正法の 誓文に 背き. とおくは いちだい ごじの かんじんたる ほけきょうの だい2の. 遠くは 一代 五時の 肝心たる 法華経の 第二の. 「もし ひと しんぜずして この きょうを きぼうせば ないし そのひと いのち おわって あびごくに いらん」の かいもんに まよう ものなり. 「若し 人 信ぜずして 此の 経を 毀謗せば 乃至 其の人 命 終つて 阿鼻獄に 入らん」の 誡文に 迷う 者なり. ここに おいて よ まつだいに および ひと しょうにんに あらず おのおの みょうくに いって ならびに じきどうを わする. 是に 於て 代 末代に 及び 人 聖人に 非ず 各 冥衢に 容つて 並びに 直道を 忘る. かなしいかな どうもうを うたず いたましいかな いたずらに じゃしんを もよおす. 悲いかな 瞳矇を ウたず 痛いかな 徒に 邪信を 催す. ゆえに かみ こくおうより しも どみんに いたるまで. 故に 上 国王より 下 土民に 至るまで. みな きょうは じょうどさんぶの ほかの きょう なく ほとけは みだ さんぞんの ほかの ほとけ なしと おもえり. 皆 経は 浄土三部の 外の 経 無く 仏は 弥陀 三尊の 外の 仏 無しと 謂えり. よって でんぎょう ぎしん じかく ちしょうとう あるいは ばんりの はとうを わたって わたせし ところの しょうきょう. 仍つて 伝教 義真 慈覚 智証等 或は 万里の 波涛を 渉つて 渡せし 所の 聖教. あるいは いっちょうの さんせんを めぐりて あがむる ところの ぶつぞう もしくは こうざんの いただきに けかいを たてて もって あんちし. 或は 一朝の 山川を 廻りて 崇むる 所の 仏像 若しくは 高山の 巓に 華界を 建てて 以て 安置し. もしくは しんこくの そこに れんぐうを たてて もって すうちょうす. 若しくは 深谷の 底に 蓮宮を 起てて 以て 崇重す. しゃか やくしの ひかりを ならぶるや. 釈迦 薬師の 光を 並ぶるや. いを げんとうに ほどこし こくう じぞうの けを なすや やくを しょうごに こうむらしむ. 威を 現当に 施し 虚空 地蔵の 化を 成すや 益を 生後に 被らしむ. ゆえに こくしゅは ぐんごうを よせて もって とうしょくを あきらかにし じとうは でんえんを あてて もって くように そなう 故に 国主は 郡郷を 寄せて 以て 灯燭を 明にし 地頭は 田園を 充てて 以て 供養に 備う しかるを ほうねんの せんちゃくに よって すなわち きょうしゅを わすれて. 而るを 法然の 選択に 依つて 則ち 教主を 忘れて. さいどの ぶっだを たっとび ふぞくを なげうって とうほうの にょらいを さしおき. 西土の 仏駄を 貴び 付属を 抛つて 東方の 如来を 閣き. ただ 4かん 3ぶの きょうてんを もっぱらにして むなしく いちだい ごじの みょうてんを なげうつ. 唯 四巻 三部の 教典を 専にして 空しく 一代 五時の 妙典を 抛つ. これを もって みだの どうに あらざれば みな くぶつの こころざしを やめ ねんぶつの ものに あらざれば はやく せそうの おもいを わする. 是を 以て 弥陀の 堂に 非ざれば 皆 供仏の 志を 止め 念仏の 者に 非ざれば 早く 施僧の 懐いを 忘る. ゆえに ぶっどう れいらくして がしょうの けむり おい そうぼう こうはいして ていそうの つゆ ふかし. 故に 仏堂 零落して 瓦松の 煙 老い 僧房 荒廃して 庭草の 露 深し. しかりと いえども おのおの ごしゃくの こころを すてて ならびに こんりゅうの おもいを はいす. 然りと 雖も 各 護惜の 心を 捨てて 並びに 建立の 思を 廃す. これを もって じゅうじの せいそう ゆいて かえらず しゅごの ぜんじん さって きたる ことなし. 是を 以て 住持の 聖僧 行いて 帰らず 守護の 善神 去つて 来る こと無し. これ ひとえに ほうねんの せんちゃくに よるなり. 是れ 偏に 法然の 選択に 依るなり. かなしいかな すうじゅうねんの あいだ ひゃくせんまんの ひと まえんに とろかされて おおく ぶっきょうに まよえり. 悲いかな 数十年の 間 百千万の 人 魔縁に 蕩かされて 多く 仏教に 迷えり. ぼうを このんで せいを わする ぜんじん いかりを なさざらんや. 傍を 好んで 正を 忘る 善神 怒を 為さざらんや. えんを すてて へんを このむ あっき たよりを えざらんや. 円を 捨てて 偏を 好む 悪鬼 便りを 得ざらんや. しかず かの ばんきを しゅうせんよりは この いっきょうを きんぜんには. 如かず 彼の 万祈を 修せんよりは 此の 一凶を 禁ぜんには. きゃく ことに いろを なして いわく. 客 殊に 色を 作して 曰く. わが ほんし しゃかもん じょうどの さんぶきょうを ときたまいて いらい. 我が 本師 釈迦文 浄土の 三部経を 説きたまいて 以来. どんらんほっしは しろんの こうせつを すてて いっこうに じょうどに きし. 曇鸞法師は 四論の 講説を 捨てて 一向に 浄土に 帰し. どうしゃくぜんじは ねはんの こうぎょうを おきて ひとえに さいほうの ぎょうを ひろめ. 道綽禅師は 涅槃の 広業を 閣きて 偏に 西方の 行を 弘め. ぜんどうわじょうは ぞうぎょうを なげうって せんしゅうを たて. 善導和尚は 雑行を 抛つて 専修を 立て. えしんそうずは しょきょうの ようもんを あつめて ねんぶつの いちぎょうを むねとす. 慧心僧都は 諸経の 要文を 集めて 念仏の 一行を 宗とす. みだを きちょうすること まことに もって しかなり また おうじょうの ひと それ いくばくぞや. 弥陀を 貴重すること 誠に 以て 然なり 又 往生の 人 其れ 幾ばくぞや. なかんずく ほうねんしょうにんは ようしょうにして てんだいさんに のぼり 17にして 60かんに わたり. 就中 法然聖人は 幼少にして 天台山に 昇り 十七にして 六十巻に 渉り. ならびに はっしゅうを きわめ つぶさに たいいを えたり. 並びに 八宗を究め 具に 大意を 得たり. そのほか いっさいの きょうろん しちへん はんぷくし しょうじょでんき きわめ みざることなく. 其の外 一切の 経論 七遍 反覆し 章疏伝記 究め 看ざることなく. ちは にちげつに ひとしく とくは せんしに こえたり. 智は 日月に 斉しく徳は 先師に 越えたり. しかりと いえども なお しゅつりの おもむきに まよいて ねはんの むねを わきまえず. 然りと 雖も 猶 出離の 趣に 迷いて 涅槃の 旨を 弁えず. ゆえに あまねく み ことごとく かんがみ ふかく おもい とおく おもんばかり ついにしょきょうを なげうちて もっぱら ねんぶつを しゅうす. 故に アマネく 覿 悉く 鑑み 深く 思い 遠く 慮り 遂に 諸経を 抛ちて 専ら 念仏を 修す. そのうえ いちむの れいおうを こうむり しえいの しんそに ひろむ. 其の上 一夢の 霊応を 蒙り 四裔の 親疎に 弘む. ゆえに あるいは せいしの けしんと ごうし あるいは ぜんどうの さいたんと あおぐ. 故に 或は 勢至の 化身と 号し 或は 善導の 再誕と 仰ぐ. しかれば すなわち じゅっぽうの きせん こうべを たれ いっちょうの なんにょ あゆみを はこぶ. 然れば 則ち 十方の 貴賎 頭を 低れ 一朝の 男女 歩を 運ぶ しかしより このかた しゅんじゅう おし うつり せいそう あい つもれり. 爾しより 来た 春秋 推 移り 星霜 相 積れり. しかるに かたじけなくも しゃくそんの おしえを おろそかにして ほしいままに みだの もんを そしる. 而るに 忝くも 釈尊の 教を 疎にして 恣に 弥陀の 文を 譏る. なんぞ きんねんの わざわいを もって せいだいの ときに おおせ あながちに せんしをそしり さらに しょうにんを ののしるや. 何ぞ 近年の 災を 以て 聖代の 時に 課せ 強ちに 先師を 毀り 更に 聖人を 罵るや. けを ふいて きずをもとめ かわを きって ちを いだす. 毛を 吹いて 疵を 求め 皮を 剪つて 血を 出す. むかしより いまに いたるまで かくのごとき あくげん いまだ みず おそる べく つつしむ べし. 昔より 今に 至るまで 此くの 如き 悪言 未だ 見ず 惶る 可く 慎む 可し. ざいごう いたって おもし かじょう いかでか のがれん. 罪業 至つて 重し 科条 争か 遁れん. たいざ なお もって おそれあり つえに たずさわれて すなわち かえらんと ほっす. 対座 猶 以て 恐れ有り 杖に 携われて 則ち 帰らんと 欲す. しゅじん えみ とどめて いわく. 主人 咲み 止めて 曰く. からきことを たでの はに ならい くさき ことを かわやに わする. 辛きことを 蓼の 葉に 習い 臭きことを 溷厠に 忘る. ぜんげんを きいて あくげんと おもい ぼうしゃを さして しょうにんと いい しょうしを うたがって あくりょに ぎす. 善言を 聞いて 悪言と 思い 謗者を 指して 聖人と 謂い 正師を 疑つて 悪侶に 擬す. その まよい まことに ふかく その つみ あさからず. 其の 迷誠に 深く 其の 罪 浅からず. ことの おこりを きけ くわしく その おもむきを だんぜん. 事の 起りを 聞け 委しく 其の 趣を 談ぜん. しゃくそん せっぽうの うち いちだいごじの あいだに せんごを たてて ごんじつを べんず. 釈尊 説法の 内 一代五時の 間に 先後を 立てて 権実を 弁ず. しかるに どんらん どうしゃく ぜんどう すでに ごんに ついて じつを わすれ さきに よって のちを すつ. 而るに 曇鸞 道綽 善導 既に 権に 就いて 実を 忘れ 先に 依つて 後を 捨つ. いまだ ぶっきょうの えんでいを さぐらざる ものなり. 未だ 仏教の 淵底を 探らざる 者なり. なかんずく ほうねんは その ながれを くむと いえども その みなもとを しらず. 就中 法然は 其の 流を 酌むと 雖も 其の 源を 知らず. ゆえんは いかん. 所以は 何ん. だいじょうきょうの 637ぶ 2883かん ならびに いつさいの しょぶつ ぼさつ および もろもろの せ てん とうを もって. 大乗経の 六百三十七部 二千八百八十三巻 並びに 一切の 諸仏 菩薩 及び 諸の 世 天等を 以て. しゃへいかくほうの じを おいて いっさいしゅじょうの こころを かろんず. 捨閉閣抛の 字を 置いて 一切衆生の 心を 薄んず. これ ひとえに しきょくの ことばを のべて まったく ぶっきょうの せつを みず. 是れ 偏に 私曲の 詞を 展べて 全く 仏経の 説を 見ず. もうごの いたり あっくの とが いうても ならびなし せめても あまり あり. 妄語の 至り 悪口の 科 言うても 比無し 責めても 余り 有り. ひと みな その もうごを しんじ ことごとく かの せんちゃくを とうとぶ. 人 皆 其の 妄語を 信じ 悉く 彼の 選択を 貴ぶ. ゆえに じょうどの さんきょうを あがめて しゅうきょうを なげう ちごくらくの いちぶつを あおいで しょぶつを わする. 故に 浄土の 三経を 崇めて 衆経を 抛ち 極楽の 一仏を 仰いで 諸仏を 忘る. まことに これ しょぶつ しょきょうの おんてき せいそう しゅうじんの しゅうてきなり. 誠に 是れ 諸仏 諸経の 怨敵 聖僧 衆人の 讎敵なり. この じゃきょう ひろく はっこうに ひろまり あまねく じゅっぽうに へんす. 此の 邪教 広く 八荒に 弘まり 周く 十方に 遍す. そもそも きんねんの さいなんを もって おうだいを なんずるの よし あながちに これをおそる. 抑 近年の 災難を 以て 往代を 難ずるの 由 強ちに 之を 恐る. いささか せんれいを ひいて なんじが まよいを さとすべし. 聊か 先例を 引いて 汝が 迷を 悟す可し. しかん だい2に しきを ひいて いわく 「しゅうの まつに ひほつ たんしん れいどに よらざるものあり」. 止観 第二に 史記を 引いて 云く 「周の 末に 被髪 袒身 礼度に 依らざる者 有り」 ぐけつの だい2に この もんを しゃくするに さでんを ひいて いわく. 弘決の 第二に 此の 文を 釈するに 左伝を 引いて 曰く. 「はじめ へいおうの ひがしに うつりしに いせんに かみを かぶろにする ものの のに おいて まつるを みる. 「初め 平王の 東に 遷りしに 伊川に 髪を 被にする 者の 野に 於て 祭るを 見る. しきしゃの いわく ひゃくねんに およばじ その れい まず ほろびぬ」と. 識者 の曰く 百年に 及ばじ 其の 礼 先ず 亡びぬ」と. ここに しらんぬ しるし まえに あらわれ わざわい のちに いたることを. 爰に 知んぬ 徴 前に 顕れ 災い 後に 致ることを. また げんせきが いつざい なりしに ほうとう さんたいす のちに くげの しそん みなこれに ならいて. 又 阮藉が 逸才 なりしに 蓬頭 散帯す 後に 公卿の 子孫 皆 之に 教いて. どこう あい はずかしむる ものを まさに しぜんに たっすと いい そんせつ こうじする ものを よんで でんしゃと なす. 奴苟 相 辱しむる 者を 方に 自然に 達すと 云い ソン節 兢持する 者を 呼んで 田舎と 為す. これを しば しの めっする そうと なす. 