ケーキ の 切れ ない 非行 少年 たち。 「ケーキを等分に切れない」非行少年たちの実情

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)

ケーキ の 切れ ない 非行 少年 たち

『ケーキの切れない非行少年たち』感想・レビュー 宮口さんは医療少年院へ入ってすぐ、「手がかかる」少年と対面します。 その少年は社会で暴行・傷害事件を起こして入所し、少年院でも粗暴行為を繰り返していました。 一言でいうと、 かなり問題のある少年だったんですね。 その彼と出会った宮口さんは、「Rey複雑図形の模写」をさせてみることにしました。 文字通り複雑な図形の紙を渡され、それを紙に模写するものです。 この結果が、宮口さんにとって「生涯忘れ得ない衝撃的な体験」となりました。 実際に本に掲載されていた図形を載せますが、課題として出されたのが上の図1-1。 それに対して、少年の描いたものは下の図1-2だったのです。 『ケーキの切れない非行少年たち』より ところどころのパーツは似ていますが、全体はまったく別の絵に変わっています。 つまり少年の目には、図1-1の絵が図1-2のように見えているのです。 これを見た宮口さんは、それまでの発達障害や知的障害のイメージが崩れました。 そして見る力がこれだけ弱いとおそらく聞く力もかなり弱くて、我々大人の言うことが殆ど聞き取れないか、聞き取れても歪んで聞こえている可能性があるのです。 『ケーキの切れない非行少年たち』より ケーキを等分に切ることができない もう一つ、同じようなテストの結果をご紹介します。 本のタイトルにもなっているテストです。 粗暴な言動の目立つ少年にA4の紙を渡し、以下のような問題を出しました。 ここに丸いケーキがあります。 3人で食べるとしたらどうやって切りますか?皆が平等になるように切ってください 『ケーキの切れない非行少年たち』より この問題を聞いて多くの人が、中心から放射状に3本線を引いて等分になるようにするでしょう。 ところがその少年は、まずケーキを横半分に切り、その後、悩んだまま固まってしまいました。 何度か試しても同じことの繰り返しで、線を入れたかと思えば、図2-1のように上半分に線を入れます。 別の少年は同じ問題を図2-2のような切り方をし、「では、5等分にするには?」と尋ねると、図2-3や図2-4のような切り方をしました。 『ケーキの切れない非行少年たち』より 非行少年の多くは、逮捕後に障害がわかる こういった簡単なテストや面接を繰り返すうち、宮内さんは非行少年の類似点を見つけます。 ・認知機能の弱さ……見たり聞いたり想像する力が弱い ・感情統制の弱さ……感情をコントロールするのが苦手。 すぐにキレる ・融通の利かなさ……何でも思いつきでやってしまう。 予想外のことに弱い ・不適切な自己評価……自分の問題点が分からない。 自信があり過ぎる、なさ過ぎる ・対人スキルの乏しさ……人とのコミュニケーションが苦手 +1身体的不器用さ……力加減ができない、身体の使い方が不器用 『ケーキの切れない非行少年たち』より 非行少年の多くは、小学2年生ごろから勉強についていけなくなります。 