相続税 いくらまで。 相続税が免除される遺産額は3,600万円が目安!?

相続税における非課税がいくらまでか

相続税 いくらまで

相続税は、被相続人が死亡した次の日から10ヶ月以内に申告・納税を済ませなければならない税金で、全ての相続でこの手続が必ず行われるというわけではありません。 ただし、相続税には基礎控除以外にも控除(税額軽減)制度が設けられており、これらを利用する場合や被相続人の医療費控除を受けるためには、たとえ納税額が0円でも相続税の申告手続きをしなければなりません。 相続税の控除制度のうち、最も額が大きく利用される機会が多いのが 「配偶者控除(配偶者の税額軽減制度)」です。 今回は、知らないと損する相続税の配偶者控除制度の基本的な知識や計算方法と、配偶者が優遇を受けられる税制等について、具体例を交えてご紹介いたします。 相続税の配偶者控除の基礎知識 配偶者の税額軽減を「配偶者控除」と呼びますが、なんと 1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のどちらか高い方が控除されるという優遇措置が採られています(相続税法19条の2)。 平成27年改正の制度概要 配偶者控除の前に、現在の相続税制度について簡単に整理すると、以下のような内容になっています。 この結果、相続において非常に大きな控除枠を持つ配偶者控除が注目されるに至ったわけです。 配偶者控除が使える人 配偶者控除が使えるのは、被相続人の死亡時点で法律上の婚姻関係にあった配偶者に限られます。 したがって、内縁関係など事実婚の配偶者や、既に離婚届を提出した元配偶者など、被相続人の死亡時に法律上の配偶者でなかった人は利用することができません。 言い換えれば、別居中や離婚調停中の配偶者であっても、被相続人の死亡時点で未だ法律上の配偶者でありさえすれば、配偶者控除が利用できるということになります。 ただし、隠蔽・仮装等の行為をした財産については、配偶者控除を使うことはできません。 配偶者控除の使い方 配偶者控除の使い方は至ってシンプルで、「相続税の申告書」(または「相続税の更正の請求書」)に税額軽減の明細を記載することになります。 したがって、配偶者控除を利用するためには相続税の申告期限までに遺産分割を行っておく必要があります。 基礎控除との違いとしては、基礎控除の場合は課税財産がなければ申告不要であるのに対し、配偶者控除の場合は たとえ課税財産が0円だったとしても申告しなければならない点が挙げられます。 これは、配偶者控除の場合は実際に配偶者が取得した財産をもとに計算を行うことから、相続税の納付額が0円だったとしても、どういった内容で遺産分割がなされてその財産を取得したのかを把握する必要があるためです。 また、申告書が提出されなければ、税務署としても配偶者控除によって税額が0円になったのか、単に申告漏れなのかが判別できないという理由もあります。 原則として相続税の申告の際に利用する配偶者控除ですが、申告期限までに遺産分割が終わっていない場合は、一旦法定相続分で相続税を申告しておき、その後3年以内に「更正の請求」をすることで、配偶者控除を利用することができます。 なお、配偶者控除の利用の際に必要になる書類は、以下のものが挙げられます。 相続税の申告書• 戸籍謄本• 遺言書の写しまたは遺産分割協議書の写し(配偶者の取得財産が分かる書類)• 印鑑証明書(遺産分割協議書の写しを提出する場合) 注意点• 遺産を隠蔽・仮装する行為をしてしまうと、その財産については控除を利用することができません。 相続税の申告期限が過ぎてしまった場合には、相続税の申告書または更正の請求書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付すれば軽減が受けられます。 申告期限から3年以内に遺産分割できないやむを得ない事情がある場合に限り、税務署長の承認を得ることでその事情のなくなった日の翌日から4ヶ月以内に分割された財産についても軽減対象にすることができます。 配偶者控除は非常にメリットが大きい制度ですが、次の相続の際に、子など大きな控除枠を持たない相続人が多額の相続税を課されるリスクについての考慮が必要です。 相続税の配偶者控除の計算例 配偶者控除の仕組みは以上のようになりますが、実際にどれくらい相続税が変わってくるのか、ここで具体的な計算をしてみたいと思います。 