是を 司馬 氏の 滅する 相と 為す. また じかくだいしの にっとうじゅんれいきを あんずるに いわく. 又 慈覚大師の 入唐巡礼記を 案ずるに 云く. 「とうの ぶそうこうてい かいしょう がんねん みことのりして しょうきょうじの きょうぞうほっしをして しょじに おいて みだ ねんぶつの おしえを つたえしむ. 「唐の 武宗皇帝 会昌 元年 勅して 章敬寺の 鏡霜法師をして 諸寺に 於て 弥陀 念仏の 教を 伝え令む. てら ごとに みっか じゅんりん すること たえず. 寺 毎に 三日 巡輪 すること 絶えず. どう にねん かいこつこくの ぐん へい とう とうの さかいを おかす. 同 二年 回鶻国の 軍 兵 等 唐の 堺を 侵す. どう さんねん かほくの せつど し たちまち らんを おこす. 同 三年 河北の 節度 使 忽ち 乱を 起す. その ご だいばんこく また めいを こばみ かいこつこく かさねて ちを うばう. 其の 後 大蕃国 更た 命を 拒み 回鶻国 重ねて 地を 奪う. およそ へいらん しんこうの よに おなじく さいか ゆうりの あいだに おこる. 凡そ 兵乱 秦項の 代に 同じく 災火 邑里の 際に 起る. いかに いわんや ぶそう おおいに ぶっぽうを はし おおく じとうを めっす らんを おさむること あたわずして ついに もって ことあり」. 何に 況んや 武宗 大に 仏法を 破し 多く 寺塔を 滅す 乱を 撥ること 能わずして 遂に 以て 事有り」. これを もって これを おもうに ほうねんは ごとばいんの ぎょう けんにん ねんちゅうの ものなり. 此れを 以て 之を 惟うに 法然は 後鳥羽院の 御宇 建仁 年中の 者なり. かの いんの おんこと すでに がんぜんに あり しかれば すなわち だいとうに れいをのこし わが ちょうに しるしを あらわす. 彼の 院の 御事 既に 眼前に 在り 然れば 則ち 大唐に 例を 残し 吾が 朝に 証を顕す. なんじ うたがうこと なかれ なんじ あやしむこと なかれ. 汝 疑うこと 莫かれ 汝 怪むこと 莫かれ. ただ すべからく きょうを すてて ぜんに きし みなもとを ふさぎ ねを たつべし. 唯 須く 凶を 捨てて 善に 帰し 源を 塞ぎ 根を 截べし. きゃく いささか やわらぎて いわく. 客 聊か 和ぎて 曰く. いまだ えんでいを きわめざるに しばしば その おもむきを しる. 未だ 淵底を 究めざるに 数ば 其の 趣を 知る. ただし からく より りゅうえいに いたるまで しゃくもんに すうけん あり ぶっかに とうりょう あり. 但し 華洛 より 柳営に 至るまで 釈門に 枢ケン 在り 仏家に 棟梁 在り. しかるに いまだ かんじょうを まいらせず じょうそうに およばず. 然るに 未だ 勘状を 進らせず 上奏に 及ばず. なんじ いやしき みを もって たやすく ゆうげんを はく. 汝 賎 身を 以て 輙く 莠言を 吐く. その ぎ あまり あり その り いわれ なし. 其の 義 余り 有り 其の 理 謂れ 無し. しゅじんの いわく. 主人の 曰く. よ しょうりょう なりと いえども かたじけなくも だいじょうを がくす. 予 少量 為りと 雖も 忝くも 大乗を 学す. そうよう きびに ふして ばんりを わたり へきら しょうとうに かかりて せんじんを のぶ. 蒼蠅 驥尾に 附して 万里を 渡り 碧蘿 松頭に 懸りて 千尋を 延ぶ. でし いちぶつの こと うまれて しょきょうの おうに つかう. 弟子 一仏の 子と 生れて 諸経の 王に 事う. なんぞ ぶっぽうの すいびを みて しんじょうの あいせきを おこさざらんや. 何ぞ 仏法の 衰微を 見て 心情の 哀惜を 起さざらんや. そのうえ ねはんぎょうに いわく. 其の上 涅槃経に 云く. 「もし ぜんびく あって ほうを やぶる ものを みて おいて かしゃくし くけんし こしょ せずんば まさに しるべし この ひとは ぶっぽうの なかの あだなり. 「若し 善比丘 あつて 法を 壊ぶる 者を 見て 置いて 呵責し 駈遣し 挙処 せずんば 当に 知るべし 是の 人は 仏法の 中の 怨なり. もし よく くけんし かしゃくし こしょせば これ わが でし しんの しょうもんなり」と. 若し 能く 駈遣し 呵責し 挙処せば 是れ 我が 弟子 真の 声聞なり」と. よ ぜんびくの み ならずと いえども ぶっぽうちゅうおんの せめを のがれんが ために ただ たいこうを とって ほぼ いったんを しめす. 余 善比丘の 身 為らずと 雖も 仏法中怨の 責を 遁れんが 為に 唯 大綱を 撮つて 粗 一端を 示す. そのうえ さる げんにんねん ちゅうに えんりゃく こうふくの りょうじより たびたび そうもんを へ ちょくせん みきょうしょを もうし くだして. 其の上 去る 元仁年 中に 延暦 興福の 両寺より 度度 奏聞を 経 勅宣 御教書を 申し 下して. ほうねんの せんちゃくの いんばんを だいこうどうに とりあげ さんぜの ぶつおんを ほうぜんが ために これを しょうしつせしむ. 法然の 選択の 印板を 大講堂に 取り上げ 三世の 仏恩を 報ぜんが 為に 之を 焼失 せしむ. ほうねんの はかしょに おいては かんじんいんの つるめそうに おおせつけて はきゃくせしむ. 法然の 墓所に 於ては 感神院の 犬神人に 仰せ付けて 破却せしむ. その もんてい りゅうかん しょうこう じょうかく さっしょう とうは おんごくに はいる せらる. 其の 門弟 隆観 聖光 成覚 薩生 等は 遠国に 配流 せらる. そのご いまだ ごかんきを ゆるされず あに いまだ かんじょうを まいらせずと いわんや. 其の後 未だ 御勘気を 許されず 豈 未だ 勘状を 進らせずと 云わんや きゃく すなわち やわらぎて いわく. 客 則ち 和ぎて 曰く. きょうを くだし そうを ぼうずること いちにんには ろんじ がたし. 経を 下し 僧を 謗ずること 一人には 論じ 難し. しかれども だいじょうきょう 637ぶ 2883かん ならびに いっさいの しょぶつ ぼさつ および もろもろの せ てん とうを もって しゃへいかくほうの よじに のす. 然れども 大乗経 六百三十七部 二千八百八十三巻 並びに 一切の 諸仏 菩薩 及び 諸の 世 天 等を 以て 捨閉閣抛の 四字に 載す. その ことば もちろんなり その もん けんねんなり. 其の 詞 勿論なり 其の 文 顕然なり. この かきんを まもって その ひぼうを なせども まようて いうか さとりて かたるか. 此の 瑕瑾を 守つて 其の 誹謗を 成せども 迷うて 言うか 覚りて 語るか. けんぐ べんぜず ぜひ さだめ がたし. 賢愚 弁ぜず 是非 定め 難し. ただし さいなんの おこりは せんちゃくに よるの よし その ことばを さかんに いよいよ その むねを だんず. 但し 災難の 起りは 選択に 因るの 由 其の 詞を 盛に 弥よ 其の 旨を 談ず. しょせん てんかたいへい こくどあんのんは くんしんの ねがう ところ どみんの おもう ところなり. 所詮 天下泰平 国土安穏は 君臣の 楽う 所 土民の 思う 所なり. それ くには ほうに よって さかえ ほうは ひとに よって とうとし. 夫れ 国は 法に 依つて 昌え 法は 人に 因つて 貴し. くに ほろび ひと めっせば ほとけを だれか あがむ べき ほうを だれか しんず べきや. 国 亡び 人 滅せば 仏を 誰か 崇む 可き 法を 誰か 信ず 可きや. まず こっかを いのりて すべからく ぶっぽうを たつべし. 先ず 国家を 祈りて 須く 仏法を 立つべし. もし わざわいを けし なんを とどむるの じゅつ あらば きかんと ほっす. 若し 災を 消し 難を 止むるの 術 有らば 聞かんと 欲す. しゅじんの いわく よは これ がんぐにして あえて けんを ぞんせず. 主人の 曰く 余は 是れ 頑愚にして 敢て 賢を 存せず. ただ きょうもんに ついて いささか しょぞんを のべん. 唯 経文に 就いて 聊か 所存を 述べん. そもそも ちじゅつの むね ないげの かん その もん いくばくぞや つぶさに あぐ べきこと かたし. 抑も 治術の 旨 内外の 間 其の 文 幾多ぞや 具に 挙ぐ 可きこと 難し. ただし ぶつどうに いって しばしば ぐあんを めぐらすに ほうぼうの ひとを いましめて せいどうの りょを おもんぜば くにじゅう あんのんにして てんか たいへい ならん. 但し 仏道に 入つて 数ば 愚案を 廻すに 謗法の 人を 禁めて 正道の 侶を 重んぜば 国中 安穏にして 天下 泰平 ならん. すなわち ねはんぎょうに いわく. 即ち 涅槃経に 云く. 「ほとけの いわく ただ ひとりを のぞいて よの いっさいに ほどこさば みな さんたんすべし. 「仏の 言く 唯だ 一人を 除いて 余の 一切に 施さば 皆 讃歎す可し. じゅんだ とうて いわく いかなるをか なずけて ゆいじょ いちにんと なす. 純陀 問うて 言く 云何なるをか 名けて 唯除 一人と 為す. ほとけの いわく この きょうの なかに とく ところの ごときは はかいなり. 仏の 言く 此の 経の 中に 説く 所の 如きは 破戒なり. じゅんだ また いわく われ いま いまだ げせず ただ ねがわくば これを ときたまえ. 純陀 復た 言く 我 今 未だ 解せず 唯 願くば 之を 説きたまえ. ほとけ じゅんだに かたって いわく はかいとは いわく いっせんだいなり. 仏 純陀に 語つて 言く 破戒とは 謂く 一闡提なり. その よの あらゆる いっさいに ふせすれば みな さんたんすべく だいかほうを えん. 其の 余の 在所 一切に 布施すれば 皆 讃歎すべく 大果報を 獲ん. じゅんだ また とい たてまつる いっせんだいとは その ぎ いかん. 純陀 復た 問い たてまつる 一闡提とは 其の 義 何ん. ほとけ いわく じゅんだ もし びく および びくに うばそく うばい あって そあくの げんを はっし しょうほうを ひぼうし その じゅうごうを つくって ながく かいげせず こころに ざんげ なからん. 仏 言わく 純陀 若し 比丘 及び 比丘尼 優婆塞 優婆夷 有つて ソ悪の 言を 発し 正法を 誹謗し 是の 重業を 造つて 永く 改悔せず 心に 懺悔 無らん. かくの ごとき とうの ひとを なずけて いっせんだいの みちに しゅこうすと なす. 是くの 如き 等の 人を 名けて 一闡提の 道に 趣向すと 為す. もし しじゅうを おかし ごぎゃくざいを つくり みずから さだめて かくの ごとき じゅうじを おかすと しれども. 若し 四重を 犯し 五逆罪を 作り 自ら 定めて 是くの 如き 重事を 犯すと 知れども. しかも こころに はじめより ふい ざんげ なく あえて はつろせず. 而も 心に 初めより 怖畏 懺悔 無く 肯て 発露せず. かの しょうほうに おいて ながく ごしゃく こんりゅうの こころ なく きし きょうせんして ことばに かぐ おおからん. 彼の 正法に 於て 永く 護惜 建立の 心 無く 毀呰 軽賎して 言に 過咎 多からん. かくの ごとき とうの ひとを また いっせんだいの みちに しゅこうすと なずく. 是くの 如き 等の 人を 亦た 一闡提の 道に 趣向すと 名く. ただ かくの ごとき いっせんだいの やからを のぞいて その よに ほどこさば いっさい さんたんせん」と. 唯 此くの 如き 一闡提の 輩を 除いて 其の 余に 施さば 一切 讃歎せん」と. また いわく. 又 云く. 「われ むかしを おもうに えんぶだいに おいて たいこくの おうと なれり なを せんよと いいき. 「我れ 往昔を 念うに 閻浮提に 於て 大国の 王と 作れり 名を 仙予と 曰いき. だいじょうきょうてんを あいねんし けいじゅうし その こころ じゅんぜんに そあく しつりん あること なし. 大乗経典を 愛念し 敬重し 其の 心 純善に ソ悪 嫉リン 有ること 無し. ぜんなんし われ そのときに おいて こころに だいじょうを おもんず. 善男子 我 爾の時に 於て 心に 大乗を 重んず. ばらもんの ほうとうを ひぼうするを きき ききおわって そくじに その みょうこんを だんず. 婆羅門の 方等を 誹謗するを 聞き 聞き已つて 即時に 其の 命根を 断ず. ぜんなんし この いんねんを もって これより いらい じごくに だせず」と. 善男子 是の 因縁を 以て 是より 已来 地獄に 堕せず」と. また いわく 「にょらい むかし こくおうと なりて ぼさつの どうを ぎょうぜし とき そこばくの ばらもんの いのちを だんぜつす」と. 又云く 「如来 昔 国王と 為りて 菩薩の 道を 行ぜし 時 爾所の 婆羅門の 命を 断絶す」と. また いわく. 又 云く. 「さつに 3 あり いわく げ ちゅう じょうなり げとは ぎし ないし いっさいの ちくしょうなり ただ ぼさつの じ げんしょうの ものを のぞく. 「殺に 三 有り 謂く 下 中 上なり 下とは 蟻子 乃至 一切の 畜生なり 唯だ 菩薩の 示 現生の 者を 除く. げさつの いんねんを もって じごく ちくしょう がきに だして つぶさに げの くを うく. 