マスト 細胞 と は。 共同発表:アレルギー反応を引き起こす化学物質が放出されるメカニズムを解明~アレルギー疾患の治療応用へ期待~

現実でも大迷惑な超ヒステリック美女マスト細胞!はたらく細胞デング熱編

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抗アレルギー性評価系に有効なヒトマスト細胞株 要約 食品成分の抗アレルギー性評価に必要なヒトマスト細胞株を限界希釈法により樹立した。 キーワード:ヒトマスト細胞株、抗アレルギー性評価、高親和性IgE レセプタ、食品成分• 担当:野菜茶研・機能解析部・茶機能解析研究室• 区分:野菜茶業・茶業• 分類:科学・普及 背景・ねらい 茶 を含む食品中の抗アレルギー性評価系のひとつとして、ヒト免疫担当細胞株を用いる方法の確立を目指している。 アレルギーはマスト細胞上でのアレルゲン 抗原 とIgE 抗体の結合が引き金となって起こる。 そのため、抗アレルギー性評価系では、マスト細胞が必須となる。 そこで、限界希釈法によりヒトマスト細胞株を樹立し、細胞機能を解析する。 成果の内容・特徴• 成果の活用面・留意点• 新たに樹立したヒトマスト細胞株は、マスト細胞からのケミカルメディエータ阻害物質等食 品中の抗アレルギー成分の探索に有効である。 しかし、高親和性IgE レセプタの発現が不 安定なので、高発現のための条件を検討しつつ、高発現状態の細胞株をできるだけ多く凍結 し、発現量を確認しながら使用する必要がある。 具体的データ その他• 研究課題名:茶葉中抗アレルギー成分の利用技術の開発• 予算区分:生研機構• 研究期間:2001 ~2005 年度• 研究担当者:山本 前田 万里、川本恵子 生研機構• 発表論文等:1 川本・山本 前田 2000 日本免疫学会総会・学術集会記録 30::39. 2 川本ら 2000 アレルギー、49 9,10 :1015.

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医学書院/週刊医学界新聞 【〔インタビュー〕アレルギーの本質を解明する鍵-マスト細胞の多彩な役割(羅 智靖)】 (第2498号 2002年8月19日)

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肥満細胞 肥満細胞(ひまんさいぼう)とは、の粘膜下組織や結合組織などに存在する由来の。 とともにや反応などの生体防御機構に重要な役割を持つ。 肥満細胞という名前ではあるがとは関係が無く、膨れた様が肥満を想起させることからついた名前である。 青色の塩基性色素での染色では、異調染色性を示し、赤紫色に染まる。 ヒトの肥満細胞にはいくつかの異なるタイプがあるとされ、たとえば社会問題となっているに代表されるの発症部位であるにおいては、粘膜型と統合織型の肥満細胞があるとされる。 これらのうちその発症に関わるものは粘膜型である。 いわゆる細胞レベルでの各種実験において統合織型の肥満細胞が用いられることがあるが、反応性などが異なるため注意が必要である。 肥満細胞はを介したの主体である。 肥満細胞の中にはをはじめとした各種化学伝達物質(ケミカルメディエーター)があり、細胞表面に結合したIgEに抗原が結合しその架橋が成立すると、それがトリガーとなって細胞膜酵素の活性化がうながされ、結果的に内容物である特異顆粒、すなわちヒスタミンなどが放出される(脱顆粒)。 また、細胞膜酵素の活性化は、の生成と代謝を亢進させ()、代謝物である、(PAF)、、A 2などを細胞膜から遊離する。 こうした肥満細胞から遊離されたケミカルメディエーターのうち、ヒスタミンやロイコトリエンC 4などは気管支平滑筋収縮作用、血管透過性亢進作用、粘液分泌作用などを有し、アレルギーにおける即時型反応を引き起こす。 いっぽう、血小板活性化因子やロイコトリエンB 4などは遊走因子として好酸球や好中球などの炎症細胞を反応局所に呼び寄せる。 これはアレルギーの遅延層反応(アレルギー性炎症)を引き起こす。 また、肥満細胞はの移動に関与することも報告されている。 関連項目 [ ]•

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ヒスタミンがマスト細胞成熟を促進させると証明