相続税の計算方法としては、全員分の相続税の総額を算出し、その後に各人ごとの相続税額の計算を行うという2段階の流れで進めることになりますので、基本的な考え方を押さえていただければある程度自力で計算することも可能です。 このとき、相続開始前3年以内になされた法定相続人への贈与財産も含めて考えるほか、受取人固有の財産となる死亡保険金・死亡退職金(いわゆるみなし相続財産)も加算して考えます。 ここでいう法定相続人の数には、相続放棄した人も含めることができます。 全員の「仮の相続税額」を足したものが、相続税の総額ということになります。 ただ、だからといって配偶者にほとんどの遺産を相続させてしまうと、配偶者が亡くなった際の二次相続において、子などの相続人が多額の相続税を納付しなければならなくなる可能性がありますので、節税という意味では生前から上手に特例措置などを利用し、相続時の財産を極力減らしておいたほうが賢いかもしれません。 まずは、相続税の控除枠について、種類と内容をご紹介していきたいと思います。 基礎控除 相続税の申告の際に絶対に忘れてはならないのが「基礎控除」の存在です(相続税法15条)。 法定相続人が1人の場合でも3,600万円が控除されるので「相続財産が3,600万円程度までなら相続税を申告しなくてもよい」という話が出てくるわけですが、他の控除を利用する場合には、納税額が0円でも申告自体は必要になるという注意点があります。 なお、相続放棄をした相続人がいる場合でも、基礎控除の法定相続人の数に含めることができるので、非常に大きな控除となるでしょう。 未成年者控除 相続人の中に未成年者がいる場合には、未成年者控除(相続税法19条の3)を利用すると、その未成年者の相続税額が少なくなります。 障害者控除 相続人の中に所定の条件を満たす障害者がいる場合には、障害者控除(相続税法19条の4)を利用すると、その障害者の相続税額が少なくなります。 (詳しくはをご覧ください。 ただし、この扶養義務者は配偶者・直系血族および兄弟姉妹のほか、3親等の親族のうち一定の人だけで、その障害者が以前の相続においても障害者控除を受けている場合には、控除額が制限されることもあります。 数次相続控除 数次相続控除とは、当該相続の被相続人がその相続の開始前10年以内に開始した相続において財産を取得したことがある場合に、この被相続人から財産を取得した人について、被相続人が前の相続で取得した財産について課せられた相続税額に相当する金額に所定の割合を乗じて算出した金額を控除できる制度です(相続税法20条)。 要は、被相続人Xが死亡する前10年間でXが相続人になった相続がある場合に、以下の計算式によって今回の相続税額を減らすことができるということです。 少し複雑な計算式ですが、分解すると以下の手順で計算するということです。 ===============================• 1=0. ここでは、相続税以外でも是非押さえていただきたい配偶者の権利について、ご紹介いたします。 法定相続分・遺留分 相続税の前提となる遺産相続の場面では、配偶者が絶大な権利を有しています。 民法では、遺言による遺産分割の指定がなされていない場合に「法定相続分」という相続人ごとの相続割合が適用されますが、配偶者は以下のように大きな割合を有しています。 人気ドラマの影響で事実婚への注目も高まっていますが、現状の日本の民法ではあくまで「法律上の配偶者」に大きな権利を与えているに過ぎませんので、事実婚と法律婚の扱いの違いには充分注意しておくのがおすすめです。 贈与税の特例 相続税以外でも、税法における配偶者控除といえば所得税などが浮かびますが、是非押さえていただきたいのが贈与税の特例です。 贈与税には、「夫婦間での居住用不動産贈与についての配偶者控除制度」があり、婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産または居住用不動産取得資金の贈与が行われた場合に、最大2,000万円まで控除ができる仕組みになっています。 この特例の適用要件は以下のとおりです。 過去に同一配偶者から受けた居住用不動産または取得資金の贈与につき、配偶者控除の適用を受けていないこと• 夫婦の婚姻期間が20年以上あること• 婚姻から20年経過後に行われた贈与であること• 配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内居住用不動産または居住用不動産取得資金であること• 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した不動産または取得資金で取得した国内居住用不動産に、贈与を受けた人が現実に住むこと• その後も引き続きその不動産に住む見込みであること 不動産取得資金等の配偶者控除は、2,000万円までの贈与が控除される大きな枠になりますので、同じ配偶者からは一生に一度しか適用を受けられませんのでご注意ください。 