下殺の 因縁を 以て 地獄 畜生 餓鬼に 堕して 具に 下の 苦を 受く. なにを もっての ゆえに この もろもろの ちくしょうに びぜんこん あり この ゆえに ころす ものは つぶさに ざいほうを うく. 何を 以ての 故に 是の 諸の 畜生に 微善根 有り 是の 故に 殺す 者は 具に 罪報を 受く. ちゅうさつとは ぼんぷの ひとより あなごんに いたるまで これを なずけて ちゅうと なす. 中殺とは 凡夫の 人より 阿那含に 至るまで 是を 名けて 中と 為す. この ごういんを もって じごく ちくしょう がきに だして つぶさに ちゅうの くを うく. 是の 業因を 以て 地獄 畜生 餓鬼に 堕して 具に 中の 苦を 受く. じょうさつとは ふぼ ないし あらかん ひゃくしぶつ ひつじょうの ぼさつなり あび だいじごくの なかに だす. 上殺とは 父母 乃至 阿羅漢 辟支仏 畢定の 菩薩なり 阿鼻 大地獄の 中に 堕す. ぜんなんし もし よく いっせんだいを ころすこと あらん ものは すなわち この さんしゅの さつの なかに だせず. 善男子 若し 能く 一闡提を 殺すこと 有らん 者は 則ち 此の 三種の 殺の 中に 堕せず ぜんなんし かの もろもろの ばらもんとうは いっさい みな これ いっせんだいなり」. 善男子 彼の 諸の 婆羅門等は 一切 皆 是 一闡提なり」. にんのうきょうに いわく 「ほとけ はしのくおうに つげ たまわく. 仁王経に 云く 仏 波斯匿王に 告げ たまわく. この ゆえに もろもろの こくおうに ふぞくして びく びくにに ふぞくせず なにをもっての ゆえに おうの ごとき いりょく なければなり」. 是の 故に 諸の 国王に 付属して 比丘 比丘尼に 付属せず 何を 以ての 故に 王の ごとき 威力 無ければなり」. ねはんぎょうに いわく. 涅槃経に 云く. 「いま むじょうの しょうほうを もって しょおう だいじん さいしょう および しぶの しゅうに ふぞくす しょうほうを そしる ものをば だいじん しぶの しゅう まさに くじ すべし」と. 「今 無上の 正法を 以て 諸王 大臣 宰相 及び 四部の 衆に 付属す 正法を 毀る 者をば 大臣 四部の 衆 当に 苦治 すべし」と. また いわく 「ほとけの いわく. 又 云く 「仏の 言く. かしょう よく しょうほうを ごじする いんねんを もっての ゆえに この こんごうしんを じょうじゅする ことを えたり. 「迦葉 能く 正法を 護持する 因縁を 以ての 故に 是の 金剛身を 成就する ことを 得たり. ぜんなんし しょうほうを ごじせん ものは ごかいを うけず いぎを しゅうせず まさに とうけん きゅうせん むさくを じすべし」と. 善男子 正法を 護持せん 者は 五戒を 受けず 威儀を 修せず 応に 刀剣 弓箭 鉾槊を 持すべし」と. また いわく 「もし ごかいを じゅじせん もの あらば なずけて だいじょうの ひとと なす ことを えず. 又 云く 若し 五戒を 受持せん 者 有らば 名けて 大乗の 人と 為す 事を 得ず. ごかいを うけざれども しょうほうを まもるを もって すなわち だいじょうと なずく. 五戒を 受けざれども 正法を 護るを 為て 乃ち 大乗と 名く. しょうほうを まもる ものは まさに とうけん き じょうを しゅうじすべし. 正法を 護る 者は 当に 刀剣 器 仗を 執持すべし. とうじょうをじすと いえども われ これらを ときて なずけて じかいと いわん」と. 刀杖を 持すと 雖も 我 是等を 説きて 名けて 持戒と 曰わん」と. また いわく. 又 云く. 「ぜんなんし かこの よに この くしなじょうに おいて ほとけの よに いで たまうこと ありき かんきぞうやくにょらいと ごうし たてまつる. 「善男子 過去の 世に 此の 拘尸那城に 於て 仏の 世に 出で たまうこと 有りき 歓喜増益如来と 号し たてまつる. ほとけ ねはんの のち しょうほう よに じゅうすること むりょうおくさい なり. 仏 涅槃の 後 正法 世に 住すること 無量億歳 なり. よの しじゅうねん ぶっぽうの まつ そのときに ひとりの じかいの びく あり なを かくとくと いう. 余の 四十年 仏法の 末 爾の時に 一の 持戒の 比丘 有り 名を 覚徳と 曰う. そのときに おおく はかいの びく あり その せつを なすを ききて みな あくしんを しょうじ とうじょうを しゅうじし この ほっしを せむ. 爾の時に 多く 破戒の 比丘 有り 是の 説を 作すを 聞きて 皆 悪心を 生じ 刀杖を 執持し 是の 法師を 逼む. この ときの こくおう なずけて うとくと いう. 是の 時の 国王 名けて 有徳と 曰う. この ことを きき おわって ごほうの ための ゆえに すなわち せっぽうしゃの ところに おうしして この はかいの もろもろの あくびくと きわめて ともに せんとうす. 是の 事を 聞き 已つて 護法の 為の 故に 即便ち 説法者の 所に 往至して 是の 破戒の 諸の 悪比丘と 極めて 共に 戦闘す. そのときに せっぽうしゃ やくがいを まぬがる ことを えたり. 爾の時に 説法者 厄害を 免る ことを 得たり. おう そのときに おいて みに とうけん むさくの きずを こうむり からだに まったき ところは けしの ごとき ばかりも なし. 王 爾の時に 於て 身に 刀剣 鉾槊の 瘡を 被り 体に 完き 処は 芥子の 如き 許りも 無し. そのときに かくとく ついで おうを ほめて いわく. 爾の時に 覚徳 尋いで 王を 讃めて 言く. よきかな よきかな おう いま しんに これ しょうほうを まもる ものなり とうらいの よに この み まさに むりょうの ほうきと なるべし. 善きかな 善きかな 王 今 真に 是れ 正法を 護る 者なり 当来の 世に 此の 身 当に 無量の 法器と 為るべし. おう このときに おいて ほうを きくことを え おわって こころ おおいに かんきし ついで すなわち みょうじゅうして あしゅくぶつの くにに しょうず. 王 是の時に 於て 法を 聞くことを 得 已つて 心 大に 歓喜し 尋いで 即ち 命終して 阿シュク仏の 国に 生ず. しかも かの ほとけの ために だいいちの でしと なる. 而も 彼の 仏の 為に 第一の 弟子と 作る. その おうの しょうじゅう じんみん けんぞく せんとう ありしもの かんき ありしもの いっさい ぼだいの こころを たいせず みょうじゅうして ことごとく あしゅくぶつの くにに しょうず. 其の 王の 将従 人民 眷属 戦闘 有りし者 歓喜 有りし者 一切 菩提の 心を 退せず 命終して 悉く 阿シュク仏の 国に 生ず. かくとくびく かえって のち いのち おわって なお あしゅくぶつの くにに おうじょうすることを えて かの ほとけの ために しょうもんしゅうちゅうの だいにの でしと なる. 覚徳比丘 却つて 後 寿 終つて 亦 阿シュク仏の 国に 往生することを 得て 彼の 仏の 為に 声聞衆中の 第二の 弟子と 作る. もし しょうほう つきんと ほっすること あらん とき まさに かくの ごとく じゅじし おうごすべし. 若し 正法 尽きんと 欲すること 有らん 時 当に 是くの 如く 受持し 擁護すべし. かしょう そのときの おうとは すなわち わが み これなり せっぽうの びくは かしょうぶつ これなり. 迦葉 爾の時の 王とは 即ち 我が 身 是なり 説法の 比丘は 迦葉仏 是なり. かしょう しょうほうを まもる ものは かくの ごとき とうの むりょうの かほうを えん. 迦葉 正法を 護る 者は 是くの 如き 等の 無量の 果報を 得ん. その いんねんを もって われ こんにちに おいて しゅじゅの そうを えて もって みずから そうごんし ほっしん ふかえの みを なす. 是の 因縁を 以て 我 今日に 於て 種種の 相を 得て 以て 自ら 荘厳し 法身 不可壊の 身を 成す. ほとけ かしょうぼさつに つげ たまわく. 仏 迦葉菩薩に 告げ たまわく. この ゆえに ほうを まもらん うばそく とうは まさに とうじょうを しゅうじして おうごすること かくの ごとく なるべし. 是の 故に 法を 護らん 優婆塞 等は 応に 刀杖を 執持して 擁護すること 是くの 如くなるべし. ぜんなんし われ ねはんの のち じょくあくの よに こくど こうらんし たがいに あい しょうりょうし じんみん きがせん. 善男子 我 涅槃の 後 濁悪の 世に 国土 荒乱し 互に 相 抄掠し 人民 飢餓せん. そのときに おおく きがの ための ゆえに ほっしん しゅっけ するもの あらん. 爾の時に 多く 飢餓の 為の 故に 発心 出家 するもの 有らん. かくの ごときの ひとを なずけて とくにんと なす. 是くの 如きの 人を 名けて 禿人と 為す. この とくにんの やから しょうほうを ごじするを みて くちくして いださしめ もしくは ころし もしくは がいせん. 是の 禿人の 輩 正法を 護持するを 見て 駈逐して 出さしめ 若くは 殺し 若くは 害せん. この ゆえに われ いま じかいの ひと もろもろの びゃくえの とうじょうを たもつ ものに よって もって はんりょと なすことを ゆるす. 是の 故に 我 今 持戒の 人 諸の 白衣の 刀杖を 持つ 者に 依つて 以て 伴侶と 為すことを 聴す. とうじょうを じすと いえども われ これらを といて なずけて じかいと いわん とうじょうを じすと いえども いのちを だんずべからず」と. 刀杖を 持すと 雖も 我 是等を 説いて 名けて 持戒と 曰わん 刀杖を 持すと 雖も 命を 断ずべからず」と. ほけきょうに いわく. 法華経に 云く. 「もし ひと しんぜずして この きょうを きぼうせば すなわち いっさい せけんの ぶっしゅを だんぜん ないし その ひと みょうじゅうして あびごくに いらん」. 若し 人 信ぜずして 此の 経を 毀謗せば 即ち 一切 世間の 仏種を 断ぜん 乃至 其の 人 命終して 阿鼻獄に 入らん」. それ きょうもん けんねんなり わたくしの ことば なんぞ くわえん. 夫れ 経文 顕然なり 私の 詞 何ぞ 加えん. およそ ほけきょうの ごとくんば だいじょう きょうてんを ぼうずる ものは むりょうの ごぎゃくに すぐれたり. 凡そ 法華経の 如くんば 大乗 経典を 謗ずる 者は 無量の 五逆に 勝れたり. ゆえに あび だいじょうに だして ながく いずる ご なけん. 故に 阿鼻 大城に 堕して 永く 出る 期 無けん. ねはんぎょうの ごとくんば たとい ごぎゃくの くを ゆるすとも ほうぼうの せを ゆるさず. 涅槃経の 如くんば 設い 五逆の 供を 許すとも 謗法の 施を 許さず. ぎしを ころす ものは かならず さんあくどうに おつ ほうぼうを きんずるものは ふたいの くらいに のぼる. 蟻子を 殺す 者は 必ず 三悪道に 落つ 謗法を 禁ずる者は 不退の 位に 登る. いわゆる かくとくとは これ かしょうぶつなり うとくとは すなわち しゃか もんなり. 所謂 覚徳とは 是れ 迦葉仏なり 有徳とは 則ち 釈迦 文なり. ほっけ ねはんの きょうぎょうは いちだいごじの かんじんなり. 法華 涅槃の 経教は 一代五時の 肝心なり. その いましめ じつに おもし だれか きごう せざらんや. 其の 禁 実に 重し 誰か 帰仰 せざらんや. しかるに ほうぼうの やから せいどうを わするの ひと. 而るに 謗法の 族 正道を 忘るの 人. あまつさえ ほうねんの せんちゃくに よって いよいよ ぐちの もうこを ます. 剰え 法然の 選択に 依つて 弥よ 愚癡の 盲瞽を 増す. これを もって あるいは かの いたいを しのびて もくえの ぞうに あらわし. 是を 以て 或は 彼の 遺体を 忍びて 木画の 像に 露し. あるいは その もうせつを しんじて ゆうげんを かたぎに ほり. 或は 其の 妄説を 信じて 莠言を 模に 彫り. これを かいだいに ひろめ これを かくがいに もてあそぶ. 之を 海内に 弘め 之を カク外に 翫ぶ. あおぐ ところは すなわち その かふう. 仰ぐ 所は 則ち 其の 家風. ほどこす ところは すなわち その もんてい なり. 施す 所は 則ち 其の 門弟 なり. しかる あいだ あるいは しゃかの ての ゆびを きって みだの いんそうに むすび. 然る 間 或は 釈迦の 手指を 切つて 弥陀の 印相に 結び. あるいは とうほうにょらいの がんうを あらためて さいど きょうしゅの がおうを すえ. 或は 東方如来の 鴈宇を 改めて 西土教主の 鵝王を 居え. あるいは 4 ひゃくよかいの にょほうきょうを とめて さいほうじょうどの 3 ぶきょうと なし. 或は 四百余回の 如法経を 止めて 西方浄土の 三部経と 成し. あるいは てんだいだいしの こうを とどめて ぜんどうこうと なす. 或は 天台大師の 講を 停めて 善導講と 為す. かくの ごとき ぐんるい それ まことに つくし がたし. 此くの 如き 群類 其れ 誠に 尽くし 難し. これ はぶつに あらずや これは ほうに あらずや これ はそうに あらずや. 是 破仏に 非ずや 是 破法に 非ずや 是 破僧に 非ずや. この じゃぎ すなわち せんちゃくに よるなり. 