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第2498号 2002年8月19日 アレルギーの本質を解明する鍵 -マスト細胞の多彩な役割 【インタビュー】 羅 智靖氏(日本大学医学部教授・先進医学総合研究センター) 分子生物学の爆発的な発展から,アレルギー・免疫研究もその恩恵を受けて,アレルギー・免疫の根本的な病態解明から新たな治療戦略が急速に展開しつつある。 その中にあってマスト細胞は,これまで考えられてきた以上に多様な機能を持つことが続々と明らかになり,新たなパラダイムが形成されつつある。 本紙では,世界で最初にアレルギー疾患に対するIgE結合阻害による治療戦略の可能性を証明し,「アレルギーの本質を再検討する必要がある」と強調する羅智靖氏に,話を聞く機会を得た。 もともとはドイツ語の「Mastzelle」で,「肥満細胞」の意味です。 血管や腫瘍の周囲にみられ,顆粒を多く持った大きな細胞で,太って見えることからこの名前がつきました。 その機能は長い間不明でしたが,ヘパリン含有量とマスト細胞数が相関することがイヌの肝臓で発見され,また,1953年にウエスト(West)が,マスト細胞がヒスタミンを多量に含んでいることを発見しました。 アナフィラキシーの時に血液中のヒスタミンが増えることから,マスト細胞が原因と考えられ,それと並行して,ヒスタミンの機能とアレルギーにおける役割から,マスト細胞がアレルギーと関係づけられました。 もう1つ,研究が進んだ大きなきっかけは,石坂公成先生によるIgEの発見(1966年)です。 IgE/抗原によって,マスト細胞が活性化された時にヒスタミンなどが「脱顆粒」により放出されることが見つかり,血管透過性の亢進や,血管拡張などの反応は,ヒスタミンをはじめとするケミカルメディエーター(顆粒内の産物)によることが明らかになりました。 さらにスウェーデンのサミュエルソンらが,SRS-A(Slow-reacting substance of anaphylaxis)の成分としてロイコトリエンを同定しました。 このように1970年代から80年代前半まで,アレルギーとは「IgE/抗原-マスト細胞-ケミカルメディエーター」という線で起こるというシナリオが有力でした。 好酸球とアレルギー 羅 アレルギー研究の中で最近までかなりインパクトがあったのは好酸球研究です。 アレルギー炎症が起こると,炎症局所に好酸球が多く出現し,好酸球はアレルギー炎症を診断する1つの基準になりました。 しかし,当初はそこでの好酸球の役割は不明で,好酸球は消防自動車のように火消し役として炎症を治める段階で出現すると思われていました。 ところが80年代に,イギリスで気管支鏡を使った侵襲的な検査が行なわれ,喘息患者さんの気管支粘膜を採取することが可能になりました。 そこで,症状が寛解している時でも,喘息の患者さんの気道に好酸球が存在することから,「喘息とは好酸球浸潤を主体とする慢性の炎症性疾患」と考えられるようになりました。 病態生理の解析の画期的な進歩です。 例えば,ダニが原因で喘息を起こすアトピー性喘息やアレルギー性喘息などは,喘息全体の5-6割で,残りの4割はアレルギーとは関係のない喘息とされています。 これは,「内因性喘息」と言われ,「IgE/抗原-マスト細胞」のパラダイムでは説明できないと考えられています。 しかし,好酸球は両方のタイプでみられることから,こちらが喘息に本質的であると考えられるようになりました。 確かに採取した組織には好酸球が多いのですが,組織にはマスト細胞がありますし,好塩基球もリンパ球もあります。 しかし,研究者はあまりにも好酸球に目がいってしまったようです。 一方,1990年代初頭に,ヘルパーT細胞についてTh1,Th2の概念が出てきました。 前後して,好酸球の生存を維持するサイトカインIL-5が発見されました。 好酸球の研究者はIL-5に注目して,「アレルギーはマスト細胞では説明できない」という話になってしまったのです。 これは,なぜそう極端かと不思議な話ですが,日本のアレルギー研究全体が好酸球にシフトしてしまい,マスト細胞研究はほとんどなくなってしまいました。 しかし,世界的には決してそうではありませんでした。 私は1980年代にアメリカに留学し,多くの研究者とマスト細胞-IgE受容体の研究を進めていましたが,まさに同時期に日本ではマスト細胞研究はほとんど表舞台からは消えてしまっていました。 