税額を抑えた相続税申告なら、相続税専門の税理士に依頼 誰が相続税の申告を行っても、納める相続税額は同じ金額になると思っていませんか? 実は、 その考えは間違っています。 税理士業務の中でも「相続税の申告」は非常に特殊なもので相続税の専門的な知識が求められます。 税理士ごとに、計算される相続税額が異なることも少なくないのです。 ここでは、「相続税専門」の税理士に依頼することが相続税を抑えるのにつながる理由についてご紹介します。 税理士にも得意分野がある 医者に外科や内科などの専門分野があるように、 税理士にも専門分野があります。 税理士になるには、「所得税法」「法人税法」「相続税法」「消費税法又は酒税法」「国税徴収法」「住民税又は事業税」「固定資産税」のうち、所得税法と法人税法を含む3つの科目に合格することが求められます。 つまり、 相続税について勉強せず税理士になった人も数多くいるのです。 一般的な税理士の仕事は法人税や所得税の申告です。 全国の 年間の相続税申告件数は約10万件なのに対し、税理士は約8万人存在しています。 つまり、税理士一人あたりの相続税の申告件数は年間で1~2件程度が実状です。 全国に企業が400万社以上あることからも、いかに相続税の申告業務が稀であるか理解できるでしょう。 そのため、相続税の申告を数多くこなしている税理士は少なく、専門的に扱っていない税理士に依頼すると、 本来払わずに済んだ税金を支払う事態になりかねません。 相続税を抑えるために必要なこと 相続税を抑えるためには、 相続財産 特に土地や家屋 を正しく評価することや、特例・各種控除などを適用させることが必要不可欠です。 相続税の金額を正しく計算するには、もとになる遺産の価値を正しく評価する必要があります。 預金や株式といった金銭価値がはっきりしているものであれば問題ありませんが、土地や家屋、さらに車などの一般動産や家財一式などの評価は難しく、 税理士や税務署によって解釈が異なることもあり、遺産の価値を過大に評価してしまうこともあるのです。 また、相続税額を抑えるには控除や特例を利用することが不可欠ですが、適用条件が複雑なこともあり、 適用できるのに気づかなかったり、適用できるかどうかの判断が困難な場合もあります。 さらに、本来の金額よりも少ない金額を誤って申告してしまうと、税務調査が行われ、延滞税や加算税などの追微課税が発生し、 本来よりも高い税金を納めなければならないといった事態になりかねないのです。 相続税の申告は「相続税専門」税理士に依頼 あなた自身や経験の少ない税理士では、正しく申告するのが困難な場合もあるでしょう。 そのため当サイト編集部では、 相続税を専門に取り扱う税理士に依頼することを強く推奨しています。 相続でお悩みの方に、相続税に特化した 「高い専門性」と、ワンストップ対応でアフターフォローも充実した 「依頼のしやすさ」を併せ持つ税理士を紹介したい。 そんな思いで全国の税理士事務所を編集部が探した結果、2つの条件を満たすのが 「税理士法人チェスター」でした。 税理士法人チェスターは、年間に1,000件以上の相続税申告を行っている 「相続税の申告」に特化した税理士事務所です。 初回の電話相談や面会相談も無料で、税務調査が入った場合のアフターフォローにも5年間対応します。 さらに、1次相続や2次相続までを考慮し、どのように遺産を配分すれば相続税を抑えられるかについて 、 最適な分割プランを提案します。 2008年から開業したノウハウを駆使し、土地や家屋などの不動産も正しく評価。 控除や特例も適切に利用し、 できる限り相続税額を抑える申告を目指しています。 修正申告が必要だった場合、延滞税や加算税を支払わなければならず、追加での納税が必要になってしまいます。 税務調査を受ける確率や、追微課税を支払う可能性もぐっと抑えられるのです。 依頼した場合は税理士報酬を支払う必要はありますが、 それを上回って相続税額を抑えられることも少なくありませんし、ご自身での申告書作成から申告までの一連の手間や税務調査に対処する手間も省けます。 以下に当てはまる方は まずは問合せてみましょう。