すると友達からバカにされイジメにあい、先生からは不真面目な生徒の烙印を押されます。 その結果、学校に行かなくなり、万引きや暴力行動など非行的になっていくのです。 でもこの時点で、誰もこの生徒に障害があるとは気づきません。 中学校へ進学して問題行動がエスカレートし、逮捕され、少年鑑別所に入って初めて「障害があったのだ」とわかるのです。 この本では、「では、どうすれば彼らを救えるのか」といった解決案までが書かれています。 興味を持たれたら、実際に本を読んでみてください。 これから先は、本を読んでぼく自身が気づいたことです。 話の通じないひと 自分もまた、著者と同じように「Rey複雑図形の模写」の結果に衝撃を受けました。 社会で普通に過ごしていて、「話の通じない人」が一定の割合でいませんか。 そんなとき、「自分の伝え方が悪い」もしくは、「おそらく何かしら強いこだわりがあり、一時的に視野が狭くなっている」と思っていました。 そういった人もたくさんいるのでしょうが、この図の結果を見て、「そもそも、見えている世界のまったく違う人がいる」とわかりました。 もちろん、ぼくの見ている世界が正しいわけではないです。 ぼくも歪みを持って、目の前の世界を見ています。 つまり見えている世界はひとつではなく、 ひとによって違う風に写っているのです。 しかも認知の弱い人にとっては、多くの人が見る平均的な世界とは、まったくの別物になっている可能性もある。 そんな事実に気づいたんです。 会話を成立させるには、見えている世界を合致させる必要がある すると、色々なことが納得できました。 例えば何か問題が起きたとき、担当者へ原因と解決法を聞いてみたとします。 ところが責めているわけでないのに、質問をしても自己弁護ばかりされるケースがあります。 問題解決の方法を話し合いたいのに、「私は悪くない。 システムが悪い。 会社が悪い」と責任逃ればかりされるケース。 そんなとき、 そのひとに見えている世界は、大勢の人が一斉に自分を攻撃している様子なのかもしれません。 見えている世界が違うため、話がまったく噛み合わない。 話を進めるためには、「あなたを糾弾したいわけでなく、問題解決をしたい」と お互いの見えている世界を合致させる必要がある。 それをしないで、「あのひとは責任逃ればかりで、話にならない」と切り捨ててはダメなんですね。 その逆にトラブルがあったときには、「自分は、目の前の世界を認知できているか」と、意識したほうが良いでしょう。 話の通じない原因は、自分の認知力の低下にあるのかもしれません。 「見えている世界が違う事実」は知っておいてよかった 人間は社会的な動物なので、人間関係が生活の多くを占めます。 その良し悪しで、日々の暮らしやすさはかなり変化するでしょう。 「認知が低下すると、会話が成立しない」「そもそも、見えている世界のまったく違う人がいる」こういった事実は、知っておいてよかったと思いました。