サイトカイン・接着分子の発見 羅 1985-86年頃,マスト細胞がTh2タイプのサイトカインを産生することがわかってきました。 それも,IgEと抗原で刺激すると,まず脱顆粒が起こってヒスタミンなどを出し,アラキドン酸代謝が亢進してロイコトリエンやプロスタグランジンができ,数時間かかって遺伝子の転写,翻訳で蛋白が作られて分泌する経路で,早いものだと1-2時間で,非常に重要なサイトカインが出てくることがわかりました。 それに並行して1980年代終わり頃には,細胞間接着分子が続々と発見されてきました。 アレルギーとの関係では,マスト細胞を脱顆粒させると,その時にマスト細胞は,いわゆるケモアトラクタントを放出し,さらにケモカイン,サイトカインを大量に産生・放出します。 この放出されたサイトカインによって血管内皮細胞にVCAM1,ICAM1などの細胞間接着分子が発現するようになり,そこに血液中を流れていた好酸球や好塩基球,リンパ球が結合して末梢組織に浸潤し,組織にダメージを与えます。 アレルギー炎症のミッシング・リンクはマスト細胞 羅 喘息の誘発試験で,アレルギー炎症には二相性の反応があることはわかっていました。 即時相の反応はマスト細胞が担うことは明らかになっていましたが,遅発相の反応に関してはマスト細胞は関係なく,アレルギー炎症の本体は,遅発相にみられるような好酸球の浸潤を主体とした炎症という捉え方をされていました。 しかし,先ほどのサイトカインや接着分子の発見により,アレルギー炎症の経路が明らかになってきたのです。 血中ヒスタミン濃度などは,即時相ではもちろん,遅発相でも上昇します。 遅発相のヒスタミンのソースは浸潤してきた好塩基球であると考えられています。 いったん脱顆粒すると,マスト細胞は回復におよそ24時間以上かかるのですが,回復後にまた顆粒を貯えて脱顆粒を繰り返すのです。 このように,サイトカインの発見に端を発して,また細胞間接着分子の発現をキーワードにして,即時相と遅発相の間の「ミッシングリンク」がつながってきたのです。 これらの仕事は,メッツガー,キネ,羅のグループ,アメリカのオースチン,それからマスト細胞研究の大御所スティーブ・ギャリ(スタンフォード大病理学)らの継続された研究によるところが大きいと思われます。 マスト細胞は炎症のコンダクター 羅 アレルギー炎症の現場では,好酸球は組織に定着している細胞ではありません。 骨髄で成熟してはじめて血液中に出るもので,後は死ぬ運命しかない。 血管外に出たら,そこで刺激され,アポトーシスを起こします。 しかし,マスト細胞は1度脱顆粒しても,そこでまた回復します。 例えば,マウスの結合織型マスト細胞は,寿命が80-120日と言われています。 脱顆粒すると,マスト細胞は分裂してさらに増えるといった具合です。 好酸球が刺激され,脱顆粒すると死にますが,また新しい好酸球が浸潤してきます。 つまりアレルギー炎症を起こしている局所で,好酸球を呼び寄せる因子が出ているはずです。 そのソースの1つはその場に定着していて,炎症局所でIgE抗原と結合し反応するマスト細胞そのものなのです。 またリンパ球もマスト細胞を介して血液中から呼び出されてきます。 このような役割を考えると,アレルギーとは,マスト細胞が炎症のコンダクターとしてオーケストラの指揮をしていると言えます。 これはギャリなどと同じ考え方です。 現在,ヒト型抗IgE抗体を使って,マスト細胞の活性化を根本で抑える治療法が開始されています。 アレルギー性鼻炎や喘息などに効果が高く,遅発相にも効くようです。 たとえ,他の経路があったとしても,IgE-IgEレセプター-マスト細胞がメインストリームとしての経路と言えます。 一方で,好酸球に関しては,ここ2年ほど問題になっているように,抗IL-5抗体を使って血液中の好酸球や,気道に浸潤している好酸球をほとんどゼロレベルにしても,気道過敏性は改善しませんし,クリニカルスコアもよくなりません。 治療の意味で,好酸球の浸潤をなくしても喘息が治らないことがわかりました。 ただし,多くの例で喘息やアトピー性皮膚炎が悪化した時に好酸球が浸潤し,寛解すると好酸球が減ることは事実です。 その意味では,好酸球は炎症のよいマーカーですが,実際,悪役かあるいは消防車なのか,その役割を見直さなければいけない時期にきていると思います。 