次の

相続税はいくらからかかる?「相続人の数」と「遺産総額」から簡単判定!

相続税 いくらまで

相続税とは遺産を相続したときに課せられる、国に治める税金です。 相続には多額の相続税がかかると思われがちですが、実際は税金がかからない非課税枠の設定があり、これを超えなければかかりません。 相続税の負担を軽減するためにも、非課税枠について理解を深めましょう。 相続税とは遺産を相続したときにかかる税金で、国に納めるものです。 相続税はいくらかかるか?支払うことができなかったらどうしようなど、不安を感じる人もいらっしゃると思いますが、実は税金がかかるのは一定の金額を超えた場合のみです。 それは、税金がかからない非課税枠の設定があるからです。 非課税枠について理解を深めておけば、相続税がかかる場合でも負担を減らすことができます。 詳しくご説明しましょう。 相続税がかかる財産・かからない財産 亡くなった人を「被相続人」といい、相続税がかかる財産は、基本的に被相続人が所有していた財産を指します。 財産とは、現金や預貯金だけではありません。 不動産、貴金属、書画、骨董品など、金銭的に価値があると認められるものすべてが対象です。 死亡した時点では財産となっていない死亡保険金や退職金も対象になるほか、家族名義の貯金が対象になることもあります。 ただし、被相続人が所有していた財産でも、相続税がかからない財産があります。 お墓、仏壇、葬儀の費用などです。 相続人が、国や地方公共団体などに寄付をした場合も、非課税の扱いになります。 日頃から拝んでいた仏像や仏具も基本的には非課税ですが、明らかな骨董価値が認められる場合や、日常的に拝むには高価すぎると判断される場合は課税対象になることもあるので、心に留めておきましょう。 相続税の3つの非課税枠 次に、相続税がかからない非課税枠についてもう少し詳しく見ていきましょう。 以下の項目は、相続税の計算をする際、財産から差し引くことができます。 法定相続人の人数による非課税枠 基礎控除とは、相続税の計算をするにあたり、財産から一定額を差し引くことのできるシステムです。 一定額と書きましたが、誰もが同じ金額になるわけではなく、法定相続人の人数によって変動します。 計算方法は、次の通りです。 単純に考えると、相続財産が3,600万円以下であれば相続税の申告は必要ないということです。 参考までに、法定相続人には順位があり、民法で次のように規定されています。 常に法定相続人…配偶者 第1順位…子ども(子どもが亡くなっている場合は孫) 第2順位…親(両親が亡くなっている場合は祖父母) 第3順位…兄弟姉妹(全員亡くなっている場合は甥・姪) みなし相続財産による非課税枠 みなし相続財産に該当するものは、生命保険の死亡保険金と死亡退職金です。 民法上は遺産となみなされていませんが、被相続人が亡くなった段階で受け取れる財産ということで、税法上は遺産として扱われます。 みなし相続財産も、法定相続人の人数によって非課税枠が定められています。 計算方法は次の通りです。 また、葬儀にかかった費用も差し引くことが可能です。 具体的には、次のようなものが対象となります。 <相続税の計算をする際に差し引けるもの> 借入金、未払いの税金や医療費、預かっている敷金、葬儀で発生した費用(ただし、香典返し、葬儀後の法要費用、非課税財産として認められている墓地や墓石の購入費用は除く)など 非課税枠活用時に把握すべき控除制度 相続税の計算に際しては、以下に該当する場合も控除が認められています。 余分な税金を持っていかれることのないよう、しっかりと把握しておきましょう。 配偶者の税額軽減 配偶者が遺産を相続する場合、総額が1億6,000万円以下、もしくは法定相続分の範囲におさまれば、相続税はかかりません。 0円ということです。 もしも1億6,000万円を超えたとしても、法定相続分までなら相続税はかかりません。 つまり、1億6,000万円か法定相続分のうち額の大きい方を、相続する財産から引いた額にかけられる相続税を納めればよいということです。 なお、配偶者の税額軽減を受けるためには、相続財産を計算し、相続税申告の締め切り日までに配偶者本人が申告する必要があります。 未成年者控除 法定相続人の中に未成年者がいる場合は、控除の対象となります。 20歳になるまでの養育費用として遺産を使うことが認められているからです。 計算方法は、次の通りです。 相次相続控除 相次相続とは、10年以内に連続して相続の事態が発生することです。 例えば、祖父の財産を相続した祖母が3年で他界してしまい、さらなる相続が発生したというケースが該当します。 相続税の負担を軽減するための措置ですが、計算方法はかなり複雑です。 こういう控除制度があることを覚えておき、いざというときに相談できるようにしておきましょう。 障害者控除 障害を持つ法定相続人にも、控除が認められています。 計算方法は、次の通りです。 特別障害者控除 特別障害者控除は重度の障害を持つ人を対象とした控除制度で、金額は次の計算方法で求めることができます。 相続税には、基礎控除などの非課税枠をはじめとしたさまざまな軽減措置が図られています。 知らないままでいると、必要以上の税金を納めてしまうことにもなりかねません。 遺産を相続する際は、相続税の金額を計算したうえで制度を賢く利用して、相続税の納付負担を減らしましょう。

次の

相続税が免除される遺産額は3,600万円が目安!?