此の 邪義 則ち 選択に 依るなり. ああ かなしいかな にょらいじょうたいの きんげんに そむくこと. 嗟呼 悲しいかな 如来誠諦の 禁言に 背くこと. あわれなるかな ぐりょ めいわくの そごに したがうこと. 哀なるかな 愚侶 迷惑の ソ語に 随うこと. はやく てんかの せいしつを おもわば すべからく くにじゅうの ほうぼうを たつべし. 早く 天下の 静謐を 思わば 須く 国中の 謗法を 断つべし. きゃくの いわく. 客の 曰く. もし ほうぼうの やからを だんじ もし ぶっきんの いを ぜっせんには かの きょうもんの ごとく ざんざいに おこなう べきか. 若し 謗法の 輩を 断じ 若し 仏禁の 違を 絶せんには 彼の 経文の 如く 斬罪に 行う 可きか. もし しからば さつがい あい くわわって ざいごう いかんが せんや. 若し 然らば 殺害 相 加つて 罪業 何んが 為んや. すなわち だいしつきょうに いわく. 則ち 大集経に 云く. 「こうべを そり けさを ちゃくせば じかい および きかいをも てんにん かれを くようすべし. 「頭を 剃り 袈裟を 著せば 持戒 及び 毀戒をも 天人 彼を 供養す可し. すなわち われを くようするに なりぬ これ わがこなり もし かれを かだすること あれば すなわち わが こを うつに なりぬ」. 則ち 我を 供養するに 為りぬ 是れ 我が 子なり 若し 彼を カ打する事 有れば 則ち我が 子を 打つに 為りぬ」. もし かれを めにくせば すなわち われを きにくするに なりぬ. 若し 彼を 罵辱せば 則ち 我を 毀辱するに 為りぬ. はかり しらんぬ ぜんあくを ろんぜず ぜひを えらぶこと なく そうりょ ならんに おいては くようを のぶべし. 料り 知んぬ 善悪を 論ぜず 是非を 択ぶこと 無く 僧侶 為らんに 於ては 供養を 展ぶ可し. なんぞ その こを だにくして かたじけなくも その ちちを ひあいせしめん かの ちくじょうの もくれんそんじゃを がいせしや. 何ぞ 其の 子を 打辱して 忝くも 其の 父を 悲哀せしめん 彼の 竹杖の 目連尊者を 害せしや. ながく むけんの そこに しずみ だいばだったの れんげびくにを ころせしや. 永く 無間の 底に 沈み 提婆達多の 蓮華比丘尼を 殺せしや. ひさしく あびの ほのおに むせぶ. 久しく 阿鼻の 焔に 咽ぶ. せんしょう これ あきらかなり こうこん もっとも おそれあり. 先証 斯れ 明かなり 後昆 最も 恐あり. ほうぼうを いましむるには にたれども すでに きんげんを やぶる このこと しんじがたし いかんが こころえんや 謗法を 誡むるには 似たれども 既に 禁言を破る 此の事 信じ 難し 如何が 意得んや. しゅじんの いわく. 主人の 云く. きゃく あきらかに きょうもんを みて なお その ことばを なす. 客 明に 経文を 見て 猶 斯の 言を 成す. こころの およばざるか りの つうぜざるか. 心の 及ばざるか 理の 通ぜざるか. まったく ぶっしを いましむるには あらず ただ ひとえに ほうぼうを にくむなり. 全く 仏子を 禁むるには 非ず 唯 偏に 謗法を 悪むなり. それ しゃかの いぜん ぶっきょうは その つみを きると いえども のうにんの いご きょうせつは すなわち その せを とどむ. 夫れ 釈迦の 以前 仏教は 其の 罪を 斬ると 雖も 能忍の 以後 経説は 則ち 其の 施を 止む. しかれば すなわち しかい ばんぽう いっさいの ししゅう その あくに ほどこさず. 然れば 則ち 四海 万邦 一切の 四衆 其の 悪に 施さず. みな この ぜんに きせば いかなる なんか ならび おこり いかなる わざわいか きそい きたらん. 皆 此の 善に 帰せば 何なる 難か 並び 起り 何なる 災か 競い 来らん. きゃく すなわち せきを さけ えりを つくろいて いわく. 客 則ち 席を 避け 襟を 刷いて 曰く. ぶっきょう かく まちまちにして ししゅ きわめ がたく ふしん たたんにして り ひ あきらかならず. 仏教 斯く 区にして 旨趣 窮め 難く 不審 多端にして 理 非 明ならず. ただし ほうねんしょうにんの せんちゃく げんざいなり しょぶつ しょきょう しょぼさつ しょてんとうを もって しゃへいかくほうと のす その もん けんねんなり. 但し 法然聖人の 選択 現在なり 諸仏 諸経 諸菩薩 諸天等を 以て 捨閉閣抛と 載す 其の 文 顕然なり. これに よって しょうにん くにを さり ぜんじん ところを すてて てんか きかつし せじょう えきびょうす と. コれに 因つて 聖人 国を去り 善神 所を 捨てて 天下 飢渇し 世上 疫病す と. いま しゅじん ひろく きょうもんを ひいて あきらかに り ひを しめす. 今 主人 広く 経文を 引いて 明かに 理 非を 示す. ゆえに もうしゅう すでに ひるがえり じ もく しばしば あきらかなり. 故に 妄執 既に 飜えり 耳 目 数 朗かなり. しょせん こくどたいへい てんかあんのんは いちにんより ばんみんに いたるまで このむところなり ねがう ところなり. 所詮 国土泰平 天下安穏は 一人より 万民に 至るまで 好む 所なり 楽う 所なり. はやく いっせんだいの せを とどめ ながく しゅう そう にの くを いたし. 早く 一闡提の 施を 止め 永く 衆 僧 尼の 供を 致し. ぶっかいの はくろうを おさめ ほうざんの りょくりんを きらば よは ぎのうの よと なり くには とうぐの くにと ならん. 仏海の 白浪を 収め 法山の 緑林を 截らば 世は 羲農の 世と 成り 国は 唐虞の 国と 為らん. しかして のち ほっすいの せんじんを しんしゃくし ぶっけの とうりょうを すうちょうせん. 然して 後 法水の 浅深を 斟酌し 仏家の 棟梁を 崇重せん. しゅじん よろこんで いわく. 主人 悦んで 曰く. はと けして たかと なり すずめ へんじて はまぐりと なる. 鳩 化して 鷹と 為り 雀 変じて 蛤と 為る. よろこばしきかな なんじ らんしつの ともに まじわりて まほの しょうと なる. 悦しきかな 汝 蘭室の 友に 交りて 麻畝の 性と 成る. まことに その なんを かえりみて もっぱら この ことばを しんぜば. 誠に 其の 難を 顧みて 専ら 此の 言を 信ぜば. かぜ やわらぎ なみ しずかにして ふじつに ほうねんならん. 風 和らぎ 浪 静かにして 不日に 豊年ならん. ただし ひとの こころは ときに したがって うつり ものの しょうは きょうに よって あらたまる. 但し 人の 心は 時に 随つて 移り 物の 性は 境に 依つて 改まる. たとえば なお すいちゅうの つきの なみに うごき じんぜんの いくさの つるぎに なびくが ごとし. 譬えば 猶 水中の 月の 波に 動き 陳前の 軍の 剣に 靡くがごとし. なんじ とうざに しんずと いえども のち さだめて ながく わすれん. 汝 当座に 信ずと 雖も 後 定めて 永く 忘れん. もし まず こくどを やすんじて げんとうを いのらんと ほっせば すみやかに じょうりょを めぐらし いそいで たいじを くわえよ. 若し 先ず 国土を 安んじて 現当を 祈らんと 欲せば 速に 情慮を 回らし イソイで 対治を 加えよ. ゆえんは いかん. 所以は 何ん. やくしきょうの しちなんの うち ごなん たちまちに おこり になん なお のこれり. 薬師経の 七難の 内 五難 忽に 起り 二難 猶 残れり. いわゆる たこく しんぴつの なん じかいほんぎゃくの なんなり.

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偽物をみやぶれ!(めいが、ちょうこく)

いだい な ちょう こく あつ 森

一 伝へ聞く…… 文政 ( ぶんせい )初年の事である。 将軍家の 栄耀 ( えよう ) 其極 ( そのきょく )に達して、武家の 代 ( よ )は、 将 ( まさ )に一転機を 劃 ( かく )せんとした時期だと言ふ。 京都に於て、当時第一の名門であつた、 比野大納言資治卿 ( ひのだいなごんやすはるきょう )(仮)の 御館 ( みたち )の内に、 一日 ( あるひ ) 偶 ( ふ )と 人妖 ( じんよう )に 斉 ( ひと )しい奇怪なる事が起つた。 其 ( そ )の年、 霜月 ( しもつき )十日は、 予 ( かね )て深く 思召 ( おぼしめ )し立つ事があつて、大納言卿、 私 ( わたくし )ならぬ祈願のため、御館の密室に 籠 ( こも )つて、 護摩 ( ごま )の法を 修 ( しゅ )せられた、其の 結願 ( けちがん )の日であつた。 冬の日は分けて短いが、まだ 雪洞 ( ぼんぼり )の入らない、 日暮方 ( ひくれがた )と云ふのに、 滞 ( とどこお )りなく式が果てた。 多日 ( しばらく )の 精進潔斎 ( しょうじんけっさい )である。 世話に云ふ 精進落 ( しょうじんおち )で、 其辺 ( そのへん )は人情に変りはない。 久しぶりにて御休息のため、お奥に於て、厚き 心構 ( こころがまえ )の 夕餉 ( ゆうがれい )の支度が出来た。 其処 ( そこ )で、 御簾中 ( ごれんちゅう )が、奥へ 御入 ( おんい )りある資治卿を 迎 ( むかえ )のため、 南御殿 ( みなみごてん )の入口までお 立出 ( たちいで )に成る。 御前 ( おんまえ )を 間 ( あわい )三 間 ( げん )ばかりを 隔 ( へだ )つて其の 御先払 ( おさきばらい )として、 袿 ( うちぎ )、 紅 ( くれない )の 袴 ( はかま )で、 裾 ( すそ )を長く 曳 ( ひ )いて、 静々 ( しずしず )と 唯 ( ただ )一人、 折 ( おり )から菊、 朱葉 ( もみじ )の 長廊下 ( ながろうか )を渡つて来たのは 藤 ( ふじ )の 局 ( つぼね )であつた。 此 ( こ )の局は、聞えた美女で、 年紀 ( とし )が 丁 ( ちょう )ど三十三、 比野 ( ひの )の御簾中と同年であつた。 半月ばかり、身にいたはりがあつて、 勤 ( つとめ )を引いて 引籠 ( ひきこも )つて居たのが、此の日 修法 ( しゅほう )ほどき、満願の 御二方 ( おふたかた )の 心祝 ( こころいわい )の座に列するため、久しぶりで 髪容 ( かみかたち )を整へたのである。 畳廊下 ( たたみろうか )に影がさして、 艶麗 ( えんれい )に、 然 ( しか )も 軟々 ( なよなよ )と、姿は黒髪とともに 撓 ( しな )つて見える。 背後 ( うしろ )に……たとへば 白菊 ( しらぎく )と 称 ( とな )ふる 御厨子 ( みずし )の 裡 ( うち )から、 天女 ( てんにょ )の 抜出 ( ぬけい )でたありさまなのは、 貴 ( あて )に気高い御簾中である。 作者は、 委 ( くわ )しく知らないが、 此 ( これ )は事実ださうである。 他 ( た )に 女 ( め )の 童 ( わらわ )の影もない。 比野卿の 御館 ( みたち )の 裡 ( うち )に、此の時卿を迎ふるのは、 唯 ( ただ )此の 方 ( かた )たちのみであつた。 また、修法の 間 ( ま )から、 脇廊下 ( わきろうか )を 此方 ( こなた )へ参らるゝ資治卿の方は、 佩刀 ( はかせ )を持つ 扈従 ( こしょう )もなしに、 唯 ( ただ )一人なのである。 御家風 ( ごかふう )か質素か知らない。 で、藤の 局 ( つぼね )の手で、隔てのお 襖 ( ふすま )をスツと 開 ( あ )ける。 …… 其処 ( そこ )で、卿と 御簾中 ( ごれんちゅう )が、 一所 ( いっしょ )にお奥へと云ふ寸法であつた。 傍 ( かたわら )とも云ふまい。 片あかりして、 冷 ( つめた )く薄暗い、其の 襖際 ( ふすまぎわ )から、氷のやうな 抜刀 ( ぬきみ )を提げて、ぬつと出た、身の 丈 ( たけ )抜群な男がある。 唯 ( と )、 間 ( なか )二三 尺 ( じゃく )隔てたばかりで、ハタと藤の局と 面 ( おもて )を合せた。 「 一 ( ひと )まづ。 藤の局は騒がなかつた。 「 誰 ( たれ )ぢや、何ものぢや。 」 「うゝ。 」 と 呻 ( うめ )くやうに言つて、ぶる/\と、ひきつるが如く首を 掉 ( ふ )る。 渠 ( かれ )は、四十ばかりの 武士 ( さむらい )で、黒の 紋着 ( もんつき )、 袴 ( はかま )、 足袋跣 ( たびはだし )で居た。 鬢 ( びん )乱れ、 髻 ( もとどり )はじけ、 薄痘痕 ( うすあばた )の 顔色 ( がんしょく )が 真蒼 ( まっさお )で、 両眼 ( りょうがん )が血走つて赤い。 酒気は帯びない。 宛如 ( さながら )、狂人、乱心のものと覚えたが、いまの気高い姿にも、 慌 ( あわ )てゝあとへ 退 ( ひ )かうとしないで、ひよろりとしながら前へ出る時、 垂々 ( たらたら )と血の 滴 ( したた )るばかり 抜刀 ( ばっとう )の 冴 ( さえ )が、 脈 ( みゃく )を打つてぎらりとして、腕はだらりと垂れつつも、 切尖 ( きっさき )が、じり/\と上へ 反 ( そ )つた。 