免疫系の中のマスト細胞 羅 免疫担当細胞としてのマスト細胞は,これまで考えられていた以上に多彩な働きをしていて,免疫系細胞のネットワークの根本的なところに組み込まれていることがわかってきました。 私たちはアレルギー性鼻炎の鼻粘膜で,マスト細胞自身がIgE産生をサポートすることを見つけました。 粘膜局所でマスト細胞とB細胞が接触型の細胞間相互作用をすると思われる経路を発見しています。 Th2タイプのT細胞はIL-4,IL-13を放出しますが,活性化されたT細胞はCD40のリガンド(CD40L)を発現して,B細胞側のCD40と相互作用し,サイトカインの刺激と相まって,このB細胞はIgE産生へとクラススイッチします。 この古典的なクラススイッチはリンパ節で起こりますが,アレルギーの鼻粘膜の現場では,抗原/IgEによって活性化されたマスト細胞がIL-4,IL-13を合成・放出し,CD40Lが発現してB細胞と相互作用を行ない,IgEクラススイッチを誘導するという,炎症局所でのアレルギー増悪サイクルができています。 マスト細胞とB細胞の相互作用で,IgEが局所で増加すると,IgEそのものがIgE受容体の細胞表面への発現を著しく増強します。 実験的には10-30倍も受容体の数を増やします。 細胞表面のIgE受容体が増加したマスト細胞は,ほんの少しの抗原でも,ものすごく過敏に反応します。 アレルギー炎症局所でのこのように多数の受容体を発現したマスト細胞では,ヒスタミン,ロイコトリエンやプロスタグランジンの放出やサイトカインの産生も,正常数の受容体を持つマスト細胞と比べて著しく増強しています。 そして炎症自体も増幅されることになります。 このアレルギーの増悪サイクルを標的にして,マスト細胞の活性化を抑えるという治療戦略は,大いに期待できると思います。 例えば,外部寄生虫という意味でダニなどの排除に働くのではないか,などのデータもあります。 マスト細胞は,進化的にみると魚から存在し,人においては全身の至るところに,特に皮膚や粘膜などの外界と接触する場所に最も多く,全部で1012個ぐらい存在しています。 そこはまた抗原が入ってくる場所でもあり,外からのバクテリアやウイルスなどとも接触する場所でもあります。 ある実験では,普通のマウスの腸に針を刺して,大腸菌による腹膜炎を起こしても回復します。 ところがマスト細胞が欠損したマウスは,腹膜炎から敗血症を起こして死んでしまいます。 そのマウスに,今度はマスト細胞を移植すると死なないのです。 これは,マスト細胞が感染防御に働いているかなり決定的な証拠です。 しかもその場合に,腹膜炎を起こすと好中球がたくさん出てきます。 マスト細胞がどのようにバクテリアと反応して,好中球を呼び寄せているのかを,われわれは初めて明らかにしました。 マウスを用いたin vivoの実験で,マスト細胞を脱顆粒させると,30分から1-2時間ほどの時間で最初に現れる細胞が好中球です。 IgEと抗原でマスト細胞を刺激して脱顆粒させたところへ出てきたこの好中球は,アッという間にその場からいなくなってしまいます。 感染すると,好中球はいろいろな理由で組織にとどまるのですが,アレルギーの場合にはいなくなる。 マスト細胞はToll-like receptorsを発現する 羅 マスト細胞の本来の生理的な役割は感染防御であると思われます。 マスト細胞は,大腸菌などのグラム陰性菌の菌体成分であるリポ多糖(LPS)と反応するToll-like receptor(TLR)の4(TLR4)を発現しています。 大腸菌感染による腹膜炎などのモデルではTLR4に大腸菌の成分が反応します。 そうすると,マスト細胞が活性化されますが,脱顆粒せずにサイトカイン産生を行ないます。 この実験結果は,マスト細胞の本来の役割が,感染防御のフロントラインを形成する自然免疫(Innate Immunity)にあることを示しています。 多くの感染症はその段階で抑えられています。 これを突破されたり,慢性になってある程度メモリーができると,次の段階でT細胞,B細胞の免疫系が動き出します。 もともとTLRsは,ショウジョウバエの体節を作って,腹側と背中側を決めるという,発生・成長の過程で重要な分子として発見されたものです。 なぜバクテリアやウイルスを認識するのかはわかりませんが,偶然パターン認識にあっていたのかもしれません。 さらにTLR2は,バクテリアの中ではグラム陽性菌の成分を認識します。 