相続税 いくらまで

人が亡くなり、その人の遺産を相続する際に、相続税を納める場合があります。 以前は、お金持ちが納める税金というイメージがあった相続税ですが、法律の改正により、納める世帯が増えてきました。 ここでは、相続税はいくらまでが無税なのか、その際に法定相続人はどのように関係してくるのか、詳しくご説明いたします。 相続税の考え方 人が亡くなると、通常その人が持っていた財産をその人の配偶者(夫や妻)、子どもなどが、引き継ぐことになります。 相続税とは、このように、亡くなった人の財産が引き継がれていく段階で課される税金のことです。 財産の引き継ぎのことを「相続」と言います。 また、相続だけでなく、亡くなった人の財産を遺贈する場合、死因贈与にも相続税が課されることになっています。 遺贈とは、故人が生前に作成した遺言書によって、ある人に財産を与えること、死因贈与は「私が亡くなったら、〇〇を差し上げます」という贈与契約のことです。 遺贈も死因贈与も、相続と同様に、人の死亡を原因として、その人の財産が移動することになりますから、相続税が課されることになるのです。 そうは言っても、自分の財産を家族に引き継いでもらうのに、なぜ税金が課されるのか、と不思議に思う人も少なくないはずです。 この相続税の大きな目的に、「富の再配分」があるのです。 もっと分かりやすく言うと、偶然親が資産家だったために、苦労することなく多額な財産を引き継ぐ人と、そうでない人が存在することは、不公平であるという考え方があるのです。 そして、労せずして親から多額の財産を受け継いだ人には、それ相応の税金を課して、社会に還元しようという論理です。 相続税が課されるケース 相続税には基礎控除額がある 相続税が課されるのは、相続、遺贈、死因贈与によって財産を継いだ人ですが、そうは言っても、実際に相続税を納めなければならない人は、それほど多くはありません。 以前の相続税の「基礎控除額」は、以下のとおりでした。 なお、基礎控除額とは、相続税がかからない金額のことです。 現在の基礎控除額 しかし、法律の改正により、2015年(平成27年)1月1日の相続・遺贈から、基礎控除額は次のようになりました。 しかし、法律が改正する前と比べて、法定相続人が3人いた場合には、基礎控除額に3,200万円の差があることになります。 この基礎控除額の変更によって、相続税はもはや他人事ではなくなってしまった感があります。 法定相続人とは 先程ご説明した基礎控除額で、法定相続人という言葉が出てきましたが、これは民法という法律で決められた相続人を意味しています。 法定相続人と法定相続分について 次に、法定相続人と法定相続分について、列記します。 なお、法定相続分とは、民法で決められている遺産の配分のことです。 また、以下に出てくる「被相続人」とは、亡くなって財産を残した人のことです。 まず、 被相続人に配偶者と子どもがいる場合は、彼らが法定相続人であり、第1順位の相続人です。 配偶者は、常に子どもと同順位の相続人で、 法定相続分は配偶者が遺産の2分の1、子どもも遺産の2分の1です。 子どもが2人以上いる時には、各自の相続分は均等となります。 例えば子どもが2人いる場合には、それぞれ遺産の4分の1ずつを相続することになります。 なお、被相続人が亡くなる以前に、被相続人の配偶者が亡くなっていた場合には、全て子どもが遺産を相続することになります。 非嫡出子にも法廷相続分がある また、以前は非嫡出子(婚外子)の相続分は、実子の2分の1とされていましたが、法律が改正されて、 現在は実子と同じ相続分になっています。 さらに、 被相続人に養子がいた場合も、実子と同じ相続分になります。 子どもがいない場合 被相続人に子どもがいないときには、配偶者と直系尊属(被相続人の父母)が法定相続人になります。 この場合、 法定相続分は、配偶者が遺産の3分の2、直系尊属が遺産の3分の1となります。 直系尊属が2人いる場合には、各自の法定相続分は均等です。 例えば、被相続人の父母がともに健在であれば、それぞれ遺産を6分の1ずつ相続ずることになります。 なお、被相続人が亡くなる以前に、被相続人の配偶者が亡くなっていた場合には、全て被相続人の直系尊属が遺産を相続することになります。 被相続人に子どもも直系尊属もいない場合には、配偶者と被相続人の兄弟姉妹が法定相続人になります。 この場合、法定相続分は、配偶者が遺産の4分の3、兄弟姉妹が遺産の4分の1となります。 兄弟姉妹が2人以上いる場合には、各自の法定相続分は均等です。 例えば、被相続人の兄弟姉妹が3人いる場合には、それぞれ遺産を12分の1ずつ相続することになります。 