局 ( つぼね )は、 猶予 ( ためら )はず、肩をすれ違ふばかり、ひた/\と 寄添 ( よりそ )つて、 「 其方 ( そなた )…… 此方 ( こちら )へ。 」 ひそみもやらぬ 黛 ( まゆずみ )を、きよろりと 視 ( み )ながら、乱髪抜刀の 武士 ( さむらい )も向きかはつた。 其 ( それ )をば少しづゝ、出口へ誘ふやうに、局は 静々 ( しずしず )と 紅 ( くれない )の袴を廊下に引く。 勿論、 兇器 ( きょうき )は離さない。 上 ( うわ )の 空 ( そら )の足が 躍 ( おど )つて、ともすれば局の袴に 躓 ( つまず )かうとする 状 ( さま )は、 燃立 ( もえた )つ 躑躅 ( つつじ )の花の 裡 ( うち )に、 鼬 ( いたち )が狂ふやうである。 「関東の武家のやうに見受けますが、 何 ( ど )うなさつた。 ……いはれなう、 其方 ( そなた )たちの来る 処 ( ところ )ではないほどに、よう気を 鎮 ( しず )めて、心を落着けて、 可 ( よ )いかえ。 咎 ( とが )も 被 ( き )せまい、罪にもせまい。 妾 ( わらわ )が心で 見免 ( みのが )さうから、 可 ( よ )いかえ、 柔順 ( おとな )しく御殿を 出 ( で )や。 あれを左へ 突当 ( つきあた )つて、ずツと右へ廻つてお庭に 出 ( で )や。 お裏門の錠はまだ下りては 居 ( い )ぬ。 可 ( よ )いかえ。 」 「うゝ。 」 「分つたな。 」 「うーむ。 」 雖然 ( けれども )、 局 ( つぼね )が 立停 ( たちどま )ると、刀とともに奥の方へ 突返 ( つっかえ )らうとしたから、 其処 ( そこ )で、 袿 ( うちぎ )の 袖 ( そで )を掛けて、 曲 ( くせ )ものの手を取つた。 それが刀を持たぬ方の手なのである。 荒 ( あら )き風に当るまい、 手弱女 ( たおやめ )の 上 ( じょうろう )の此の 振舞 ( ふるまい )は讃歎に値する。 さて手を取つて、其のまゝなやし/\、お表出入口の方へ、廊下の正面を右に取つて、 一曲 ( ひとまが )り曲つて出ると、 杉戸 ( すぎと )が 開 ( あ )いて居て、 畳 ( たたみ )の真中に 火桶 ( ひおけ )がある。 其処 ( そこ )には、踏んで下りる程の段はないが、一段低く成つて居た。 ために下りるのに、逆上した曲ものの手を取つた局は、 渠 ( かれ )を抱くばかりにしたのである。 抱くばかりにしたのだが、 余所目 ( よそめ )には 手負 ( てお )へる 鷲 ( わし )に、 丹頂 ( たんちょう )の 鶴 ( つる )が 掻掴 ( かいつか )まれたとも何ともたとふべき 風情 ( ふぜい )ではなかつた。 折悪 ( おりあし )く一人の 宿直士 ( とのい )、 番士 ( ばんし )の影も見えぬ。 警護の 有余 ( ありあま )つた 御館 ( おやかた )ではない、分けて 黄昏 ( たそがれ )の、それぞれに 立違 ( たちちが )つたものと見える。 欄間 ( らんま )から、 薄 ( うす )もみぢを 照 ( てら )す日影が 映 ( さ )して、 大 ( おおき )な 番火桶 ( ばんひおけ )には、火も消えかゝつて、灰ばかり 霜 ( しも )を結んで 侘 ( わび )しかつた。 局が、自分 先 ( ま )づ座に 直 ( なお )つて、 「とにかく、落着いて下に 居 ( い )や。 」 曲 ( くせ )ものは、 仁王立 ( におうだち )に成つて、じろ/\と 瞰下 ( みおろ )した。 しかし 足許 ( あしもと )はふら/\して居る。 「寒いな、さ、手をかざしや。 」 と、美しく 艶 ( えん )なお 局 ( つぼね )が、白く 嫋 ( しなや )かな手で、 炭 ( す )びつを取つて引寄せた。 「うゝ、うゝ。 」 とばかりだが、それでも、どつかと 其処 ( そこ )に坐つた。 「 其方 ( そち )は 煙草 ( たばこ )を持たぬかえ。 」 すると、此の乱心ものは、 慌 ( あわただ )しさうに、懐中を 開 ( あ )け、 袂 ( たもと )を探した。 それでも 鞘 ( さや )へは納めないで、 大刀 ( だんびら )を、ズバツと 畳 ( たたみ )に 突刺 ( つっさ )したのである。 兇器 ( きょうき )が手を離るゝのを 視 ( み )て、局は 渠 ( かれ )が 煙草入 ( たばこいれ )を探す 隙 ( すき )に、そと身を起して、 飜然 ( ひらり )と一段、天井の雲に 紛 ( まぎ )るゝ如く、廊下に 袴 ( はかま )の 裙 ( すそ )が 捌 ( さば )けたと思ふと、 武士 ( さむらい )は 武 ( む )しや 振 ( ぶ )りつくやうに 追縋 ( おいすが )つた。 「ほ、ほ、ほ。 言ふまでもなく、今は 疾 ( と )くに、資治卿は影も見えない。 もみぢが、ちら/\とこぼれて、チチチチと小鳥が鳴く。 「 千鳥 ( ちどり )、千鳥。 ……」 と ( ろう )たく 口誦 ( くちずさ )みながら、 半 ( なか )ば渡ると、 白木 ( しらき )の 階 ( きざはし )のある 処 ( ところ )。 「千鳥、千鳥、あれ/\……」 と 且 ( か )つ 指 ( ゆびさ )し、且つ 恍惚 ( うっとり )と聞きすます 体 ( てい )にして、 「千鳥や、千鳥や。 」 と、やゝ声を高うした。 向う 前栽 ( せんざい )の 小縁 ( こえん )の端へ、千鳥と云ふ、其の 腰元 ( こしもと )の、濃い 紫 ( むらさき )の姿がちらりと見えると、もみぢの中をくる/\と、 鞠 ( まり )が乱れて飛んで 行 ( ゆ )く。 恰 ( あたか )も友呼ぶ千鳥の如く、お庭へ、ぱら/\と人影が黒く散つた。 其時 ( そのとき )、お 局 ( つぼね )が、階下へ導いて 下 ( お )り 状 ( ざま )に、両手で 緊 ( しっか )と、 曲 ( くせ )ものの 刀 ( かたな )持つ方の手を 圧 ( おさ )へたのである。 「うゝ、うゝむ。 」 「あゝ、 御番 ( ごばん )の衆、見苦しい、お 目触 ( めざわ )りに、成ります。 …… 括 ( くく )るなら、其の刀を。 ……乱心ものゆゑ 穏便 ( おんびん )に、許して、 見免 ( みのが )して 遣 ( や )つてたも。 」 牛蒡 ( ごぼう )たばねに、 引括 ( ひきくく )つた両刀を背中に 背負 ( しょ )はせた、御番の衆は立ちかゝつて、左右から、 曲者 ( くせもの )の手を引張つて遠ざかつた。 吻 ( ほっ )と 呼吸 ( いき )して、 面 ( おもて )の美しさも 凄 ( すご )いまで 蒼白 ( あおじろ )く成りつつ、 階 ( きざはし )に、 紅 ( くれない )の 袴 ( はかま )をついた、お 局 ( つぼね )の手を、 振袖 ( ふりそで )で抱いて、お腰元の千鳥は、震へながら泣いて居る。 いまの 危 ( あやう )さを思ふにつけ、安心の涙である。 二 「やあ、 小法師 ( こほうし )。 ……」 こゝで読者に、真夜中の箱根の山を想像して頂きたい。 同時に、もみぢと、 霧 ( きり )と、 霜 ( しも )と、あの 蘆 ( あし )の 湖 ( こ )と、大空の星とを思ひ浮べて頂きたい。 繰返して言ふが、 文政 ( ぶんせい )初年 霜月 ( しもつき )十日の深夜なる、箱根の奥の蘆の湖の 渚 ( なぎさ )である。 霧は濃くかゝつたが、関所は 然 ( さ )まで遠くない。 峠 ( とうげ )も 三島寄 ( みしまより )の渚に、 憚 ( はばか )らず、ばちや/\と 水音 ( みずおと )を立てるものがある。 さみしさも静けさも、霜に星のきらめくのが、かち/\と鳴りさうなのであるから、不断の滝よりは、此の音が高く響く。 鷺 ( さぎ )、 獺 ( かわうそ )、 猿 ( ましら )の 類 ( たぐい )が、 魚 ( うお )を 漁 ( あさ )るなどとは言ふまい。 ……時と言ひ、場所と言ひ、 怪 ( け )しからず 凄 ( すさま )じいことは、さながら 狼 ( おおかみ )が出て竜宮の美女たちを 追廻 ( おいまわ )すやうである。 が、耳も 牙 ( きば )もない、 毛坊主 ( けぼうず )の 円頂 ( まるあたま )を、水へ 逆 ( さかさま )に 真俯向 ( まうつむ )けに成つて、 麻 ( あさ )の 法衣 ( ころも )のもろ 膚 ( はだ )脱いだ両手両脇へ、ざぶ/\と水を掛ける。 あはれ、殊勝な法師や、 捨身 ( しゃしん )の 水行 ( すいぎょう )を 修 ( しゅ )すると思へば、 蘆 ( あし )の 折伏 ( おれふ )す 枯草 ( かれくさ )の中に 籠 ( かご )を 一個 ( ひとつ ) 差置 ( さしお )いた。 が、 鯉 ( こい )を 遁 ( にが )した 畚 ( びく )でもなく、草を 刈 ( か )る 代 ( しろ )でもない。 屑屋 ( くずや )が 荷 ( にな )ふ 大形 ( おおがた )な 鉄砲笊 ( てっぽうざる )に、 剰 ( あまつさ )へ竹のひろひ 箸 ( ばし )をスクと立てたまゝなのであつた。 「やあ、 小法師 ( こほうし )、小法師。 」 もの幻の霧の中に、あけの明星の 光明 ( こうみょう )が、 嶮山 ( けんざん )の 髄 ( ずい )に 浸透 ( しみとお )つて、横に 一幅 ( ひとはば )水が光り、縦に 一筋 ( ひとすじ )、 紫 ( むらさき )に 凝 ( こ )りつつ 真紅 ( まっか )に燃ゆる、もみぢに添ひたる、 三抱余 ( みかかえあま )り見上げるやうな杉の 大木 ( たいぼく )の、 梢 ( こずえ )近い葉の中から、 梟 ( ふくろう )の叫ぶやうな異様なる声が響くと、 「 羽黒 ( はぐろ )の小法師ではないか。 」 と言ふ/\、 枝葉 ( えだは )にざわ/\と風を立てて、 然 ( しか )も、音もなく蘆の中に 下立 ( おりた )つたのは、霧よりも濃い 大山伏 ( おおやまぶし )の形相である。 金剛杖 ( こんごうづえ )を 丁 ( ちょう )と 脇挟 ( わきばさ )んだ、片手に、帯の 結目 ( むすびめ )をみしと取つて、 黒紋着 ( くろもんつき )、 袴 ( はかま )の 武士 ( さむらい )を 俯向 ( うつむ )けに 引提 ( ひきさ )げた。 武士 ( ぶし )は、 紐 ( ひも )で 引 ( ひっ )からげて胸へ結んで、大小を背中に 背負 ( しょ )はされて居る。 卑俗な 譬 ( たとえ )だけれど、 小児 ( こども )が何とかすると町内を三 遍 ( べん )廻らせられると言つた形で、此が大納言の 御館 ( みたち )を騒がした狂人であるのは言ふまでもなからう。 「おう、」 と小法師の 擡 ( もた )げた顔の、鼻は 鉤形 ( かぎなり )に 尖 ( とが )つて、色は 鳶 ( とび )に 斉 ( ひと )しい。 青黒 ( あおぐろ )く、 滑々 ( ぬらぬら )とした 背膚 ( せはだ )の 濡色 ( ぬれいろ )に、星の影のチラ/\と 映 ( さ )す 状 ( さま )は、 大鯰 ( おおなまず )が 藻 ( も )の花を 刺青 ( ほりもの )したやうである。 「これは、 秋葉山 ( あきばさん )の 御行者 ( おぎょうじゃ )。 」 と言ひながら、水しぶきを立てて、 身体 ( からだ )を犬ぶるひに振つた。 「 御身 ( おみ )は京都の返りだな。 」 「 然 ( さ )れば、 虚空 ( こくう )を通り 掛 ( がか )りぢや。 はて、時ならぬ、何のための 水悪戯 ( みずいたずら )ぢや。 悪戯 ( いたずら )は仔細ないが、 羽 ( は )ぶしの 怪我 ( けが )で、 湖 ( うみ )に 墜 ( お )ちて、 溺 ( おぼ )れたのではないかと思うた。 」 「はゝ。 」 と事もなげに笑つて、 「いや、 些 ( ち )と身に 汚 ( けが )れがあつて、 不精 ( ぶしょう )に、猫の 面洗 ( つらあら )ひと 遣 ( や )つた。 チヨイ/\とな。 はゝゝゝ 明朝 ( あした )は天気だ。 まあ休め。 」 と 法衣 ( ころも )の 袖 ( そで )を通して言ふ。 …… 吐 ( は )く 呼吸 ( いき )の、ふか/\と灰色なのが、人間のやうには消えないで、 両個 ( ふたつ )とも、其のまゝからまつて、ぱつと飛んで、湖の 面 ( おもて )に、名の知れぬ鳥が乱れ立つ。 羽黒の 小法師 ( こほうし )、秋葉の 行者 ( ぎょうじゃ )、二個は 疑 ( うたがい )もなく、魔界の一党、 狗賓 ( ぐひん )の類属。 東海、奥州、ともに 名代 ( なだい )の 天狗 ( てんぐ )であつた。 三 「 成程 ( なるほど )、成程、…… 御坊 ( ごぼう )の方は 武士 ( さむらい )であつた。 「 然 ( さ )れば、此ぢや。 ……浜松の本陣から 引攫 ( ひきさろ )うて持つて参つて、約束通り、京極、比野大納言殿の 御館 ( おんやかた )へ、 然 ( しか )も、念入りに、十二 間 ( けん )のお廊下へドタリと 遣 ( や )つた。 」 「おゝ 御館 ( おやかた )では、藤の 局 ( つぼね )が、 我折 ( がお )れ、かよわい、 女性 ( にょしょう )の 御身 ( おんみ )。 剰 ( あまつさ )へ 唯 ( ただ )一人にて、すつきりとしたすゞしき 取計 ( とりはから )ひを遊ばしたな。 」 「ほゝう。 」 と云つた 山伏 ( やまぶし )は、真赤な鼻を 撮 ( つま )むやうに、つるりと 撫 ( な )でて、 「最早知つたか。 」 「 洛中 ( らくちゅう )の 是沙汰 ( これさた )。 関東一円、奥州まで、愚僧が 一山 ( いっさん )へも 立処 ( たちどころ )に響いた。 