例えば,黄色ブドウ球菌などの菌体成分のペプチドグリカン(PGN)で刺激すると,マスト細胞はサイトカインを産生・放出し,脱顆粒するといった具合です。 進化とマスト細胞 羅 TLRsのあるものはサイトカインを放出し,あるものは脱顆粒を起こします。 これは進化の過程をたどって,シグナル伝達の経路が分化したのだと思いますが,私自身は,おそらく脱顆粒を起こすのは進化の後のほうの過程で起こったものではないかと考えています。 例えば,ガラパゴス島のカメやトカゲにおいてはマスト細胞はどうなっているのかと考えることがあります。 明らかにわかっていることは,アレルギーの時に哺乳類では必ず脱顆粒を起こします。 その中で,マスト細胞の脱顆粒は進化の1つの重要なマーカーになるのではないかと思っています。 アトピー性皮膚炎とマスト細胞のTLR2 羅 先ほど,TLR2と黄色ブドウ球菌のことを述べましたが,アトピー性皮膚炎の患者さんの病変部の80-90%に黄色ブドウ球菌が検出されると言います。 通常,皮膚にいるブドウ球菌は白色ブドウ球菌で,病原性はありません。 黄色ブドウ球菌がアトピー性皮膚炎病変部で増殖して,病態を悪化させることが明らかになりました。 皮膚にはマスト細胞が多く存在しますが,マスト細胞が黄色ブドウ球菌と反応すると,IgEや抗原に関係なく直接に脱顆粒して,炎症を悪化させている可能性があります。 アトピー性皮膚炎の治療には海水浴がありますが,これは塩水が黄色ブドウ球菌を殺すからなのです。 イソジンでの消毒や抗生物質でも除菌できます。 皮膚炎で荒れた皮膚に黄色ブドウ球菌が付着し,それだけで脱顆粒を起こすという,アレルギー炎症のサイクルができてしまう可能性があるということです。 マスト細胞はヘリコバクター・ピロリと反応する 羅 マスト細胞は胃粘膜にもたくさん存在しますが,7-8年前にマスト細胞とヘリコバクター・ピロリを反応させると脱顆粒を起こすことがわかりました。 ピロリ菌の毒素VacAが細胞内に入ると,細胞を空胞化して殺してしまうのですが,VacAがマスト細胞の表面に結合し,細胞を刺激して,種々のサイトカインを放出することがわかりました。 実際にVacAをネズミに投与すると慢性胃炎を起こします。 これは,マスト細胞が当初はバクテリアを排除する働きだったものが,炎症を起こさせることになったことを示します。 炎症とは,組織の修復とも関係するなどのよい面もあり,むやみに抑制するのは必ずしもよいことではありません。 バクテリアと闘っている間に炎症を起こすならよいのですが,過剰になると病変となります。 このあたりにマスト細胞が胃炎や胃潰瘍と関係している可能性がありますね。 マスト細胞が各臓器でどのような機能を有するかは,まだ研究されていないのが現状です。 経験的には昔から偏頭痛の患者さんに抗アレルギー薬が効く人がいることも関係がありそうです(脳室の周囲にマスト細胞が多い)。 また,急性膀胱炎では抗生物質が効果的なのですが,膀胱内にもマスト細胞がたくさん存在し,特に間質性膀胱炎など慢性膀胱炎ではマスト細胞がかなり働いているようです。 これはアレルギーとは違い,本来マスト細胞は各臓器で異なる機能を持っていると考えられます。 アレルギーは文明への警鐘 羅 今後は,自然免疫から,どこが過剰で,どこから逸脱が始まってアレルギーを起こすようになったのかを知ることが,とても大事だと思います。 いま,アレルギーが大変増えていますが,これは明らかに環境との関係によります。 生物は自分の環境を受け入れられなくなると死滅します。 このように外界に対して過敏になってしまうのは,決してよいことではありません。 そこを生き延びるために,生理的な反応から過敏・過剰な反応へと変化する源になるところを探りたいのです。 これは,多彩な反応をするマスト細胞に,なぜ逸脱するような経路ができてきたのかを知ることによって,かなりよいヒントが得られるのではと考えています。 予想はつきませんが,地道に調べる中で何かきっかけが見つかればよいと思います。 そしてアレルギーは,単に病態だけでなく,「文明病」という意味で,ヒトに対して警告を発しているとも受け取れます。 そういう視点から,アレルギー炎症を治せばよいというだけでなく,ヒトが種として生き延びていくための環境をも視野に入れて考えていく必要があると思います。

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