なお、被相続人が亡くなる以前に、被相続人の配偶者が亡くなっていた場合には、全て被相続人の兄弟姉妹が遺産を相続することになります。 相続税の計算方法 相続の計算は、次の3つのステップに従って、行われます。 相続人などの各自の課税価格を計算 まず、1つ目のステップですが、相続人一人一人について、相続税の課税価格を以下の計算方法で算定します。 (本来の相続財産+みなし相続財産の価額)-非課税財産の価額-債務及び葬式の費用+(相続時精算課税の適用を受けた贈与財産+3年以内の贈与財産) なお、故人の財産を取得した人には、法定相続人だけでなく、遺贈によって財産をもらった第三者、相続を放棄した人で生命保険を受け取った人なども含まれます。 上記の計算式によって、算定した各自の課税価格を合計して、相続税の課税価格を算出します。 基礎控除後の課税価格を法定相続分で分けて税額を算定 2つ目のステップでは、先程求めた相続税の課税価格の合計から、相続税の基礎控除額を引きます。 この法定相続人の数では、相続放棄した人を含みます。 また、被相続人に養子がいる場合には、次のルールが適用されます。 ただし、次の人は、実子とみなされるために、上記の養子の制限は受けません。 そして、各自に振り分けた金額(法定相続分に応じた取得金額)に税率を適用して、それぞれの税額を算出します。 最終的に、各相続人の税額を計算することで、相続税の総額を算出することになります。 相続人などの各自の実際の取得分に応じて配分 最後の3つ目のステップでは、各自が税務署に納める相続税の金額を算出します。 先程算出した「相続税の総額」を各自が実際に取得した財産の価格に応じて、各自に振り分けることになります。 この「各自の相続税額」が算出されたら、「2割加算」と「税額控除」を行います。 2割加算とは、財産を取得した人が、「1親等の血族(父母または子)」以外、「配偶者」以外だった場合は、先程算出した「各自の相続税額」に20%を加算します。 また、財産を取得した人が、「贈与税額控除」、「配偶者の税額軽減」、「未成年者控除」、「障害者控除」、「相次相続控除」、「外国税額控除」、「相続時精算課税制度に係る贈与税額控除」に該当する場合には、税額控除が適用されることになります。 いくらまで無税になるか? それでは、遺産がいくらまでは相続税が無税になるかという問題ですが、それは基本的に法定相続人の人数によって決まります。 次に、法定相続人の人数によって、無税になるライン、つまり基礎控除額を算定してみます。 先程の「相続税の計算方法」の項目でご説明したように、3番目のステップで、「2割加算」や「税額控除」の調整を行うからです。 それでも、一応の目安として、基礎控除額の遺産が、無税になるラインの目安となります。 つまり、当然のことながら、、 法定相続人の数が多ければ多いほど、無税になる遺産額のラインは上がるということになります。 有効な節税対策 法定相続人の人数が多ければ、無税になる遺産額のラインが上がると言っても、法定相続人を増やすことは、なかなか至難の業です。 それでも、先程ご説明したように、以下に示す人は、実子とみなされ、法定相続人としてカウントされます。 通常の養子と違って、次のような条件があります。 ・養子となる子どもは、特別養子縁組請求の時に、原則として、6歳未満であること• ・養親の1人は、25歳以上、他方は20歳以上であること• ・夫婦は共同で養子縁組をすること• ・養親が養子を6ヶ月以上監護すること 特別養子は、通常の養子と違って、養親との養子縁組が成立すると、実の親との親子関係は解消されます。 戸籍上の親子となるには、養子縁組をする必要があります。 養子になると、法定相続人となります。 代襲相続とは、例えば被相続人に配偶者と孫が1人いたとします。 通常は、配偶者と子どもが法定相続人ですが、すでに子どもが亡くなっているため、相続することができません。 しかし、子どもに子どもがいた場合、つまり 被相続人に孫がいた場合、その孫が子どもの代わりに相続人となります。 これを代襲相続人と言います。 これは、配偶者が結婚までに特別養子縁組をした養子がいた場合、その配偶者と結婚することで、自分の養子となった人のことです。 まとめ 相続税の基礎控除額が引き下げられたことで、相続税を納めるケースが増えてきています。 相続税はいくらまで無税になるのか、大きなポイントなるのが、法定相続人の人数です。 法定相続人は、実の子どもだけでなく、養子も含まれますので、実際にご自分のケースを整理しておき、きたる遺産相続の際に備えておくことをおすすめします。

次の