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なぜ非行少年たちは“ケーキを3等分出来ない”のか――医療少年院で受けた衝撃

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また、少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすらできない非行少年がいるそうです。 宮口氏の新著『』を一部抜粋しその真実に迫ります。 私は現在、大学で主に臨床心理系の講義を担当しておりますが、もともとは精神科医です。 3年前に現大学に赴任するまで少年院で法務技官として勤務してきました。 その前は大阪の公立精神科病院に児童精神科医として勤務していました。 そこでは外来や入院病棟で発達障害、被虐待児、不登校、思春期の子たちなどを診察していましたが、その病院は関西の基幹病院とも言える規模だったので、あらゆる症例を見てきました。 発達障害の専門外来では、申し込んでから初診の順番が来るまで4年待ちという状態で、ほとんど機能していないくらいの患者が集まってきていたのです。 児童だけでなく、殺人などの重大犯罪を行った成人や少年の精神鑑定を行う機会もありました。 ある少年との出会い 当時、ある施設へ定期的に出向いて診察や発達相談などを行っていたのですが、そこで発達障害をもった1人の少年に出会いました。 その少年は性の問題行動を抱えていました。 年齢にかかわらず、とにかく女性の身体に触ってしまうというこだわりがあったのです。 幼女や女性が集まりそうな場所に行っては、相手を見つけて触るという行為を繰り返していたのです。 私はその施設で彼の継続治療を行うことになりました。 そこで、当時、認知行動療法に基づいて北米で作成され、効果が期待されていた性加害防止のためのワークブックを日本語に翻訳し、一緒にワークブックを進めていくことにしました。 並行して病院の外来にも来てもらい、さまざまなストレスを抑えるための薬物療法も行いました。 認知行動療法とは、思考の歪みを修正することで適切な行為・思考・感情を増やし、不適切な行為・思考・感情を減らすことや対人関係スキルの改善などを図る治療法の1つで、心理療法分野では効果的であるとされています。 例えば、AさんがBさんにあいさつして、Bさんから返事がなかったとします。 そこでAさんは「Bは僕をワザと無視した。 僕のことが嫌いなのだ」と考えると怒りが出てきて、今度はAさんがBさんを無視したり、意地悪したりするかもしれません。 そこで認知行動療法ではAさんに違った考え方をしてもらいます。 「ひょっとして僕の声が小さかったからBさんが気づいていないのでは?」「Bさんは何か考え事に夢中になっていて気づかなかったのでは?」などです。 こう考えると、Aさんは「それなら仕方ない。 もう1回大きな声であいさつしてみよう」と考え、再度あいさつするかもしれません。 そこでBさんが返事を返してくれれば、Aさんは「Bは僕をワザと無視した。 僕のことが嫌いなのだ」といった思考が歪んでいたことに気がつきます。 すると、その後はより適切な行為・思考・感情につながっていくことになります。 同時にあいさつの仕方といった対人関係スキルの改善にもつながります。 「もうしません」と真剣に繰り返すが… このように考え方を変えることでより好ましい行動につなげていく認知行動療法は、性加害者への治療プログラムの根幹にもなっています。 性加害者は、性に対して歪んだ思考(「実は女性は襲われたいと思っている」など)を持っていたり、対人関係において「社会の人たちは皆敵だ」「自分は皆から避けられている」「自分には価値がない」といった攻撃的、被害的思考を持っていたりする場合があり、そういった歪んだ思考が性加害行為につながっている可能性があります。 そこで認知行動療法を使ってそういった歪んだ思考を修正して好ましい行動に変えていくのです。 私が彼に使っていたワークブックも、まさにそういった方法に基づいて作成されていたのです。 その少年はワークブックを終えるたびに「わかりました」と答え、また外来でも「もうしません」と真剣に繰り返すので、「今度こそ大丈夫だ」と思うこともたびたびだったのですが、状況はまったく変わりませんでした。 次の診察で会うときまでには何らかの性の問題を起こすということが何度も続いたのです。 どうして変わらないのだろう、と思い悩む日々が続きました。 後になってその原因がわかったのですが、彼は知的なハンディも併せてもっていたために認知機能が弱く、ワークブック自体がしっかりと理解できていなかったのです。 認知行動療法は「認知機能という能力に問題がないこと」を前提に考えられた手法です。 認知機能に問題がある場合、効果ははっきりとは証明されていないのです。 では認知機能に問題があるというのはどんな子どもたちか。 それが発達障害や知的障害のある子どもたちなのです。 つまり発達障害や知的障害がある子どもたちには、認知行動療法がベースとなったプログラムは効果が期待できない可能性があるのです。 でも実際に現場で困っているのは、そういった子どもたちなのです。 ではどうしたらいいのか。 答えは病院にはありませんでした。 