いづれも、 京方 ( きょうがた )の 御為 ( おんため )に 大慶 ( たいけい )に存ぜられる。 此とても、お行者のお手柄だ、はて 敏捷 ( すばや )い。 」 「やあ、 如何 ( いかが )な。 すばやいは御坊ぢやが。 」 「さて、其が 過失 ( あやまり )。 ……愚僧、 早合点 ( はやがてん )の先ばしりで、思ひ 懸 ( が )けない 隙入 ( ひまいり )をした。 御身 ( おみ )と同然に、愚僧 等 ( ら ) 御司配 ( ごしはい )の 命令 ( おおせ )を 蒙 ( こうむ )り、京都と同じ日、 先 ( ま )づ/\同じ刻限に、江戸城へも事を試みる約束であつたれば、 千住 ( せんじゅ )の 大橋 ( おおはし )、上野の森を 一 ( ひと )のしに、 濠端 ( ほりばた )の松まで飛んで出た。 かしこの威徳 衰 ( おとろ )へたりと 雖 ( いえど )も、さすがは 征夷 ( せいい )大将軍の 居城 ( きょじょう )だ、 何処 ( いずこ )の門も、番衆、見張、厳重にして 隙間 ( すきま )がない。 ……ぐるり/\と 窺 ( うかが )ふうちに、桜田門の番所 傍 ( そば )の石垣から、 大 ( おおき )な 蛇 ( へび )が 面 ( つら )を出して居るのを 偶 ( ふ )と見つけた。 霞 ( かすみ )ヶ 関 ( せき )には返り 咲 ( ざき )の桜が一面、陽気はづれの暖かさに、 冬籠 ( ふゆごも )りの長隠居、 炬燵 ( こたつ )から 這出 ( はいだ )したものと見える。 早 ( は )や 往来 ( おうらい )は 人立 ( ひとだち )だ。 処 ( ところ )へ、 遙 ( はるか )に 虚空 ( こくう )から 大鳶 ( おほとび )が 一羽 ( いちわ )、矢のやうに 下 ( おろ )いて来て、すかりと 大蛇 ( おおへび )を 引抓 ( ひきつか )んで飛ばうとすると、 這奴 ( しゃつ )も 地所持 ( じしょもち )、 一廉 ( いっかど )のぬしと見えて、やゝ、其の手は 食 ( く )はぬ。 さか 鱗 ( うろこ )を立てて、 螺旋 ( らせん )に 蜿 ( うね )り、 却 ( かえ )つて石垣の穴へ引かうとする、 抓 ( つか )んで飛ばうとする。 揉 ( も )んだ、揉んだ。 」 「うむ/\。 」 と、 山伏 ( やまぶし )も息を呑む。 「 馬鹿鵄 ( ばかとび )よ、くそ 鳶 ( とび )よ、 鳶 ( とんび )、 鳶 ( とんび )、とりもなほさず 鳶 ( とび )は愚僧だ、はゝゝゝ。 」 と高笑ひして、 「何と、お 行者 ( ぎょうじゃ )、未熟なれども、羽黒の 小法師 ( こほうし )、六 尺 ( しゃく )や一 丈 ( じょう )の 蛇 ( ながむし )に恐れるのでない。 こゝが 術 ( て )だ。 人間の気を奪ふため、 故 ( ことさ )らに 引込 ( ひきこ )まれ/\、やがて 忽 ( たちま )ち 其 ( その )最後の 片翼 ( かたつばさ )も、城の石垣につツと消えると、いままで 呼吸 ( いき )を詰めた、 群集 ( ぐんじゅ )が、 阿 ( あ )も 応 ( おう )も 一斉 ( いっとき )に、わツと鳴つて声を揚げた。 此の 人声 ( ひとごえ )に驚いて、番所の棒が 揃 ( そろ )つて 飛出 ( とびだ )す、 麻上下 ( あさがみしも )が群れ騒ぐ、 大玄関 ( おおげんかん )まで騒動の波が響いた。 驚破 ( すわ )、そのまぎれに、見物の 群集 ( ぐんじゅ )の中から、 頃合 ( ころあい )なものを 引攫 ( ひきさら )つて、空からストンと、 怪我 ( けが )をせぬやうに 落 ( おと )いた。 が、 丁度 ( ちょうど )西の丸の 太鼓櫓 ( たいこやぐら )の下の空地だ、 真昼間 ( まっぴるま )。 」 「 妙 ( みょう )。 」 と、山伏がハタと手を 搏 ( う )つて、 「 御坊 ( ごぼう )が落した、試みのものは何ぢや。 」 「 屑屋 ( くずや )だ。 」 「はて、屑屋とな。 」 と 件 ( くだん )の 大笊 ( おおざる )を 円袖 ( まるそで )に 掻寄 ( かきよ )せ、湖の水の星あかりに口を向けて、 松虫 ( まつむし )なんぞを 擽 ( くすぐ )るやうに 笊 ( ざる )の底を、ぐわさ/\と爪で掻くと、手足を縮めて 掻 ( かい )すくまつた、 垢 ( あか )だらけの 汚 ( きたな )い屑屋が、ころりと出た。 が、出ると大きく成つて、ふやけたやうに伸びて、ぷるツと肩を振つて、継ぎはぎの 千草 ( ちぐさ )の 股引 ( ももひき )を 割膝 ( わりひざ )で、こくめいに、 枯蘆 ( かれあし )の 裡 ( なか )にかしこまる。 此の人間の気が、ほとぼりに成つて 通 ( かよ )つたと見える。 ぐたりと 蛙 ( かえる )を 潰 ( つぶ )したやうに、手足を張つて 平 ( へた )ばつて居た 狂気武士 ( きちがいざむらい )が、びくりとすると、むくと起きた。 が、 藍 ( あい )の如き 顔色 ( がんしょく )して、血走つたまゝの目を ( みは )りつつ、きよとりとして居る。 四 此の時代の、事実として一般に信ぜられた記録がある。 朝 五 ( いつ )つ 時 ( どき )の事で、 侍町 ( さむらいまち )の人通りのない坂道を 上 ( のぼ )る時、 大鷲 ( おおわし )が一羽、 虚空 ( こくう )から 巌 ( いわ )の 落下 ( おちさが )るが如く落して来て、少年を 引掴 ( ひっつか )むと、 忽 ( たちま )ち雲を飛んで行く。 少年は 夢現 ( ゆめうつつ )ともわきまへぬ。 が、とに 角 ( かく )大空を行くのだから、落つれば 一堪 ( ひとたま )りもなく、 粉微塵 ( こなみじん )に成ると覚悟して、風を切る黒き帆のやうな翼の下に成るがまゝに身をすくめた。 はじめは 双六 ( すごろく )の絵を敷いた如く、城が見え、町が見え、ぼうと 霞 ( かす )んで 村里 ( むらざと )も見えた。 やがて 渾沌 ( こんとん ) 瞑々 ( めいめい )として風の鳴るのを聞くと、 果 ( はて )しも知らぬ 渺々 ( びょうびょう )たる海の上を 翔 ( か )けるのである。 いまは、運命に任せて目を 瞑 ( つむ )ると、 偶 ( ふ )と風も身も動かなく成つた。 我に返ると、 鷲 ( わし )は 大 ( おおい )なる 樹 ( き )の 梢 ( こずえ )に翼を休めて居る。 が、山の峰の 頂 ( いただき )に、さながら 尖塔 ( せんとう )の立てる如き、雲を 貫 ( つらぬ )いた 巨木 ( きょぼく )である。 片手を 密 ( そ )つと動かすと自由に動いた。 時に、 脇指 ( わきゆび )の 柄 ( え )に手を掛けはしたものの、鷲のために支へられて梢に 留 ( と )まつた 身体 ( からだ )である。 が、此のまゝにしても 生命 ( いのち )はあるまい。 何 ( ど )う処置しようと 猶予 ( ためら )ふうちに、 一打 ( ひとう )ち 煽 ( あお )つて又飛んだ。 飛びつつ、いつか地にやゝ近く、ものの一二 間 ( けん )を 掠 ( かす )めると見た時、此の 沈勇 ( ちんゆう )なる少年は、脇指を 引抜 ( ひきぬ )きざまにうしろ 突 ( づき )にザクリと突く。 弱る 処 ( ところ )を、 呼吸 ( いき )もつかせず、 三刀 ( みかたな ) 四刀 ( よかたな )さし通したので、 弱果 ( よわりは )てて鷲が 仰向 ( あおむ )けに大地に伏す、伏しつつ仰向けに 飜 ( ひるがえ )る腹に乗つて、 柔 ( やわらか )い 羽根蒲団 ( はねぶとん )に包まれたやうに、ふはふはと落ちた。 恰 ( あたか )も鷲の腹からうまれたやうに、少年は血を浴びて出たが、四方、山また山ばかり、 山嶽 ( さんがく ) 重畳 ( ちょうじょう )として更に東西を 弁 ( べん )じない。 とぼ/\と 辿 ( たど )るうち、人間の 木樵 ( きこり )に 逢 ( あ )つた。 木樵は絵の如く 斧 ( おの )を提げて居る。 進んで礼して、城下を教へてと言つて、 且 ( か )つ 道案内 ( みちあんない )を頼むと、城下とは何んぢやと言つた。 お城を知らないか、と言ふと、知んねえよ、とけろりとして居る。 薄給でも其の頃の官員の 忰 ( せがれ )だから、向う見ずに腹を立てて、鹿児島だい、と大きく言ふと、鹿児島とは、 何処 ( どこ )ぢやと言ふ。 おのれ、 日本 ( にっぽん )の 薩摩国 ( さつまのくに )鹿児島を知らぬかと呼ばはると、伸び/\とした鼻の下を 漸 ( やっ )と縮めたのは、 大 ( おおき )な口を 開 ( あ )けて 呆 ( あき )れたので。 薩摩は 此処 ( ここ )から何千里あるだい、と 反対 ( あべこべ )に尋ねたのである。 少年も少し 心着 ( こころづ )いて、 此処 ( ここ )は 何処 ( どこ )だらう、と聞いた時、はじめて知つた。 木曾の 山中 ( やまなか )であつたのである。 此処 ( ここ )で、二人で、始めて鷲の死体を見た。 麓 ( ふもと )へ 連下 ( つれくだ )つた木樵が、やがて 庄屋 ( しょうや )に通じ、陣屋に知らせ、 郡 ( こおり )の医師を呼ぶ騒ぎ。 精神にも 身体 ( からだ )にも、見事異状がない。 朝 五 ( いつ )つ 時 ( どき )、宙に 釣 ( つ )られて、少年が木曾 山中 ( さんちゅう )で鷲の爪を離れたのは同じ日の 夕 ( ゆうべ )。 七つ時、 間 ( あいだ )は 五時 ( いつとき )十時間である。 里数は 略 ( ほぼ )四百里であると言ふ。 また 武士 ( さむらい )が刀を抜いて居たわけも、此の辺で大抵想像が着くであらう。 刀は抜けて 湖 ( うみ )に沈んで、 小刀 ( しょうとう )ばかり帯に残つたが、 下 ( した )が 陸 ( くが )に成つた時、砂浜の 渚 ( なぎさ )に少年を落して、鷲は目の上の絶壁の 大巌 ( おおいわ )に翼を休めた。 しばらくして、どつと 下 ( おろ )いて、少年に 飛 ( とび )かゝつて、顔の皮を ( むし )りくらはんとする 処 ( ところ )を、一生懸命 脇差 ( わきざし )でめくら 突 ( づ )きにして助かつた。 人に 介抱 ( かいほう )されて、 後 ( のち )に、所を聞くと、此の方は近かつた。 近江の湖岸で、里程は二十里。 …… それから、人間が空をつられて行く 状 ( さま )に参考に成るのがある。 ……此は見たものの名が分つて居る。 讃州高松 ( さんしゅうたかまつ )、松平侯の 世子 ( せいし )で、 貞五郎 ( ていごろう )と云ふのが、 近習 ( きんじゅう )たちと、 浜町 ( はまちょう )矢の倉の 邸 ( やしき )の庭で、 凧 ( たこ )を揚げて遊んで居た。 些 ( ち )と寒いほどの西風で、凧に向つた遙か品川の海の方から、ひら/\と 紅 ( あか )いものが、ぽつちりと見えて、空中を次第に近づく。 唯 ( と )、 真逆 ( まっさかさ )になった [#「なった」はママ]女で、髪がふはりと下に流れて、 無慙 ( むざん )や真白な足を空に、顔は 裳 ( もすそ )で包まれた。 ヒイと 泣叫 ( なきさけ )ぶ声が悲しげに響いて、あれ/\と見るうちに、遠く 筑波 ( つくば )の方へ 霞 ( かす )んで 了 ( しま )つた。 近習たちも皆見た。 丁 ( ちょう )ど 日中 ( ひるなか )で、 然 ( しか )も空は晴れて居た。 が、 天狗 ( てんぐ )が 掴 ( つか )んだものに相違ない、と云ふのである。 けれども、こゝなる 両個 ( ふたつ )の魔は、 武士 ( さむらい )も 屑屋 ( くずや )も 逆 ( さかさま )に 釣 ( つ )つたのではないらしい。 五 「ふむ、…… 其処 ( そこ )で肝要な、江戸城の 趣 ( おもむき )は 如何 ( いかが )であつたな。 」 「いや以ての 外 ( ほか )の騒動だ。 外濠 ( そとぼり )から 竜 ( りょう )が 湧 ( わ )いても、天守へ 雷 ( らい )が転がつても、 太鼓櫓 ( たいこやぐら )の下へ屑屋が 溢 ( こぼ )れたほどではあるまいと思ふ。 又、此の屑屋が 興 ( きょう )がつた男で、 鉄砲笊 ( てっぽうざる )を 担 ( かつ )いだまゝ、落ちた 処 ( ところ )を 俯向 ( うつむ )いて、 篦鷺 ( へらさぎ )のやうに、竹の 箸 ( はし )で 其処等 ( そこら )を 突 ( つっ )つきながら、 胡乱々々 ( うろうろ )する。 ……此を 高櫓 ( たかやぐら )から 蟻 ( あり )が 葛籠 ( つづら )を 背負 ( しょ )つたやうに、小さく 真下 ( まっした )に 覗 ( のぞ )いた、係りの役人の 吃驚 ( びっくり )さよ。 陽 ( ひ )の 面 ( おもて )の 蝕 ( むしば )んだやうに目が 眩 ( くら )んで、折からであつた、 八 ( や )つの太鼓を、ドーン、ドーン。 」 と 小法師 ( こほうし )なるに力ある声が、湖水に響く。 ドーンと、もの 凄 ( すご )く 谺 ( こだま )して、 「ドーン、ドーンと十三打つた。 」 「 妙 ( みょう )。 」と、又 乗出 ( のりだ )した 山伏 ( やまぶし )が、 「前代未聞。 」と 言 ( ことば )の尾を沈めて、 半 ( なか )ば歎息して云つた。 「 謀叛人 ( むほんにん )が降つて湧いて、 二 ( に )の 丸 ( まる )へ 取詰 ( とりつ )めたやうな騒動だ。 