病院は世間では最後の砦のように思われていますが、実は発達障害や知的障害があり、さまざまな問題行動を繰り返す少年に対しては、結局は投薬治療といった対症療法しかなく、根本的に治すことは困難なのです。 私は、病院でできることが限られていることを痛感してから悶々とした日々を過ごしていました。 ほかにも殺人や殺人未遂などを行った発達障害をもった少年たちの精神鑑定に携わり、彼らの犯行に至った背景や問題点はよくわかるのですが、具体的にどう支援すればいいのかについては、皆目見当がつきませんでした。 投薬以外の個別カウンセリング、認知行動療法、作業療法などで解決するとは到底思えず、かといってそれ以外のノウハウもありません。 そういった治療を専門にしている医療機関や医師も、国内で調べる限り見当たりませんでした。 医療少年院に赴任した 障害のある子どもたちは本来、大切に守り育てないといけない存在です。 それなのに加害者となって被害者を作り、矯正施設に入れられてしまうのです。 まさに「教育の敗北」と言っていい状況です。 そういった「最悪の結末とも考えられる施設」に行けば、何か支援のヒントが見つけられるのではないか。 それまで勤めていた精神科病院を辞め、医療少年院に赴任することにしました。 公立精神科病院で児童精神科医として勤めていた私は、児童・青年のことはひととおりわかったつもりになっていましたが、少年院に来てみて実はまだほとんど何も知らなかったことに気づきました。 同じ発達障害の子でも病院とはまったく違うことが問題になっていたこと、病院を受診する児童・青年は比較的恵まれた子どもたちであることなども知りました。 もちろん虐待を受けた子どもたちもいましたが、基本、病院には保護者や支援者がいるからこそ連れてこられるわけです。 問題があっても病院に連れて来られず、障害に気づかれず、学校でいじめに遭い、非行に走って加害者になり、警察に逮捕され、更に少年鑑別所に回され、そこで初めてその子に「障害があった」と気づく、という現状があったのです。 現在の特別支援教育を含めた学校教育がうまく機能していなかったのです。 なかでも驚かされたのが、「ケーキを切れない」非行少年たちがいたことでした。 ある粗暴な言動が目立つ少年の面接をしたとき、私は彼と向かい合って紙の上に丸い円を描いて、「ここに丸いケーキがあります。 3人で食べるとしたらどうやって切りますか? 皆が平等になるように切ってください」という問題を出してみました。 すると、その粗暴な言動の少年はまずケーキを縦に半分に切って、その後「う~ん」と悩みながら固まってしまったのです。 失敗したのかなと思い「ではもう1回」と言って私は再度紙に丸い円を書きました。 すると、またその少年は縦に切って、その後、悩み続けたのです。 結局彼は、画像の左のように半分だけ横に切ったり、四等分にしたりして「あー」と困ったようなため息をもらしてしまいました。 ほかに右のような切り方をした少年もいます。 これらのような切り方は小学校低学年の子どもたちや知的障害をもった子どもの中にも時々みられますので、この図自体は問題ではないのです。 問題なのは、このような切り方をしているのが強盗、強姦、殺人事件など凶悪犯罪を起こしている中学生・高校生の年齢の非行少年たちだ、ということです。 犯罪への反省以前の問題 彼らに、非行の反省や被害者の気持ちを考えさせるような従来の矯正教育を行っても、ほとんど右から左へと抜けていくのも容易に想像できます。 犯罪への反省以前の問題なのです。 ま たこういったケーキの切り方しかできない少年たちが、これまでどれだけ多くの挫折を経験してきたことか、そしてこの社会がどれだけ生きにくかったことかもわかるのです。 医療少年院勤務の後、女子少年院にも1年間ほど勤務しました。 非行少女が収容される女子少年院の実態も知っておきたいと思ったからです。 女子少年院には医療少年院と重なる部分もありましたし、違った問題点もありました。 彼らにどんな特徴があるのか、どうすれば更生させることができるのか、そして同じような非行少年をつくらないためにどうしていけばいいのか。 そうした問いに対する私の考えを近刊『ケーキの切れない非行少年たち』に記しました。 ポイントは、すべての学習の土台にある「認知機能」を向上させることです。 認知機能を高めないまま、認知行動療法のような「すでに認知機能が備わっている」ことが前提となるプログラムを施しても、あまり効果は望めません。 そこで私は、少年院での知見を元に、自分でプログラムを開発することにしました。 それが、1日5分で、簡単に、お金をかけず、子どもたちを傷つけることなく、ゲーム感覚で認知機能の向上を図れるプログラム「コグトレ」です。 認知機能を構成する5つの要素(記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断)に対応する、「覚える」「数える」「写す」「見つける」「想像する」の5つのトレーニングからなっています。 「コグトレ」は少年院だけでなく、学校の現場で困っている子どもたちに対しても効果的な支援となりうるプログラムで、すでにいくつかの小学校などでは導入されています。 非行少年に限らず、1人でも多くの「困っている子ども」が救われ、彼らが安心して暮らせる社会ができることを願っています。