将軍の 住居 ( すまい )は大奥まで 湧上 ( わきあが )つた。 長袴 ( ながばかま )は 辷 ( すべ )る、 上下 ( かみしも )は 蹴躓 ( けつまず )く、 茶坊主 ( ちゃぼうず )は転ぶ、女中は泣く。 追取刀 ( おっとりがたな )、 槍 ( やり )、 薙刀 ( なぎなた )。 そのうち騎馬で 乗出 ( のりだ )した。 何と、 紙屑買 ( かみくずかい )一人を、鉄砲づくめ、 槍襖 ( やりぶすま )で 捕 ( とら )へたが、見ものであつたよ。 」 「 真 ( まこと )か、それは?」 「云ふにや及ぶ。 」 「あゝ幕府の運命は、それであらかた知れた。 」 「征夷大将軍の江戸城に於ては、紙屑買 唯 ( ただ )一人を、 老中 ( ろうじゅう )はじめ合戦の混乱ぢや。 」 「京都の 御 ( おん )ため。 」 と西に向つて、草を払つて、秋葉の 行者 ( ぎょうじゃ )と、羽黒の 小法師 ( こほうし )、 揃 ( そろ )つて、手を 支 ( つ )いて 敬伏 ( けいふく )した。 「 小虫 ( しょうちゅう )、 微貝 ( びばい )の 臣等 ( しんら )……」 「 欣幸 ( きんこう )、 慶福 ( けいふく )。 」 「 謹 ( つつし )んで、万歳を 祝 ( しゅく )し 奉 ( たてまつ )る。 」 六 「さて、…… 町奉行 ( まちぶぎょう )が 白洲 ( しらす )を立てて驚いた。 召捕 ( めしと )つた屑屋を送るには、槍、鉄砲で列をなしたが、奉行 役宅 ( やくたく )で 突放 ( つっぱな )すと 蟇 ( ひきがえる )ほどの働きもない男だ。 横から 視 ( み )ても、縦から視ても、 汚 ( きたな )い屑屋に相違あるまい。 奉行は 継上下 ( つぎがみしも )、御用箱、うしろに 太刀持 ( たちもち )、 用人 ( ようにん )、 与力 ( よりき )、 同心徒 ( どうしんであい )、事も厳重に堂々と並んで、威儀を正して、ずらりと 蝋燭 ( ろうそく )に 灯 ( ひ )を入れた。 灯を入れて、 更 ( あらた )めて、町奉行が、 余 ( あまり )の事に、 櫓下 ( やぐらした )を 胡乱 ( うろ )ついた時と、同じやうな 状 ( さま )をして見せろ、とな、それも 吟味 ( ぎんみ )の手段とあつて、屑屋を立たせて、 笊 ( ざる )を 背負 ( しょ )はせて、 煮 ( に )しめたやうな 手拭 ( てぬぐい )まで 被 ( かぶ )らせた。 が、 猶 ( なお )の事だ。 今更ながら、一同の 呆 ( あき )れた 処 ( ところ )を、 廂 ( ひさし )を 跨 ( また )いで 倒 ( さかしま )に 覗 ( のぞ )いて 狙 ( ねら )つた愚僧だ。 つむじ風を 哄 ( どっ )と吹かせ、 白洲 ( しらす )の 砂利 ( じゃり )をから/\と 掻廻 ( かきまわ )いて、パツと一斉に灯を消した。 逢魔 ( おうま )ヶ 時 ( どき )の 暗 ( くら )まぎれに、ひよいと 掴 ( つか )んで、 空 ( くう )へ抜けた。 お互に 此処等 ( ここら )は手軽い。 」 「いや、しかし、御苦労ぢや。 其処 ( そこ )で何か、すぐに羽黒へ帰らいで、屑屋を掴んだまゝ、 御坊 ( ごぼう )関所 近 ( ぢか )く参られたは、其の男に 後難 ( ごなん )あらせまい遠慮かな。 」 「何、何、愚僧が三度息を 吹掛 ( ふきか )け、あの 身体中 ( からだじゅう )まじなうた。 屑買 ( くずかい )が 明日 ( あす )が日、奉行の鼻毛を抜かうとも、 嚔 ( くさめ )をするばかりで、 一向 ( いっこう )に目は附けん。 其処 ( そこ )に 聊 ( いささか )も懸念はない。 が、正直な気のいゝ屑屋だ。 不便 ( ふびん )や、定めし驚いたらう。 …… 労力 ( ほねおり )やすめに、京見物をさせて、大仏前の 餅 ( もち )なりと 振舞 ( ふるま )はうと思うて、足ついでに飛んで来た。 が、いや、先刻の、それよ。 ……城の石垣に於て、 大蛇 ( おおへび )と 捏合 ( こねお )うた、あの 臭気 ( におい )が 脊筋 ( せすじ )から脇へ 纏 ( まと )うて、飛ぶほどに、 駈 ( か )けるほどに、段々 堪 ( たま )らぬ。 よつて、此の 大盥 ( おおだらい )で、 一寸 ( ちょっと ) 行水 ( ぎょうずい )をばちや/\ 遣 ( や )つた。 江戸まで、あの荷物を 送 ( おくり )と見えます。 」 「おゝ、其の 武士 ( さむらい )は、 部役 ( ぶやく )のほかに、仔細あつて、 些 ( ち )と 灸 ( きゅう )を用ゐたのぢや。 」 「道理こそ、……此は暑からう。 待て/\、お 行者 ( ぎょうじゃ )。 灸と言へば、 煙草 ( たばこ )が 一吹 ( ひとふか )し吹したい。 丁 ( ちょう )ど、あの 岨道 ( そばみち )に 蛍 ( ほたる )ほどのものが見える。 猟師が出たな。 火縄 ( ひなわ )らしい。 借りるぞよ。 」 とハタと 掌 ( てのひら )を一つ打つと、 遙 ( はるか )に 隔 ( へだ )つた 真暗 ( まっくら )な 渚 ( なぎさ )から、キリ/\/\と舞ひながら、森も 潜 ( くぐ )つて、水の 面 ( おも )を舞つて来るのを、 小法師 ( こほうし )は指の先へ宙で受けた。 つはぶきの葉を 喇叭 ( らっぱ )に巻いたは、 即 ( すなわ )ち 煙管 ( きせる )で。 蘆 ( あし )の穂といはず、草と言はず ( むし )り取つて、 青磁色 ( せいじいろ )の長い爪に、火を 翳 ( かざ )して、ぶく/\と 吸 ( すい )つけた。 火縄を取つて、うしろ 状 ( ざま )の、 肩越 ( かたごし )に、ポン、と投げると、杉の枝に挟まつて、ふつと消えたと思つたのが、めら/\と赤く 燃上 ( もえあが )つた。 ぱち/\と鳴ると、 双子山颪 ( ふたごやまおろし ) 颯 ( さっ )として、 松明 ( たいまつ )ばかりに燃えたのが、見る/\うちに、 轟 ( ごう )と響いて、 凡 ( およ )そ 片輪車 ( かたわぐるま )の大きさに火の 搦 ( から )んだのが、 梢 ( こずえ )に 掛 ( かか )つて、ぐる/\ぐる/\と廻る。 此の火に 照 ( てら )された、二個の魔神の 状 ( さま )を見よ。 けたゝましい 人声 ( ひとごえ ) 幽 ( かすか )に、鉄砲を肩に、猟師が二人のめりつ、 反 ( そ )りつ、 尾花 ( おばな )の波に漂うて森の中を 遁 ( に )げて行く。 山兎 ( やまうさぎ )が二三 疋 ( びき )、あとを追ふやうに、 躍 ( おど )つて 駈 ( か )けた。 「小法師、あひかはらず 悪戯 ( いたずら )ぢや。 」 と 兜 ( かぶと )のやうな 額皺 ( ひたいじわ )の下に、 恐 ( おそろ )しい目を光らしながら、 山伏 ( やまぶし )は赤い鼻をひこ/\と笑つたが、 「 拙道 ( せつどう )、 煙草 ( たばこ )は 不調法 ( ぶちょうほう )ぢや。 然 ( さ )らば 相伴 ( しょうばん )に 腰兵糧 ( こしびょうろう )は使はうよ。 」 と 胡坐 ( あぐら )かいた 片脛 ( かたずね )を、づかりと 投出 ( なげだ )すと、両手で逆に取つて、上へ 反 ( そら )せ、 膝 ( ひざ )ぶしからボキリボキリ、ミシリとやる。 「うゝ、うゝ。 」 「あつ。 」 と、 武士 ( さむらい )と屑屋は、思はず声を立てたのである。 見向きもしないで、山伏は 挫折 ( へしお )つた其の 己 ( おの )が片脛を 鷲掴 ( わしづか )みに、片手で 踵 ( きびす )が 穿 ( は )いた 板草鞋 ( いたわらじ )を ( むし )り 棄 ( す )てると、 横銜 ( よこぐわ )へに、ばり/\と 齧 ( かじ )る…… 鮮血 ( なまち )の、唇を 滴々 ( たらたら )と伝ふを 視 ( み )て、 武士 ( さむらい )と屑屋は 一 ( ひと )のめりに 突伏 ( つっぷ )した。 不思議な事には、へし折つた山伏の片脛のあとには、又おなじやうな脛が生えるのであつた。 杉なる火の車は影を 滅 ( け )した。 寂寞 ( せきばく )として一層もの 凄 ( すご )い。 「骨も筋もないわ、 肝魂 ( きもたましい )も消えて居る。 不便 ( ふびん )や、 武士 ( さむらい )…… 詫 ( わび )をして取らさうか。 」 と小法師が、やゝもの 静 ( しずか )に、 「お行者よ。 灸 ( きゅう )とは何かな。 」 と言ふ 山伏 ( やまぶし )の声がして、がぶ/\。 「塩辛い。 主人の 殿 ( との )は 松平大島守 ( まつだいらおおしまのかみ )と言ふ……」 「 西国方 ( さいこくがた )の 諸侯 ( だいみょう )だな。 」 「されば 御譜代 ( ごふだい )。 将軍家に、 流 ( ながれ )も 源 ( みなもと )も深い 若年寄 ( わかどしより )ぢや。 ……何と 御坊 ( ごぼう )。 ……今度、其の若年寄に、 便宜 ( べんぎ )あつて、京都比野大納言殿より、(江戸隅田川の 都鳥 ( みやこどり )が見たい、一羽首尾ようして送られよ。 )と云ふお頼みがあつたと思へ。 申さずとも、御坊は承知と存ずるが。 」 「はあ、 然 ( そ )うか、いや知らぬ、愚僧 早走 ( はやばし )り、 早合点 ( はやがってん )の癖で、用だけ聞いて、して来いな、とお先ばしりに 飛出 ( とびで )たばかりで、 一向 ( いっこう )に仔細は知らぬ。 が、 扨 ( さて )は、根ざす 処 ( ところ )があるのであつたか。 」 「もとよりぢや。 業平朝臣 ( なりひらあそん )の(名にしおはゞいざこととはむ)歌の心をまのあたり、鳥の姿に見たいと言ふ、花につけ、月につけ、をりからの 菊 ( きく ) 紅葉 ( もみじ )につけての 思 ( おも )ひ 寄 ( より )には相違あるまい。 ……大納言 心 ( こころ )では、将軍家は、其の風流の優しさに感じて、都鳥をば 一番 ( ひとつがい )、そつと取り、 紅 ( くれない )、 紫 ( むらさき )の 房 ( ふさ )を飾つた、金銀 蒔絵 ( まきえ )の 籠 ( かご )に 据 ( す )ゑ、 使 ( つかい )も 狩衣 ( かりぎぬ )に 烏帽子 ( えぼし )して、都にのぼす事と思はれよう。 ぢやが、 海苔 ( のり )一 帖 ( じょう )、 煎餅 ( せんべい )の袋にも、 贈物 ( おくりもの )は心すべきぢや。 すぐに其は 対手 ( あいて )に向ふ、当方の 心持 ( こころもち )の 表 ( しるし )に 相成 ( あいな )る。 ……将軍家へ 無心 ( むしん )とあれば、都鳥一羽も、城一つも同じ道理ぢや。 よき折から 京方 ( かみがた )に対し、関東の武威をあらはすため、都鳥を 射 ( い )て、 鴻 ( こう )の 羽 ( はね )、 鷹 ( たか )の 羽 ( は )の矢を 胸 ( むな )さきに 裏掻 ( うらか )いて 貫 ( つらぬ )いたまゝを、 故 ( わざ )と、 蜜柑箱 ( みかんばこ )と思ふが 如何 ( いかが )、即ち其の昔、 権現様 ( ごんげんさま )戦場お 持出 ( もちだ )しの 矢疵 ( やきず ) 弾丸痕 ( たまあと )の残つた 鎧櫃 ( よろいびつ )に納めて、 槍 ( やり )を立てて使者を送らう。 と言ふ 評定 ( ひょうじょう )ぢや。 」 「 気障 ( きざ )な奴だ。 」 「むゝ、 先 ( ま )づ聞けよ。 」 「あの、 親仁 ( おやじ )。 …… 予 ( かね )て 大島守 ( おおしまのかみ )に 取入 ( とりい )ると聞いた。 成程 ( なるほど )、 其辺 ( そのへん )の 催 ( もよお )しだな。 積 ( つも )つても知れる。 ……此の殿、 聊 ( いささ )かものの道理を 弁 ( わきま )へてゐながら、心得違ひな事は、諸事万端、おありがたや関東の御威光がりでな。 胸をこはぜ 掛 ( がけ )にて、 後 ( うしろ )へ 折開 ( おりひら )いた 衣紋着 ( えもんつき )ぢや。 小袖 ( こそで )と言ふのは、此れこそ見よがしで、 嘗 ( かつ )て将軍家より拝領の、黄なる 地 ( じ )の 綾 ( あや )に、 雲形 ( くもがた )を 萌葱 ( もえぎ )で 織出 ( おりだ )し、 白糸 ( しろいと )を以て 葵 ( あおい )の 紋着 ( もんつき )。 」 「うふ。 」 と 小法師 ( こほうし )が 噴笑 ( ふきだ )した。 「何と 御坊 ( ごぼう )。 」 「 気障 ( きざ )な奴だ。 されば、名にしおはゞの歌につけて、都鳥の 所望 ( しょもう )にも、一つは 曲 ( ね )つたものと思つて 可 ( よ )い。 )などと申す。 処 ( ところ )で、今度、隅田川 両岸 ( りょうがん )の 人払 ( ひとばらい )、いや人よせをして、 件 ( くだん )の陣羽織、菊綴、 葵紋服 ( あおいもんぷく )の 扮装 ( いでたち )で、拝見ものの博士を伴ひ、弓矢を 日置流 ( へぎりゅう )に 手 ( た )ばさんで 静々 ( しずしず )と 練出 ( ねりだ )した。 飛びも、立ちもすれば 射取 ( いと )られう。 こゝに 可笑 ( おかし )な事は、折から 上汐 ( あげしお )満々たる……」蘆の湖は波一 条 ( じょう )、銀河を流す 気勢 ( けはい )がした。 