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『ケーキの切れない非行少年たち』感想・レビュー。見えている世界の、まったく違うひとたちがいる

ケーキ の 切れ ない 非行 少年 たち

概要 まず本の概要ですが、著者の 宮口浩治さんは児童精神科医で、多くの非行少年たちと関わる中で、反省を促すはずの少年院で「反省以前」の子供たちがたくさんいるという事実に気づきます。 認知力が弱く、ケーキを等分に切ることができない子供が多数いることがわかり、同時にこれは非行少年だけの問題ではないと気づきます。 「境界知能」というのは、 「明らかな知的障害とはいえず、環境を選べば、自立して社会生活ができると考えられるが、状況によっては理解と支援が必要なレベル」の知能のことです。 (より) 本書の構成 本書は全7章で構成されています。 僕が特に印象に残ったのは 第1章、第3章、そして第7章 です。 第1章 「反省以前」の子どもたち 第2章 「僕はやさしい人間です」と答える殺人少年• 第3章 非行少年に共通する特徴 第4章 気づかれない子どもたち 第5章 忘れられた人々 第6章 褒める教育だけでは問題は解決しない• 第7章 ではどうすれば? 1日5分で日本を変える それでは、気になった部分の説明と感想を書いていきます。 第1章 「反省以前」の子どもたち 「 反省以前」というのは、 自分がしたことが悪いことだという認識がないということです。 なぜ認識がないのか?というと彼らの中には 「認知能力」 に問題があり、自分の行動の善悪について認識していないので、これでは 反省させようにも難しい、というのです。 著者の指摘通り、これではたとえ少年院でさまざまな更生プログラムを用意していても、それらのプログラムが 正常な「認知能力」を前提としている限り彼らには有効ではありません。 認知能力が低いと想像力が弱く、想像力が弱いと自分がしたことやこれからしようとすることが悪いことであるという想像ができないので、犯罪を犯しても悪いことをしたと反省できません。 このままだとたしかに「反省を促す以前」の問題です。 そうなると自分の行為の善悪の判断がつかないので「今これをしたらどうなるだろう」という予想も立てられず、感情を統制が効かずに、その場の感情にまかせて行動してしまう。 また、適切な自己評価ができておらず「自分は問題ない」と認識していた場合、自分から変わろうとする意識は働かない。 自己評価をするためには、ここでも結局 「認知機能」が関係してくる。 そして、対人スキルが弱いと嫌なことを断れず、また、助けを求めることができない。 その結果流されて非行化してしまうリスクが大きくなる。 こんな状態でさらに「身体的不器用さ」があると、うまく力加減ができないなど体の制御がうまくできないので、正しい姿勢が維持できず授業を最後まで受けることができなかったり、力加減ができず相手にケガをさせてしまうなど、トラブルに発展するケースが出てくる、ということです。 これらの根源が 認知機能の弱さにある場合、非行少年たちを「本人が悪い」で済ませていいのか?と感じました。 第7章 ではどうすれば? 1日5分で日本を変える ではどうすればいいのか? 一番気になるところです。 まず著者は非行少年から学ぶ子供の教育として共通するのは、 「自己への気づき」と「自己評価の向上」だと書いています。 そして、認知機能に問題があるのに境界知能であるため病名もつかず見落とされがちな子供に早く気づき、 社会面、学習面、身体面の3つの支援をすることが必要であると書いています。 さらに著者は、 認知機能をターゲットにした学習面のトレーニングが有効 ではないかと考えました。 認知機能を鍛える『コグトレ』とは 著者は、これまでの学校や社会の支援以外に、学習の土台にある認知機能をターゲットにした「コグトレ」という認知機能トレーニングを推奨しています。 『コグトレ』とは、認知=Cognitiveとトレーニングからとった造語で、著者の宮口さんが代表世話人を務めるによる認知機能トレーニングです。 コグトレは、認知機能を構成する5つの要素• 教材はワークシートを利用し、紙と鉛筆を使って取り組みます。 1日5分程度でできるこのトレーニングが認知機能を強化するために有効だと説明しています。 トレーニングメニューは社会面、学習面、身体面の認知機能トレーニングメニューがあります。 画像:より引用 本書では158ページから170ページまで12ページにわたって例を挙げた具体的な説明が書いてありますが、内容を書くとネタバレになるので、ぜひ本書を手に取って読んでみてください。 コグトレに興味を持たれた方はぜひコグトレ研究所のサイトもご参照ください。 まとめ 今日は話題の新書「ケーキの切れない非行少年たち」の一部をご紹介しました。 僕の知人に、発達障害児への療育をしている人がいるのですが、その人の話を聞くと、発達障害のうち特に境界知能の子供たちは、早くからトレーニングするほど認知面、感情面などを成長させ、「個性」として活かせるようになる可能性が高いといいます。 逆に、療育が遅くなると性格や個性が固定されてしまって本人の抑制が効かず、社会に出るときに苦労する傾向があるそうです。 これらの子供たちを支えるためには、現在の学校の先生だけでは無理だと思います。 かといって社会がみんなこれらの保護や支援が必要な子供たちに対して寛容かというとそうでもありません。 子供のサインに親が早く気付くことができればいいのですが、親が気づかない、また親自身が発達障害というケースもあり実はかなり難しい社会問題となっています。 こんな子供たちがいるということ、早くからの認知能力のトレーニングが大切なんだということを知っただけでもこの本を読んだ意味はあるのではないかと思いました。 最後までお読みいただきありがとうございました。

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