「かの隅田川に、 唯 ( ただ )一羽なる都鳥があつて、雪なす翼は、 朱鷺色 ( ときいろ )の影を 水脚 ( みずあし )に引いて、すら/\と大島守の輝いて立つ 袖 ( そで )の影に 入 ( い )るばかり、 水岸 ( みずぎし )へ寄つて来た。 」 「はて、それはな?」 「誰も知るまい。 」 「迷惑々々。 」 「中に( 時鳥 ( ほととぎす ))何とかと言ふ一句がある。 時しも 屋 ( や )の 棟 ( むね )に、時鳥が 一 ( いっ )せいしたのぢや。 大島守の得意、察するに 余 ( あまり )ある。 ……ところが、時鳥は勝手に飛んだので、……こゝを聞け、 御坊 ( ごぼう )よ。 白妙は、資治卿の姿に、 恍惚 ( うっとり )と成つたのぢや。 大島守は、折に触れ、資治卿の 噂 ( うわさ )をして、……その千人の女に 契 ( ちぎ )ると言ふ好色をしたゝかに 詈 ( ののし )ると、……二人三人の 妾 ( めかけ ) 妾 ( てかけ )、…… 故 ( わざ )とか知らぬ、 横肥 ( よこぶと )りに肥つた 乳母 ( うば )まで、此れを聞いて 爪 ( つま )はじき、身ぶるひをする 中 ( うち )に、白妙 唯 ( ただ )一人、(でも。 )とか申して、 内々 ( ないない )思ひをほのめかす、大島守は勝手が違ふ上に、おのれ 容色 ( きりょう )自慢だけに、いまだ 無理口説 ( むりくどき )をせずに 居 ( お )る。 其の白妙が、めされて都に 上 ( のぼ )ると言ふ、都鳥の 白粉 ( おしろい )の胸に、ふつくりと 心魂 ( こころだましい )を 籠 ( こ )めて、肩も身も翼に入れて 憧憬 ( あこが )れる……其の都鳥ぢや。 何と、 遁 ( に )げる 処 ( どころ )ではあるまい。 」 「むゝ、聞えた。 」 「都鳥は手とらまへぢや。 何と、 雪白 ( せっぱく )裸身の美女を、 梢 ( こずえ )に 的 ( まと )にした 面影 ( おもかげ )であらうな。 松平大島守 源 ( みなもと )の 何某 ( なにがし )、矢の根にしるして、例の 菊綴 ( きくとじ )、 葵 ( あおい )の 紋服 ( もんぷく )、きり/\と絞つて、 兵 ( ひょう )と 射 ( い )たが、射た、が。 射たが、 薩張 ( さっぱり )当らぬ。 尤 ( もっと )も、此の 無慙 ( むざん )な所業を、白妙は泣いて 留 ( と )めたが、 聴 ( き )かれさうな 筈 ( はず )はない。 恁 ( かか )る 死的 ( しにまと )、殿には弓矢の 御恥辱 ( おんちじょく )。 )と呼ばはつて、ばら/\と、散る 返咲 ( かえりざき )の桜とともに、都鳥の胸をも 射抜 ( いぬ )いたるは…… ……塩辛い。 」 と 山伏 ( やまぶし )は又湖水を飲む音。 舌打 ( したうち )しながら、 「ソレ、 其処 ( そこ )に控へた小堀伝十郎、即ち彼ぢや。 …… 拙道 ( せつどう )が 引掴 ( ひっつか )んだと申して、決して不忠不義の 武士 ( さむらい )ではない。 まづ言はば大島守には忠臣ぢや。 さて、 処 ( ところ )で、矢を 貫 ( つらぬ )いた都鳥を持つて、大島守 登営 ( とえい )に及び、将軍家一覧の上にて、 如法 ( にょほう )、 鎧櫃 ( よろいびつ )に納めた。 故 ( わざ )と、使者 差立 ( さした )てるまでもない。 ぢやが、大納言の卿に、将軍家よりの 御進物 ( ごしんもつ )。 よつて、九州へ帰国の諸侯が、 途次 ( みちすがら )の使者兼帯、其の 武士 ( さむらい )が、都鳥の 宰領 ( さいりょう )として、 罷出 ( まかりい )でて、東海道を 上 ( のぼ )つて行く。 …… 秋葉の 旦那 ( だんな )、つむじが曲つた。 颶風 ( はやて )の如く、 御坊 ( ごぼう )の羽黒と気脈を通じて、またゝく 間 ( ま )の今度の 催 ( もよおし )。 拙道 ( せつどう )は即ち 仰 ( おおせ )をうけて、都鳥の使者が浜松の本陣へ着いた 処 ( ところ )を、風呂にも入れず、縁側から 引攫 ( ひっさら )つた。 」 と又がぶりと水を飲んだ。 「時に、……時にお 行者 ( ぎょうじゃ )。 矢を 貫 ( つらぬ )いた都鳥は何とした。 」 「それぢや。 ……桜の枝に 掛 ( かか )つて、 射貫 ( いぬか )れたとともに、 白妙 ( しろたえ )は胸を痛めて、どつと……息も 絶々 ( たえだえ )の 床 ( とこ )に着いた。 」 「 南無三宝 ( なむさんぼう )。 」 「あはれと 思 ( おぼ )し、峰、山、 嶽 ( たけ )の、姫たち、貴夫人たち、届かぬまでもとて、 目下 ( もっか ) 御介抱 ( ごかいほう )遊ばさるる。 」 「 珍重 ( ちんちょう )。 」 と 小法師 ( こほうし )が言つた。 「いや、安心は 相成 ( あいな )らぬ。 やがて、此の湖上にも白い姿が映るであらう。 」 と呼んで、 居直 ( いなお )つて、 「都鳥もし 蘇生 ( よみがえ )らず、白妙なきものと成らば、大島守を其のまゝに 差置 ( さしお )かぬぞ、と 確 ( しか )と申せ。 いや/\待て、必ず誓つて人には 洩 ( もら )すな。 小堀伝十郎、 確 ( しか )とせい、伝十郎。 」 「はつ。 」 と 武士 ( さむらい )は、魂とともに手を 支 ( つ )いた。 こゝに魂と云ふは、両刀の事ではない。 八 「何と御坊」 と、 少時 ( しばらく )して 山伏 ( やまぶし )が云つた。 「思ひ 懸 ( が )けず、 恁 ( かか )る 処 ( ところ )で 行逢 ( ゆきお )うた、 互 ( たがい )の 便宜 ( べんぎ )ぢや。 」 「よい、よい、名案。 」 「参れ。 ……屑屋。 」 と山の 襞 ( ひだ )を霧の包むやうに 枯蘆 ( かれあし )にぬつと立つ、此の 大 ( だい )なる 魔神 ( ましん )の 裾 ( すそ )に、小さくなつて、屑屋は頭から 領伏 ( ひれふ )して手を合せて拝んだ。 「お 慈悲 ( じひ )、お慈悲でござります、お助け下さいまし。 」 「これ、身は 損 ( そこ )なはぬ。 ほね休めに、京見物をさして 遣 ( や )るのぢや。 」 「女房、女房がござります。 児 ( こ )がござります。 江戸へ帰りたう存じます。 ……お武家様、助けて下せえ……」 と 膝行 ( いざ )り寄る。 半 ( なか )ば夢心地の屑屋は、前後の事を知らぬのであるから、 武士 ( さむらい )を 視 ( み )て、其の剣術に 縋 ( すが )つても助かりたいと思つたのである。 小法師 ( こほうし )が笑ひながら、 塵 ( ちり )を払つて立つた。 「 可厭 ( いや )なものは連れては参らぬ。 いや、お 行者 ( ぎょうじゃ )御覧の通りだ。 御苦労には及ぶまい。 」 「えゝ、 滅相 ( めっそう )な、お慈悲、慈悲でござります。 山を越えて参ります。 歩行 ( ある )いて帰ります。 」 「 歩行 ( ある )けるかな。 」 「 這 ( は )ひます、這ひます、這ひまして帰ります。 地 ( つち )を這ひまして帰ります。 其の方が、どれほどお 情 ( なさけ )か分りませぬ。 」 「恐れながら、恐れながら 拙者 ( せっしゃ )とても、 片時 ( へんし )も早く、もとの人間に成りまして、人間らしく、 相成 ( あいな )りたう存じます。 峠 ( とうげ )を越えて戻ります。 」 「心のまゝぢや。 」 と 山伏 ( やまぶし )が 式代 ( しきたい )した。 「お行者。 」 「 少時 ( しばらく )、 少時 ( しばらく ) 何 ( ど )うぞ。 」 と 蹲 ( うずくま )りながら、手を挙げて、 「 唯今 ( ただいま )、思ひつきました。 此には 海内 ( かいだい )第一のお関所がござります。 拙者 券 ( てがた )を持ちませぬ。 夜あけを待ちましても同じ儀ゆゑに……ハタと当惑を 仕 ( つかまつ )ります。 」 武士 ( さむらい )はきつぱり正気に返つた。 「仔細ない。 久能山辺 ( くのうざんあたり )に於ては、森の中から、時々、( 興津鯛 ( おきつだい )が食べたい、 燈籠 ( とうろう )の油がこぼれるぞよ。 )なぞと声の聞える事を、 此辺 ( こんあたり )でもまざ/\と信じて 居 ( お )る。 )と呼ばはれ、 速 ( すみやか )に門を 開 ( ひら )く。 陪臣 ( ばいしん )の 分 ( ぶん )を 仕 ( つかまつ )つて、御先祖様お名をかたります如き、 血反吐 ( ちへど )を 吐 ( は )いて即死をします。 」 と、わな/\と震へて云つた。 「臆病もの。 …… 可 ( よ )し。 」 「 計 ( はか )らひ取らせう。 」 同音 ( どうおん )に、 「関所!」 と呼ぶと、向うから 歩行 ( ある )くやうに、する/\と真夜中の箱根の関所が、霧を 被 ( かず )いて出て来た。 山伏 ( やまぶし )の首が、高く、 鎖 ( とざ )した門を、上から 俯向 ( うつむ )いて見込む時、 小法師 ( こほうし )の姿は、ひよいと飛んで、 棟木 ( むなぎ )に 蹲 ( しゃが )んだ。 「 権現 ( ごんげん )ぢや。 」 「 罷通 ( まかりとお )るぞ!」 哄 ( どっ )と笑つた。 小法師の姿は 東 ( あずま )の空へ、星の中に 法衣 ( ころも )の 袖 ( そで )を 掻込 ( かいこ )んで、うつむいて、すつと立つ、 早走 ( はやばしり )と云つたのが、身動きもしないやうに、次第々々に高く 上 ( あが )る。 山伏の形は、 腹這 ( はらば )ふ 状 ( さま )に、 金剛杖 ( こんごうづえ )を 櫂 ( かい )にして、横に霧を 漕 ( こ )ぐ如く、西へふは/\、くるりと廻つて、ふは/\と漂ひ去る。 …… 唯 ( と )、仰いで見るうちに、数十人の 番士 ( ばんし )、 足軽 ( あしがる )の左右に 平伏 ( ひれふ )す関の中を、二人何の苦もなく、うかうかと通り抜けた。 「お武家様、もし、お武家様。 」 ハツとしたやうに、此の時、刀の 柄 ( つか )に手を掛けて、もの/\しく見返つた。 が、 汚 ( きたな )い屑屋に 可厭 ( いや )な顔して、 「何だ。 」 「お 袂 ( たもと )に 縋 ( すが )りませいでは、 一足 ( ひとあし )も 歩行 ( ある )かれませぬ。 」 「ちよつ。 」 「お武家様、お武家様。 」 「黙つて参れよ。 」 小湧谷 ( こわくだに )、 大地獄 ( おおじごく )の音を 暗中 ( あんちゅう )に聞いた。 目の前の 路 ( みち )に、霧が横に広いのではない。 するりと 無紋 ( むもん )の幕が垂れて、ゆるく絞つた 総 ( ふさ )の 紫 ( むらさき )は、 地 ( ち )を 透 ( す )く内側の 燈 ( ともしび )の影に、色も見えつつ、ほのかに 人声 ( ひとごえ )が 漏 ( も )れて聞えた。 女の声である。 時に、紙屑屋の方が、 武士 ( さむらい )よりは、もの 馴 ( な )れた。 そして、 跪 ( ひざまず )かせて、屑屋も 地 ( つち )に、並んで 恭 ( うやうや )しく手を 支 ( つ )いた。 「江戸へ帰りますものにござります。 山道に迷ひました。 お通しを願ひたう存じます。 」 ひつそりして、 少時 ( しばらく )すると、 「お通り。 」 と、もの 柔 ( やわらか )な、優しい声。 颯 ( さっ )と幕が消えた。 消 ( き )ゆるにつれて、 朦朧 ( もうろう )として、 白小袖 ( しろこそで )、 紅 ( くれない )の 袴 ( はかま )、また 綾錦 ( あやにしき )、 振袖 ( ふりそで )の、貴女たち四五人の姿とともに、中に一人、雪に 紛 ( まが )ふ、うつくしき裸体の女があつたと思ふと、都鳥が一羽、 瑪瑙 ( めのう )の如き 大巌 ( おおいわ )に 湛 ( たた )へた 温泉 ( いでゆ )に白く浮いて居た。 が、それも湯気とともに 蒼 ( あお )く消えた。 星ばかり、峰ばかり、 颯々 ( さっさつ )たる松の嵐の声ばかり。 幽 ( かすか )に、 互 ( たがい )の顔の見えた時、 真空 ( まそら )なる、山かづら、山の 端 ( は )に、 朗 ( ほがらか )な女の声して、 「矢は返すよ。 」 風を切つて、目さきへ落ちる、此が刺さると 生命 ( いのち )はなかつた。 それでも 武士 ( さむらい )は腰を抜いた。 引立 ( ひきた )てても、目ばかり働いて 歩行 ( ある )き得ない。 屑屋が妙なことをはじめた。 「お武家様、此の 笊 ( ざる )へお入んなせい。 」 入 ( い )れると、まだ 天狗 ( てんぐ )のいきの、ほとぼりが消えなかつたと見えて、 鉄砲笊 ( てっぽうざる )へ、腰からすつぽりと 納 ( おさま )つたのである。 屑屋が腰を切つて、肩を振つて、其の笊を 背負 ( しょ )つて立つた。 「 屑 ( くず )い。 」 うつかりと、…… 「屑い。 」 落ちた矢を見ると、ひよいと、竹の 箸 ( はし )ではさんで拾つて、癖に成つて居るから、笊へ 抛 ( ほう )る。 鴻 ( こう )の 羽 ( はね )の矢を 額 ( ひたい )に取つて、 蒼 ( あお )い顔して、頂きながら、 武士 ( さむらい )は震へて居た。 入力:門田裕志 校正:川山隆 2009年5月10日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、で作られました。 入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。

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